※寄稿記事です。
組単価アップを考える際、人数アップは様々な項目の中でも最重要な項目であるとも言えます。しかしながら、ゲストが出席するかどうかはプランナーには管理できないので自分の頑張りだけでは結果に紐づかないと感じてしまったり、新郎新婦の交友関係という非常にプライベートな部分の提案を行うため苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか?そこで、今回の記事では、人数アップを行う上で大切なポイントをまとめました。人数アップで悩んでいる打合せプランナーやリーダーの方にとってに、少しでも参考になれば幸いです。
ゲストをリストアップする上でのプランナーの役割
結婚式準備でまず始めに行うことはゲストのリストアップですが、新郎新婦や親御様に任せれば問題なくリストアップされるでしょうし、プランナーが新郎新婦の招待する/しないまで介入することが必要なのかと疑問に思う方もいるでしょう。ただ、完全に新郎新婦任せにしてしまっては、目指すべき人数アップにはなかなか届きません。では、リストアップをする上でのプランナーの役割とは何でしょうか?
遠方に住んでいる親戚、疎遠になった友人、小さい子供のいる友人、両親と仲の良い近所の方等、招待する/しないの線引き、両家のバランスなど、新郎新婦が悩む点は多々あります。そんな時プランナーは、以下のようにアドバイスをするといいでしょう。
- 結婚式に招待する(招待状を送る)ことは、私達(新郎新婦)にとって大切な人ということを相手(ゲスト)に伝えることができる
- 一方で、結婚式に招待しない(招待状を送らない)と、相手は疎外感を抱く可能性がある
リストアップする際にプランナーからの一言があれば、新郎新婦は招待状を送り、疎遠になった友人とご縁を繋ぐことができます。しかしプランナーの一言がなければ、招待状を送ることなく、関係性の溝を更に広げ、結果的にご縁が切れてしまうこともあります。これでは、どんなにいい結婚式を作ったとしても新郎新婦は後悔してしまいます(その可能性があります)。
このようにリストアップを漏れなく行うことは、単に組単価をアップさせるためだけではなくいい結婚式を作るための最初の大切な要素です。これが、新郎新婦がリストアップする時も打合せプランナーの役割だと言えます。
人数アップの提案プロセス
これまでこのブログでも、結婚式の打合せにおける商品提案のプロセスについて記事にしてきました。
人数アップの提案もその考え方が基本です。具体的プロセスは以下の通りです。
- 【初回打合せ前】招待に迷っている方もリストアップをしてきてもらうようにお願いする
- 【初回打合せ】新郎新婦の生立ちを伺い、これまでの交友関係の情報収集する
- その情報を元に、リストを見ながら招待したい人/悩んでいる人と各々の理由を伺う
- ゲストが招待状を受け取った時/受け取らなかった時の体験をアドバイスする
- 招待していない人について伺う
1.【初回打合せ前】招待に迷っている方もリストアップをしてきてもらうようにお願いする
リストアップする際、新郎新婦が悩む点は数多くあります。その為、プランナーは新郎新婦が招待を迷う人を把握するために、招待する人と一緒に迷う人もリストアップしてきてもらうということが大切です。また、ありきたりですが、事前に親御様への相談を促すことも大切です。
2.【初回打合せ】新郎新婦の生立ちを伺い、これまでの交友関係を情報収集する
新郎新婦のこれまでの交友関係を具体的に伺います。家族構成・趣味/特技・出会ったきっかけ・仕事のエピソードを伺う中で、家族・親戚の顔触れ、学生時代の友人・部活動仲間・恩師、職場の上司・先輩・同僚などの顔触れをしっかりと伺いましょう。
3.【初回打合せ】その情報を元に、リストを見ながら招待したい人/悩んでいる人と各々の理由を伺う
新郎新婦と共にリストを見ながら招待したい人について、新郎新婦との続柄/招待する理由や結婚式で伝えたい思いを確認します。それから、招待を悩んでいる人については新郎新婦との続柄/招待するか悩んでいる理由を確認します。
ここで少し余談になりますが、顧客満足・売上ともに優秀なプランナーは、招待したい人についても情報収集を行います。ゲストのことを知ることは、挙式・披露宴のプランニング、アイテム提案をする上で非常に重要な情報になります。そして、人数アップを行う上では、招待する/しないについて話しやすい環境が作られるので、招待を悩んでいる人や招待しない人についてプランナーと新郎新婦が意見交換を行いやすくなると感じます。
4.【初回打合せ】ゲストが招待状を受け取った時/受け取らなかった時の体験をアドバイスする
まずは、新郎新婦へは以下の2点をきちんと提案します。
- 結婚式に招待する(招待状を送る)ことは、私達(新郎新婦)にとって大切な人ということを相手(ゲスト)に伝えることができる
- 一方で、結婚式に招待しない(招待状を送らない)ということは、相手は疎外感を抱き、ご縁が切れてしまうことにもなる
ゴールは、新郎新婦に招待するか悩んでいる人へ招待状を送りたいと感じてもらうことです。ここでのポイントは、
- 招待するか悩む懸念事項の解決策を提案する
ということです。
招待するか迷っている人は、懸念事項が払拭されれば招待したいと考える人です。その為、懸念事項の解決策を提案することが大切です。人数アップで実績を出すプランナーは、ゲストが招待状を受取り~結婚式当日の参列までの懸念事項を全て洗い出し解決策を提案しています。一方で、人数アップを苦手とするプランナーは、招待した方が良いという事とその理由だけを提案するため、新郎新婦の不安は払拭されず招待状を送ろうということまで辿りつけません。
5.【初回打合せ】招待しない人をピックアップする
新郎新婦の交友関係を元に、リストアップされていない人について伺います。人数アップで実績を出すプランナーは、常にこれを実施しています。
例えば、親族のみの結婚式や会社関係は招待しないとする新郎新婦には、友人や会社関係の人を招待することで親御様の知らない一面を見てもらうことができる貴重な機会になるということ提案することが大切でしょう。結婚式のコンセプトから話合う事で大きな人数アップにつながる可能性があります。
また、まんべんなくリストアップされている場合でも、恩師・疎遠になった友人・元同僚等々などリストアップされていない方について、招待を勧めるということも大切です。
3 人数アップの数値目標の立て方
人数アップの提案を行っても、ゲストからの返信が欠席であれば、組単価の観点では成果が出たとは言い難いですね。そうならない為に数値目標を立てることが必要です。
オススメの目標設定方法は、招待状を送る前、招待状を送った後、返信ハガキ到着後の3段階で人数アップの目標数値の設定とモニタリングを行うという方法で
- 招待状を送る前:±0名
- 招待状を送った後:+5名
- 返信ハガキ到着後:+2名
だいたいこれくらいの人数を目安に提案をしていくといいと思います(数値はこれまでの私の経験に基づいて設定しています)。リストアップした時点で+3名の人数アップでは、欠席返信があるので最終的に人数アップできない可能性が高いと思いますので、リストアップ時点の目標を+4名以上と設定するといいでしょう。すでに打合せで明確な目標数値がある会場であればそれに合わせてもらえればいいですが、これから人数アップも考えなければ、という会場の場合は参考にしてみてください。
人数アップを目指すためのポイントまとめ
人数アップを目指すためのポイントは、以下の4点です。
- 結婚式に招待する(招待状を送る)ことは、私達(新郎新婦)にとって大切な人ということを相手(ゲスト)に伝えることができる。一方で、結婚式に招待しない(招待状を送らない)ということは、相手は疎外感を抱き、ご縁が切れてしまうことにもなるという提案を行い、招待を迷う人/招待しないと考えている人に招待状を送ろうと感じてもらうこと
- 招待するか迷っている人の懸念事項を把握し、解決策を提案すること
- リストアップされていない人について伺うこと
- リストアップをする上での数値目標を立てること
漏れなくリストアップをすることは売上だけではなく、いい結婚式を作るためにも大切な要素です。売上と顧客満足の両方を実現するためにも、参考になるとうれしいです。