更新日 2021年08月22日

結婚式場のFacebook運用のポイントと活用事例

0010_結婚式場のFacebook運用のポイントと活用事例

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

2020年代の結婚式場のSNS活用ではInstagramが中心でFacebookを積極的に活用している式場は少ないですが、今でも活用できる方法はあるので今回はFacebook運用のポイントと事例について紹介します。

Facebookのアカウント運用のポイント

①運用目的を決める

  • 企業全体のブランディング
  • 広報活動のチャネル
  • 特定製品やサービスのブランディング
  • キャンペーン利用
  • 顧客サポート
  • サイト流入増加

企業アカウントの運用目的としては上記のような狙いが多いですが、運用する場合は目的の共通認識を持つことが大切です。

②ファンを集める

多くのユーザーにいいね!などのアクションをしてもらうことでページの情報をより拡散させていくことを目指します。解説初期は所属メンバーがいいね!をしたりシェアをしたりすることで少しずつ情報を拡散・ファンを獲得していき、ある程度の手ごたえを得られた段階で広告を出稿することも視野に入れます。

③投稿の効果測定をする

Facebookアカウントの実績はインサイトで確認することができます。リーチした人数、コメント数、いいね!数、シェア数、動画であれば視聴率など。ただ漫然と投稿を繰り返すだけではなく、どういった投稿がユーザーの反応がよかったのかを数値できちんと振り返りを行いながら、ユーザーの求めている情報を投稿していくことが大切です。

 

結婚式場のFacebook運用

先ほどのポイントを踏まえて、結婚式場のアカウントを運用する場合のポイントにも触れていきます。

①目標・KPIの設定

まず目標は「来店予約の獲得数」と設定するのがよいでしょう。多くの式場でFacebook運用の成果が集客向上であるためです。ただ、SNSの運用はウェブ広告用に直接的なCVを獲得するものではないので、その違いをきちんと理解したうえでこの目標を設定し、KPIへ落とし込むことが必要です。

②KPIを整理する

基本的な導線はFacebook上の投稿もしくはFacebookページの基本情報等に設定したリンクをクリックし、会場サイトに遷移、そこから来館予約を獲得、という流れです。KPIを設定する際に注意したいのが、「会場サイトでの数値」なのか「Facebookでの数値」なのかをきちんと分けて設定することで、会場サイトの数値はGoogle AnalyticsをでFacebookページの数値はインサイトで取得して計測します。以下、主要KPI例です。

  1. ●サイト側
    • フォームの完了率:入力項目、入力のしやすさ(特にスマホ)などで改善
    • フォームへの到達率:Facebookからの遷移先は必ずしも直接フォームだけではないので、フォームの位置のわかりやすさ、などで改善
  2. ●Facebook側
    • クリック数:Facebook上で会場サイトへのクリック数
    • リーチ数:いいね!数、アクション率、エッジランクが関わります

③施策を整理する

KPIを設定してもSNSでは直接的にすべての数字をコントロールできるわけではないので、そのKPIを改善するための施策もここで整理しておきます。以下、主要な施策例です。

  1. ●サイト側
    • フォームの改善:入力項目の簡素化、入力のしやすさ、スマホであればSTEP別のフォームへの変更、など
    • サイト上の各コンテンツからフォームへの到達のしやすさの改善:サイト構造、グロナビの改善、WEB接客ツールの導入、など
    • 特設LPの設計(キャンペーンやイベントを開催する場合、など)
  2. ●Facebook側
    • 投稿数・投稿頻度:1日1回なのか週に1回なのか、多すぎるとウザくなるし少なすぎるとリーチが伸ばせないので適度な頻度で
    • 投稿内容(コンテンツ):コンテンツを投稿する目的は上記KPIのサイトへのクリック数を伸ばすことですが、必ずしもすべての投稿でリンクを入れる必要はないと思います(詳細は次のセクションで)
    • ファン数の獲得:広告を使って獲得する場合

④投稿コンテンツを企画する

一つ一つの投稿をどんな目的でするのかをきちんと定めて、そのバランスをとりながら運用することが大切です。

●リーチを伸ばす投稿

思わずシェアしたくなる投稿、いいね!コメントを残したくなる投稿を目指します。結婚式場アカウントでは、普段見ることのない結婚式場の裏側の話やドレスコンテンツなどは相性いいですね。例えば…、

  • 【料理系】一皿が盛り付けられる過程の動画
  • 【料理系】80皿分を手際よく盛り付けていく動画
  • 【料理系】皿によって料理に与える印象がこんなに違うよ!というのを比較した動画
  • 【ドレス系】ウエディングドレス1着のメンテナンスの流れを写した動画
  • 【ドレス系】同じ人が違うドレスを着たときの印象の違いの解説動画(×体系や身長別のパターン)
  • 【ドレス系】同じチャペルでも違うドレスを着たときの印象の違い解説動画(×体系や身長別のパターン)
  • 【ドレス系】お色直し中の手際のよさを示した動画(きわどいけど)
  • 【フラワー系】手元をアップしたブーケを作る動画(×ブーケの種類別のパターン)
  • 【フラワー系】花冠をつくるときのフローリストの手元をアップした動画
  • 【フラワー系】季節ごとのお花の違いによるブーケの印象の違い解説動画(季節別のパターン)
  • 【フラワー系】フローリストがデッサンを書いていく様子の動画(紙の上から定点撮影)
  • 【ヘアメイク系】ヘアアレンジをしながらポイント解説する動画(×髪型別)
  • 【ヘアメイク系】メイクをしながらポイント解説する動画
  • 【サービス系】目隠ししてシャンパンを注いでもこれだけ同じ量に注げます動画
  • 【サービス系】どんでん超はやいです動画
  • 【写真・映像系】エンドロール制作の裏側(式に進行とエンドロール制作を画面半々で映したような)動画
  • 【写真・映像系】機材への普通じゃないこだわりのメンテナンスの様子を映したの動画
  • 【写真・映像系】レタッチして写真が仕上がっていく様子を映した動画

動画は基本30秒、長くても1分。音声と字幕は必須。

●クリックを狙う投稿

先ほど書いたようなファンを集めてエンゲージメントを高めて、クリックさせる投稿でCVを狙います。リーチを伸ばす投稿:クリックさせる投稿=9~9.5:1~0.5くらいの割合バランスでいいと思います。以下、クリックさせるための投稿のポイントを列挙します。

  • 遷移先のページをきちんと明示する(遷移先ページのタイトルを入れる)
  • パラメータをつけたりしてURL長い場合は短縮URLを作る
  • クリックしたくなるアイキャッチを設定する(サイトのogpタグも必須)
  • キャンペーンやイベントの告知など「通常とちょっと違う」何かへの誘導の告知、という位置づけにする
  • できれば通常の会場サイトとは別の専用LP用意できるといい

営業臭が出てしまいすぎないように、投稿回数のバランスを見極めることが最重要かと思います。

⑤運営体制を整理・構築する

  • コンテンツを企画する役割
  • 動画撮影の調整をする、撮影をする役割
  • キャンペーンやイベントを企画する役割(LP制作のディレクション込み)
  • 会場のプランナーなど関係者に共有する役割
  • Facebookアカウントに投稿をする役割

ざっとこのような役割が必要です。選任の担当者がいて1人で全部できれば理想ですが、特に撮影日程調整など大変なので広報部門やマーケティング部門など会場外に所属する人との連携が必要になりそうです

また、専任ではなく兼務で分担して行う場合は、会場支配人と主担当機能の連携が肝になりますので、その認識で腰をすえて取り組める環境を整えましょう。理想はこのディレクションを責任持って行える選任の担当者が一人ほしいところですが、人件費予算の兼ね合いで確保することが難しい場合は、責任の所在だけは明確にしておくことが必須です。

⑥予算を確保する

ファン獲得のための広告は今はもうやらなくていいと思いますが、コンテンツ制作費の予算はある程度確保しておいた方がいいでしょう。それなりのクオリティの動画やイメージを継続的に作り続けるにはデザイナーや動画編集のプロに頼ったいい場面も少なくありません。そのための予算確保です。

⑦コンテンツカレンダーをつくる

場当たり的、思い付きでコンテンツを発信するよりも1か月単位で何を投稿していくかの計画は立てた方がいいでしょう。特に動画や写真系のコンテンツであれば、企画→撮影→編集→執筆→投稿、という流れになり、関係者のスケジュールをきちんと組むことが安定運用につながります。

⑧実行する、効果検証する

ここまで整えられたらあとは実行あるのみ!ただ、来館予約の実数値として目に見えるまでの成果を得るためには1年くらいの時間はかかると見込み、地道に数値の変化は見たほうがいいと思います。あまりに目先の数値にこだわってしまい、クリックを促す投稿(=営業要素的な投稿)に偏ってしまうと、せっかく集めたファンも離れていってしまいますし、何より積み上げてきたフェイスブックページのブランド、ひいては結婚式場のブランドイメージも崩れていってしまいます。そのため、Facebookまたはこれに限らずSNSの運用に取り組むと決めたら、しっかりと腰をすえて取り組むことが重要です。

 

結婚式場のFacebookアカウントの事例

TRUNK(HOTEL)

10_TRUNK HOTEL

https://www.facebook.com/trunkhotel/

 

八芳園

10_Happoen

https://www.facebook.com/happoen/

 

BEST BRIDAL

10_BESTBRIDAL

https://www.facebook.com/bestbridal/

 

アニヴェルセル

10_アニヴェルセル

https://www.facebook.com/anniversaire.japan/

 

結婚式場のFacebook運用ポイントまとめ

Facebookの期待効果は?と言われると今となっては2010年代ほど高くはないですが、今後CRMの施策を展開していくなどを検討しているのであれば取り組んでおいて損はないと思いますし、Facebookアカウントを利用した他サービスも出てくる可能性はあるので、取り組んでおくとよいのではないかと思います。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

CATEGORY同じカテゴリーの記事