更新日 2021年08月23日

ブライダル業界は特殊ってほんと?人材紹介業界の共通点・相違点について考えてみた

0018_ブライダルと人材の業界構造の共通点について考えてみた

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。今回はコラム記事です。

「ブライダル業界は特殊だから難しい」
業界の方とお話しているとよく聞く言葉ですが、他の業界の事例や考え方が参考になる場面もけっこうあり、思っているより特殊ではないなぁと感じることも多いんですよね。今回は独立前に私が従事していた人材紹介業界と比較して共通点と違いについて考えてみます。

 

ブライダルビジネスの業界構造

18_ブライダルビジネスの業界構造(主に集客)

顧客はこれから結婚式を挙げる新郎新婦で、結婚情報誌・情報サイト・エージェントカウンターを経由して、結婚式場に到達し結婚式を実施する。

結婚式場が広告宣伝費を支払って雑誌や情報サイトに自社会場の情報を掲載し、カップルがその雑誌やサイトで調べて気になる会場に予約、来館し納得したら申込む、そのまま結婚式を挙げると結婚式場の売上が立つ、ざっくり流れとしてはこうなります。

2010年代後半からはインスタグラムや公式HPに力を入れている式場も増えてきていますね。

さて、平たく書くとこんな感じですが、実際の力関係で見るとこんな感じだと思います。

18_ブライダルビジネスの実際のところ

こんな感じじゃないですかね。
圧倒的に媒体の力が強くて、新郎新婦と結婚式場が直接つながることってほとんどないんじゃないかと思います。20代から40代までの女性1,000人に「ゼクシィって知っていますか?」って聞いたら900人くらいイエスって答えそうですけど、「アニヴェルセルって知っていますか?」って聞いたら50人くらいしかイエスって答えなさそうですよね(超主観なので根拠はないです)。

強いていてば、T&Gの運営するTRUNKや、CRAZYの運営するIWAI OMOTESANDOなどは直接集客をかなり頑張っている方だと思います。

カップル⇔媒体の関係

ブライダルの特徴として「情報の非対称性」があり、これは顧客側が持っている情報と比べて媒体や事業者側が持っている情報の方が圧倒的に大きいことを意味します。

実際のところカップルが媒体に掲載されている情報をしっかり読み込んだとしても、すべてを正確に理解するのは不可能でしょう。情報量が膨大ですし、日頃から接している商材ではないので、自分の中で判断する基準を持っていないことがほとんどだからです。

媒体⇔結婚式場の関係

媒体と単独の結婚式場では認知度・集客力に圧倒的な差があります。特に大手媒体との差は埋めがたく、ゼクシィ、ハナユメ、みんなのウェディングとウエディングパークから掲載拒否されて、まともに集客できる会場は日本に一握りもないと思います。この力関係のハードルが超えられないため、高い広告費を毎年掛け捨てで支払い続けるのは嫌だけど、それがないと式場を運営していけないのが現実だと思います。

顧客と事業者の情報格差が大きい

事業者に比べて媒体が圧倒的に強い

この2つがブライダルビジネスの大きな特徴で、これがあるから「ブライダル業界は特殊だから集客が難しい」と思う人が多いのでしょう。

 

人材ビジネスの業界構造

18_人材ビジネスの業界構造(主に採用)

求職者、求人情報を掲載・または企業を紹介する求人メディア・人材エージェント・ビズリーチのようなプラットフォーム、採用したい企業(の人事)が登場人物で、大枠としての構造はブライダルと似ています。

企業が採用費を支払って雑誌や求人メディアに自社の求人情報を掲載し、求職者がその雑誌やメディアで調べて気になる企業に応募、面接を通過したら内定、そのまま転職をするとメディアやエージェントに成功報酬などで売上が立つ、ざっくり流れとしてはこうなります。

一方、最近のトレンド及び各社の力関係についてはどうでしょうか?

18_人材ビジネスの最近のトレンド

ブライダルと同様に求職者が知っている情報と媒体やエージェントが持っている情報量には圧倒的な差がありますが、そこを通さないと情報を知りえないかと言われるとそうでもない、と言う程度だと思います。

特に最近では企業の自社採用が活発化してきており、またチャネルもWantedlyやYOUTRUSTと増えてきていますし、かつエンジニアやデザイナーなどの職だとSNSを使った採用事例も増えてきています。

採用コストを削減する、自社へのエンゲージメントを高める目的で自社採用を強化し、エージェントなどを通さずにダイレクトリクルーティングや社員紹介のリファラル採用をメインに人材獲得をしている企業も多くなってきているわけです。

***

ここまで、ブライダル業界と人材業界の似ているとこと、違うところをざっと書いてみました。結婚式場の集客活動と企業の採用活動は似ているという話なのですが、ブライダル業界の集客はほぼ媒体頼みである一方、企業の採用はエージェントや媒体を利用しているところはもちろんあるものの直接採用しているケースも数多くそれが成長の源泉となっている企業も多いことが分かります。

 

人材業界でやっていてブライダル業界はやっていないこと

人材業界では自社採用のために様々な取り組みを行っていると思います。

  • wantedlyなどでのブログの定期更新
  • 自社で持っているブログやオウンドメディアの更新(特に開発ブログやテックブログなどが多いですね)
  • 採用専用のSNSアカウントの運用
  • インターンシップの実施
  • ミートアップの開催
  • 採用ページの充実、社員の顔出し
  • 転職意欲なくてもいいから話を聞く場のセッティング、職場見学会の開催
  • イベントやセミナーでの登壇や執筆
  • リファラル制度の設計、運用

などなど。もっと尖ったところだと

  • カヤックの1社だけの合同説明会やいちゲー採用
  • サイバーエージェントの弟子入り採用
  • Sansanのお寿司パーティ採用
  • LIGのラブレター採用

なんてことをやっている企業もあります。また、最近では

  • 三菱UFJ銀行「新卒年収1000万円」
  • サイバーエージェントの新卒エンジニアコースの新設

など、最初から採用枠を変える会社も増えてきています。

ほんとにあの手この手、といった感じです。これらの施策について勉強したり事例を見ると、ブライダル・結婚式場の集客でももっとできることあるんじゃない?と思います。

  • ゼクシィなどの媒体でのプランナーブログの定期更新→やってるところも多いけど、誰に向けてどんなテーマで書いているのか明確になっていないことが多いと思います。
  • 自社のブログやオウンドメディアの作成・更新→外注したSEO対策用のチープな記事ではなくて、現役プランナー純度100%の記事コンテンツ制作とかしたら差別化になると思います。
  • 結婚式場のSNSアカウントの運用→ただ広告的な投稿を垂れ流すだけではなく、きちんとコミュニケーション取れるような戦略設計から
  • 成約目的ではないワークショップや座談会などイベントの実施→TRUNKはたまにやっていますよね。
  • 一般の傾けの新コースメニュー試食会→SNSをうまく活用して人を集めればSNSでの拡散が期待できます
  • スタッフページの充実、社員の顔出し→以前プランナーがストーカーされたなどの話もありますが、可能な限り行ったほうが安心感の情勢につながります。
  • ブライダル専門ではない女性向けメディアへの広報活動
  • お友達紹介制度の設計、運用

などなど。

他にも、例えばツイッターとかを見るとでプレ花嫁とつながりたい・卒花とつながりたいニーズも多いので、自会場もしくは自社の卒花コミュニティサイトつくるなどもありそうです。

 

ブライダル業界と人材業界の共通点と相違点についてまとめ

確かにブライダル業界特有の事象は多くあります。ただ、だからと言ってあきらめるのではなく、他の業界や他の職種では同じような課題に対してどのようなことをどのようなアプローチで対応しているか知ることは非常に重要だと思います。

目の前をとにかく突き詰めるだけでなく、たまには外の世界も見て勉強をするのもいいんじゃないでしょうか?

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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