アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
集客に困っている結婚式場は増えてきている一方で、大手企業の新規事業としてや個人としての独立などプロデュースサービス事業者は徐々に増えてきており、より細かな特定のニーズに特化したサービスが伸びてきています。
それに伴いユーザーの結婚式場探しの方法も多様化してきており、結婚式場集客担当者はこれまでの媒体からの送客メインの集客方法から、自社ホームページやSNS運用、外部のプロデュース会社との提携など様々な方法を企画・検討・実行していかなければいけなくなってきました。
今回の記事ではその方法の中の1つ、プロデュースサービスと提携するときのメリットとデメリットをまとめます。
プロデュースサービスとの提携とは?
細かな契約形態はプロデュースサービスによって異なるものの、プロデュースと提携すると集客から新規、打合せ、当日の施行までをプロデュース会社が担当し、結婚式場側は会場と一部サービスや料理などを提供することがほとんどです。
1組当たりの売上・利益観点では、結婚式場が集客から施行まですべてを行った場合はお客様から頂く売上がそのまますべて入りますが、プロデュースの場合はお客様→プロデュース会社→結婚式場という流れになり、料理と飲料の合計の90%や会場使用料としていくら、という契約になることが多いです。総額で行くと通常ルートの施行と比べて1/4程度から多くて半分くらいでしょうか。
プロデュースサービスと提携するメリット
売上が増える
一番のメリットはここです。1組当たりの組単価や利益は通常施行より小さいですが、一部の工数負担で売上を獲得できます。ただし、利益が出るかどうかは契約時の利率によるので、契約前のシミュレートは必要です。
会場名の露出が増える
プロデュースサービスとの契約は施行ベースの手数料契約の場合がほどんどなので、プロデュースサービスのサイト掲載自体には掲載料が掛からないことがほとんどです。一方、サービス側の視点では多くの会場をサイトに掲載していたほうがSEO、CVR向上の観点でメリットが大きいので、提携後は基本的に掲載したいと考えることが多いでしょう(ただし、オリジナル系のプロデュースサービスは提携会場を載せていないことが多い)。
そのため、通常の媒体系サイトは別で会場情報を露出できることになるので、その点はメリットだと言えます。ただし、逆もしかりで会場名の指名検索をしたときに自社サイトよりもプロデュースサイトの会場ページの方が上位に表示されるとユーザーが流れてしまうこともあるので、その点は理解しておきましょう。
他社のプロデュース方法がわかる
結婚式場で働いていると他社の運営方法を見る機会はほとんどありませんので、プロデュースサービスのやり方を間近で見れることはとてもいい機会になると思います。いい面は積極的に取り入れたらよいですし、逆に悪い面を見て自社の優れている点に気が付くこともあるでしょう。特にオリジナル系プロデュースだと、そのサービス独自の方法の空間装飾などは真似できるかはさておき、参考になる部分は多いと思います。
結婚式場運営の固定費を抑えることができる
集客~新規営業~打合せをプロデュース側で行うことになるので、社内で用意しなければいけないリソースを少なくすることができます。そのため、コストを固定費から変動費にすることができます。
プロデュースサービスと提携するデメリット
通常ルート施行のお客様との価格差が生じる
楽婚やスマ婚などの低価格系プロデュースの場合、総じて単価は低くなります(もともとのサービスコンセプトがそうなので当たり前ではあるのですが…)。それ自体が大きな問題ということはないのですが、働いているスタッフになんとなく腑に落ちない感やもやもや感が残ったり、ブランドが既存されていると感じる人もいるでしょう。そうならないように、会社(会場)としてこの施策を実行することがなぜ必要なのか、顧客ごとの単会の違いをどのように理解したらよいか、などのスタッフマネジメントが重要になります。
プロデュースサービスの内容を口コミサイト書かれる
お客様からするとプロデュースサービスを利用したことはある程度理解していることが多いものの、どちらかといえばどこで挙げたかの会場名の方が覚えているので、みんなのウェディングやウエディングパークなどの口コミサイトに「その会場の体験談として」投稿することがあります。
具体的に注意しなければいけないのは、明らかに単価の違うサービスを利用したときの口コミ、ネガティブな内容の口コミのいずれかを書かれたときです。1.の単価については、家族挙式やルクリアモーレなど挙式のみ8万円でした!という口コミが平均組単価380万円の会場の体験談として書かれるとあまりの価格差に情報が歪んでしまうので困る、2.のネガティブな内容は料理の味やスタッフの対応が悪かったなどと書かれたけど自社スタッフは一切施行に携わっていないので風評被害で困る、といった具合です。
この時の対応はまず各媒体の営業担当にその旨を伝えて、口コミの削除依頼を出しましょう。そのまま理解して削除してもらえることもあればそうでないこともあるので、もし難しいと回答があれば別の方法での対応が必要になります。
オペレーションが煩雑化する
通常の施行のオペレーションはどの会場もきっちり組まれていることが多いと思いますが、他社のプロデュースがこれと一致するとは限りません。
- 施行枠の時間の取り方
- 新郎新婦の入り時間と出る時間
- 搬入やそれに伴い使うスペース
など、オペレーションで確認しなければいけないことはけっこうたくさんあります。そのため、直接施行を担当しなかったとしても、施行裏新規の導線や時間などもいつもと変わってくる可能性もありオペレーションが煩雑化するのもデメリットの1つといえます。
プロデュースサービスとの提携についてまとめ
これらを踏まえて、メリットがデメリットを上回るなら提携したほうがいいと思います。結婚式場の立場では売上向上が目的なので、施行枠の稼働率低い、施行が入っていない日がたくさんある、という状態であることが前提になりますが、集客や営業KPI改善に行き詰まりを感じているのであれば、こういったサービスとの提携も選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。