※寄稿記事です。
顧客満足度を打合せプランナーの評価指標として用いている会場は多いのではないでしょうか。リピートがないブライダル業界では直接的に業績に影響しないものの、結婚式場を運営をしていく上でも非常に重要な項目だと言えます。そこで、今回は、顧客満足度の高いプランナーはどのようなことをしているのか、そのポイントをまとめました。打合せプランナーの方だけでなく、リーダーや支配人の方にも参考になれば幸いです。
顧客満足の高いプランナーが行っていること
みなさんは、顧客満足を高めるためにどのようなことを行っていますか?
顧客満足を高めるためには、新郎新婦の期待を超える提案やサービスをすることも大切ですが、プランナー個人の裁量でできる範囲も限られていますし、会場としてできないこともあるので、すべての希望を叶えることはできません。
そのため、結論から言うと、顧客満足の高いプランナーは他の人にはまねできない特別なことができなければいけないわけではなく、担当件数に左右されることなくやるべき事をきっちりやっていること、これが特徴です。とてもシンプルな結論ですが、なぜこうなるのかをこれから説明します。
顧客満足度を高めるために個人スキルとして意識するポイント
打合せプランナーが新郎新婦から不満の声やクレームをもらいやすいには下記3点です。
- レスポンスが遅い
- 希望を汲み取ってくれない
- 予算が上がり過ぎ
一方、顧客満足が高いプランナーは、この3点で新郎新婦から高い評価を得ていることがほとんどです。なのでまずはこの重要③ポイントをきっちり抑えれることが大切になります。具体的にまとめていきます。
レスポンスが遅い、のポイント
- 分からないことを連絡したら、すぐに教えてくれて、スムーズに準備ができた
- 小まめに連絡のやりとりができて安心できた
こういった評価をもらえるほど、顧客満足とレスポンスは非常に密接な関係です。サプライズでもなければ特別な値引きでもないですよね。顧客満足が高いプランナーが具体的に意識している・実行していることしては、下記のような例があります。
- 打合せでプランナーの公休日や勤務時間を伝える、合わせて、土日はメールや電話連絡が難しい時間が多いことを伝える
- 上記内容をメール署名欄に記載する
- メールを確認したらすぐに返信する、すぐに返信できない時は、まずはメールを確認している旨だけを返信する(3時間以内が目安)
- メールでの連絡であっても、直接話すことで早い解決ができる場合は電話をする
- 新郎新婦の心境を読み取れない時やメールでの表現が難しい内容は電話する
メールのやりとりは、担当プランナーの仕事ができる/できないという印象を与えます。連絡が来たらすぐ返す、この意識を持つだけでもかなり変わってきますので、まずは意識改革から始めて見るといいでしょう。また顧客満足が高いプランナーは打合せで全てを完結させ、新郎新婦からの電話やメールでの連絡が少ないのも特徴です。
希望を汲み取ってくれない、のポイント
結婚式の打合せの中では、新郎新婦の希望を叶えられないこともあります。経験が浅いプランナーは、先輩プランナーに教えられたルールを忠実に守る為、「ダメ」という事しか伝えないという傾向にあります。このことが積み重なると、新郎新婦はプランナーへ不信感を持ちます。その為、ルールだけではなく、ルールを設けた理由、実際に合った事例、代替案など順を追って説明することが大切です。
具体的手順としては、
- 新郎新婦の希望とその理由を伺う
- プランナー個人としては新郎新婦の希望に賛同していることを伝える
- 会場ルールと実際の事例を交えてルールの背景を説明する
- 新郎新婦の希望を実現する方法を検討したいので時間がほしい旨伝える
その後は、より幅広い代替案を見つける為に他メンバーに相談しましょう。そうすることでチームの提案力も高まります。
予算が上がり過ぎた、のポイント
これは、成約時の見積説明やオペレーションの問題、プランナーに課される業績目標がある限り、防ぐ方法はないのではないかという意見もあると思います。しかし、顧客満足も業績も高い実績のプランナーはいます。そういったプランナーは、初回打合せで新郎新婦と自由に意見を交わすことができる関係を築くことをゴールとしているので、新郎新婦が相談してくるという環境になっています。
具体的な手順については、下記の記事にもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
顧客満足を上げるためにチームで実行するとよいこと
先ほどまでは、個人として顧客満足を高めるポイントをまとめました。ここからは、チームとして顧客満足を高める方法についてまとめます。
顧客満足の定義を統一する
顧客満足とは何か?これは、人によって考え方は様々です。
- 各サービスや商品内容とその価格
- プランナーや各スタッフの対応
これらが一般的な顧客満足の指標ですが、どのような状態だと顧客満足が高いと言えるのかチームで話し合い、個人ごとのずれのない状態にすることが大切です。
現状の顧客満足度がどの程度かを知る
実施されている会場もあるとは思いますが、定期的な顧客満足度調査を行い現状把握するフローを設計することも大切です。
- 新規案内について(成約後1週間以内)/会場について、見積説明について、今後のスケジュールについて
- 打合せについて(結婚式2ヶ月前)/打合せ内容について、各担当者について
- 結婚式当日について(結婚式後1週間以内)/当日のサービス内容について、各担当者について
これらは顧客満足度アンケート実施の一例ですが、高い満足か強い不満を持っていると回答率が高い傾向にありますので、実態を正確に把握する為にも、返信率を高めることが重要です。打合せプランナーからアンケートの協力依頼をするだけでなく、謝礼を出すことで回答率は大きく変わります。
アンケート結果を分析する
アンケートなどを実施しても結果を見るだけでは改善につながりませんので、なぜその結果になったのかの要因分析も行う必要があります。特に弱みの改善は重要ですね。弱みの原因は複数あることが多いので、打合せプランナーだけでなくサービスやドレスなど他の各セクションリーダーも交えて改善策を考えると良いでしょう。
例えば、チームとしてレスポンスの早さに課題がある場合だと下記のような内容です。
[実態把握]
- 問合せ内容とその手段(メール/電話)を確認する
- 連絡を受取ってから、レスポンスを返すまでの所要時間を確認する
[改善策/電話の場合]
- 他スタッフで対応できる問合せ内容を精査する
- 担当プランナーが不在の際は、要件を伺い折返し電話をする目安時間を伝える
- 電話メモを担当プランナーと上長を入れてメールして、チームで電話連絡を管理する
[改善策/メールの場合]
- よくある問合せについてはメールのテンプレートを作成する
[改善策/その他]
- 問合せ内容を盛り込んだ打合せを実施する
- よくある質問集を作成し、打合せでお渡しする
このような改善を繰り返し行い、アンケート結果を一定期間モニタリングしていくことが大切です。
顧客満足の高い取組みを共有する
アンケートで良い結果となった取組みはチームで共有し、全員がルーチン業務とできる仕組みづくりをします。
顧客満足の高めるためのコツ
- 打合せプランナー個人としては、やるべき事をきっちりやる
- 打合せチームとしては、顧客満足の定義を統一して現状を把握する方法を確立する
- 各セクションリーダーも交えて改善策を考える
- PDCAを回し、モニタリングを実施する
この4点が大切です。
顧客満足を高める為には、根気強く取組むことが必要です。そして、顧客満足が上がれば、プランナーのモチベーションも上がり、チームの士気も高まります。まずは1組1組の新郎新婦に向き合い、成功事例を積み重ねる参考にしてもらえればうれしいです。