アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
結婚式場の新規のアサインは支配人やマネージャの方がされていることが多いですが、目の前の成約、長期的な視点でのプランナーの育成、あと1組でこのメンバーは目標達成だ!といった局所的な事情など、様々な状況を考慮しつつ決めていかなければいけません。
そういった意味で難易度が高いうえに、中途半端であいまいな基準のアサインを繰り返すとメンバーの不信感にもつながってしまうので、なかなか画一的なルールを設定することを難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では新規接客のアサインの考え方についてまとめます。
新規接客のアサインとは?
この記事で述べる新規アサインとは「結婚式場の新規来館時に、どのプランナーが接客に出るかを決めること」です。一般的には新規マネージャや支配人など、会場全体・新規営業の数字責任を負っている人やそれに相当する権限を持っている人が決めていることが多いでしょう。
アサインを決める方法やタイミングは会場や会社によって様々ですしこれが正解という方法はないと思いますが、一定の基準に沿って運用されていないと、業績が安定しない、メンバーの納得感がない、など不都合が多く起こってしまいます。
そのため、しっかりとした根拠やルールを明確にしたうえで運用することが重要です。
アサイン順序を決めるときの考え方
具体的なケースで考えていきましょう。
メンバーの持ち成約率
以下のように個人ごとの持ち成約率の異なる4人の新規プランナーがいて月間60組の来館があった場合、アサインをどのように振っていくでしょうか?
- Aさん(プランナー歴10年):平均成約率60%
- Bさん(プランナー歴7年):平均成約率40%
- Cさん(プランナー歴3年):平均成約率30%
- Dさん(新卒):平均成約率20%
これから先、方針別の想定接客数を書いていきますが、読む前に自分だったらどうするか、少し考えてみてくださいね。
方法①:成約率が高い順番に出す
機械的にに成約率順番にアサインを振っていく方法です。Aさんがいれば必ずAさんが出る、Aさんが接客中または休暇の時は次はBさん、BさんもいないときはCさん、という順番でアサインを決めていきます(数字は理論上の数字なので実際の運用では新規来館の入り方などによって変わるとは思います)。
この方法のメリットは業績を最大化できることで、デメリットは成約率の低いプランナーが仕事をできないことです。あと、Aさんが何かしらの理由で退職したときのダメージも大きいですね。
方法②:均等に配分する
基本的に順番に決めていき、最終的に同じくらいの接客数になるアサインの振り方です。
この方法のメリットは経験が浅くても接客に出ることができるのでプランナーの育成を早めることができること、デメリットは業績が最大化しないことと成約率の高いメンバーのモチベーション維持が難しいことです。なんで自分はたくさん成約取っているのに出番が少ないのか!?ってことですね。
打率3割打っているのにルーキーを試合に出されてスタメン落とされるプロ野球選手がはぁ?って思うのと同じですね。
方法③:来館後の相性を考慮して決める
事前情報(年齢や見学件数、見学者なの)と来館時のお客様の様子をもとに、来館してからアサインを決める方法です。基本的には平均成約率の高い人が成約取れそうとなる可能性が高いので、上記のような接客数になることが多いですね。
この方法のメリットはうまくハマれば業績と育成のバランスを取れて両立できること、デメリットは根拠がアサイン権者の判断に依存するので不明確になりやすい、外すと業績も育成も成果出ないことです。なんでこのアサインなのか?に対する回答が、取れそうだから、となるので当然と言えば当然ですが。。。
方法別のメリット・デメリット
それぞれの方法のメリット・デメリットを簡単にまとめると上記のようになります。ポイントは2点。
- 成約数の期待値の差
- メンバー育成期待度の差
繰り返しになりますが、どの方法が最適であると断定できるものではなく、その会場の目的や所属メンバー数に対しての来館数なども考慮すると最適な方法は変わってくるでしょう。大事なのはそのルールを明確にすることであり、あいまいな指針でアサインを続けることが最大のリスクだと思います。
ちなみに、個人的な意見としては以下のようにするのがいいと思います。
- 来館に困っている→成約率順番のアサイン
- 来館に困っていない→均等アサイン
- 相性を見て決めるアサインは、アサイン権者によって基準が変わるので採用しない
アサインルールを決める時に気を付けたいこと
最後に、アサインルールを決める時に注意すべき点についても触れておきます。それは
- 目標設定の方法(評価基準)とアサインルールはセットにしなければいけない
ということです。例えば、
- 成約数目標は役職ごとに決まっているけどアサインは成約率順に決まっている
→役職高いが成約率が高くない人は目標達成難易度が超絶高くなる - 成約数目標は役職ごとに決まっているけどアサインは均等に決まっている
→役職高く成約率も高い人が接客数が足りずに未達になる可能性が高くなる - 目標設定は均等に決まっているのにアサインは成約率順番になっている
→成約率の低い人は目標達成できないし、成約率が高い人が異常に高い達成率になりやすい
このように、評価基準⇔成約数目標⇔アサインのルール、が連動してない仕組みはダメだと思います。上記の例であれば、
- 成約数目標を役職ごとに決めるのであれば、役職の高さと成約率の高さが一致していなければいけない(ただし、実際はマネジメントなどその他の業務レベルも求められるので完全相関であることは少ないはず)
- 成約数目標を均等に配分するならアサインもそうしなければ整合性がとれないし、逆に人によって差をつけるならその根拠となるロジックに基づいたアサインルールとしなければいけない
このあたりをリンクして考えられていないと、上から言われたのでそうしているだけの名ばかりマネージャとなってしまうので、なぜこの目標なのか、なぜこのアサインなのかをしっかり腹落ちするまで考え、整合性のある運用となるように心がけましょう。
アサインルールについてまとめ
アサインルールは会場運営の中でも難しいテーマの1つで、会場の来館状況やメンバー数などによって最適解が変わりますし、そもそも何が正解なのかもわからないものです。ただ、どのように考えて決めるのかはきちんとメンバーにも伝えておくべきことなので、しっかりと考えて説明できるようにしておきましょう。