アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
これまでのイベントディレクションの事例をもとに、結婚式場が主催するウェディングイベントについて考えてみます。
目次
生成AIとブライダル
ChatGPTが一般公開されたのが2022年11月。それから約1年半弱が経ちました。
AIとはそもそも何なのか?どんな仕組みなのか?は長くなるので割愛しますが、この記事執筆時点でAIでできることを列挙すると以下のような内容です。
- テキスト生成:記事、ブログ、物語などのテキストコンテンツを生成。
- 画像生成:プロンプトに基づいて特定のテーマに沿った新しい画像を作成。
- 音声生成:音楽の作曲やアレンジメント、音声の感情やトーンの調整。
- 動画生成:短いアニメーションや映像クリップの生成。
- コード生成:プログラミングの問題解決やコードの自動生成。ウェブサイトやアプリのプロトタイピング。
他にもいろいろありますが、把握できている範囲でもこれくらいはできます。しかも単にできるだけでなく高精度かつ超高速に。
そして何より一番の驚きというか脅威であることは「進化スピードが異常に速い」ことです。特に最近発表されたOpenAIの動画生成AI「Sora」とかすごいですよね。
僕は今ではChatGPTに課金して日常業務でもかなり使ってますし、それ以外にもMidjourney、Pikaとかもそこそこ使ってます。
まだまだ素人レベルではあるものの、実際に使ってみての感想としては「絶対使えるようになった方がいいよね」と思ってます。できることの範囲が広がるし、速くなるし、精度も上がるし、何より楽しいです。
ってことで今回はAIをブライダルの仕事でどのように使えそうか?の話を書いていきます。
AIを使うとどんなことができるのか?
実際に見た方が早いと思うので、クイズです。
Q1.実物のケーキはどれ?
Q2.実在するチャペルはどれ?
Q3.実物のヘアメイクの写真はどれ?
Q4.実際の挙式の写真はどれ?
正解は、Q1:B、Q2:C、Q3:A、Q4:C、です。それ以外はすべて画像生成AIで創作したもの。全問正解できました?
画像生成AIだとこういう画像が1分くらいで作れます。AIガチ勢の方が作ればもっとリアルなものを作れるでしょう。
このような画像生成AI以外にも、動画生成AIを活用しているSNSアカウントなども多くあり、様々な活用のされ方がされています。
またそれ以外にも、ChatGPTと会話しながら新規事業の壁打ちやプロダクト設計をしたり、最近だとAI活用したマッチングアプリ作りたいなと思っててその企画・仕様設計はChatGPTと会話しながらやってたりもします。
AI活用スキルはブライダル人材にとって必須スキルになる?
ChatGPTの利用率は以下のような数値らしいです(出典はこちら)。
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・聞いたことがある:96.1%
・利用したことがある:42.8%
・利用頻度
-月に数回:67.8%
-週に数回:27.2%
-毎日:4.9%
※2023年10月の調査結果
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他の記事でも、聞いたことはあるし使ったこともある、でも継続して使っている人は日本では少ないという調査結果を見たことがあります。このように、AI関連ツールを実際に使っている人はまだあまり多くないのかなと思います。
- どのように使えばいいかわからない
- 使ってみたけど思った回答が得られなかったので使えない
- 何となく怖い
- 別に使わなくても困ってない
このような理由が多いのかもしれません。ただ、個人的には絶対に使えた方がいいと思っていて、その理由は
- エクセル使えない経理
- タイピングができない営業
- デジタル広告運用できないマーケ
- クラウドサイン使えない法務
みたいな人が現代ではパフォーマンスを発揮しにくいように、いずれAIを使いこなせるスキルは様々な職種の必須要件になっていくと考えられるからです。
覚えるための思考のコツとしては
- 誤:期待していたアウトプットが出てこないから使えない
- 正:期待するアウトプットが出てくるまで試行錯誤する
この考え方で取り組んだ方がよさそうです。
AIは人の仕事を奪うのか?
今人間がやっている仕事がAIそのものに置き換わることはほとんどなさそうだと思っていて、もし置き換わるとしたらAIでしかできない新しいプロダクトになると想定しています。
ただし、AIを使いこなせる人間が”AIを使えない人間の仕事を奪っていく”は容易に起こりそうです。エクセル/VBA職人が1人いればそろばん経理5人は不要だよね、のイメージに近い。
もしブライダルで今後AIを活用したプロダクトが生まれていくとしたら、動画制作はAIに置き換わりそうかなぁと思ってます。二人の画像とテキストを入れれば、AIが勝手にプロフィールムービー作ってくれるようなサービスはできそう。
もちろん、AIが生成する動画とプロのビデオグラファーがつくる動画ではクオリティの差はありますよ。すぐに同じレベルのものが作れるようになるとは思いません。
ただAIのレベルはどんどん進化しているので、「すしロボットが作るスシローのお寿司」と「銀座のすし職人が握るお寿司」の違い、くらいになるんじゃないかなぁと思います。見る人が見れば全然違うけど、一般の人から見たらまぁありじゃない?って人もいるくらいのクオリティで生成されるレベルにはなるのではないかなと。
- スシロー:120円、銀座の寿司屋:1,200円で、クオリティも違うが価格が10倍違う。どっち行く?
- AIウェディング動画:5,000円、プロビデオグラファー:50,000円で、クオリティも違うが価格が10倍違う。どっちでつくる?
みたいなイメージ。
あとは写真のレタッチは早くなるかもですね。AIアップスケーラーに突っ込んで出力イメージ別の最適なプロンプト書いたらレタッチは一瞬で終了、これによってレタッチ業務が効率化されて撮影に充てられる時間が増えるので人気フォトグラファーがもっとたくさんの撮影に受けられるようになり、それによって他のフォトグラファーへの依頼が減る、とかはあるかもしれない。AIを活用するスーパーレタッチアシスタントがいたら重宝されそう。
プランナーはどうかなぁ。フリープランナーが顧客ヒアリングしてプランニングしていくノウハウを言語化して、それを読み込ませたカスタムGPTを作り、初期接触でそこに誘導することで効率を上げるまたは広く自身を知ってもらう機会を増やす、とかからスタートになりそう。
ドレスはARとのかけ合わせて、自宅で無限試着できるアプリとかじゃないかな。たぶん。もうそれっぽいのはあるけど。
花はわからんです。メタバースとかバーチャル空間で何かやるようになると力を発揮しそうだけど、今はあんまイメージないです。造花ブーケを作るときのイメージ制作、とかには役立つかも?とは思いつつ、詳しくないので控えます。
それ以外だと、広告のクリエイティブとかには使えそうかなと思ってますね。ヲタ恋とかすごいみたいですしね。
と、現時点ではこんなことを考えてますが、何しろ進化スピードが速すぎるので半年後には違うこと言ってるかもしれません。
AI活用に向けて大切だと思うこと
- 美しい画像を作る
- 論理的なテキストを書く
- 超高速高精度で動画を作る
- 無から音楽を作る
AIが普及するとこのようなことが簡単にできるようになります。専門家だからできた技術が民主化されていくわけです。なので、こうしたことへの付加価値はどんどんなくなっていくでしょう。
専門店でしかラーメンを食べることができなかった時代ならいざ知らず、お湯入れて3分待てば誰でもカップヌードルを食べられる現代で、ただラーメンを食べただけで感動する人はいないのです。ラーメンの民主化。
じゃあその時に何が付加価値になるのか?って話。
この記事、AIに興味ある人(できれば少し触ったことある人)なら時間を見つけて読んでいただきたいです。
創作自体は誰でもできる。
でもそこに伝えたい物語はあるか?意図はあるか?メッセージはあるか?
結局のところ、画像もテキストも動画も「伝達の手段」であり、伝えたいもの、叶えたいことがない人の創作は、見た人の心には届かないのです。
なので、どんなに技術が発展し、様々なことが容易にできるようになったとしても、「作り手の意思があるかどうか」が一番重要になるんじゃないかなと思います。
AI活用は手段であって目的ではない。その意識は大事にしたい。
その上で、できることは貪欲に吸収していき、取りうる手段の幅はどんどん広げていきたい。
ブライダル業界における生成AI活用についてまとめ
いろいろ書きましたが、AI触るのはこれまでにはない新しい発見がたくさんあるので楽しいです。
ただ、一人で黙々と創作するよりも異なる視点を持つ複数人でワイワイやりながらやる方がいいんじゃないかなって気はしています。このツールはこうやって使うとこんなことできるよ、とかの感じ方や発想は使う人によって違いますしね。
もしすでにもう使ってるよ!とかやってみたい!って人いたら連絡ください。AI友達募集中です。やりたいこといっぱいあるんだけど時間もアイディアも足りないし、本当に最初のイントロくらいは説明できると思いますので。