アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
スマホの普及、紙からウェブへのシフト、SNSの浸透、アフィリエイト市場の盛り上がり、新サービスの台頭など様々な要素があり結婚式場の集客は特に近年複雑化してきています。
今回の記事では新郎新婦が結婚式場の来館予約にたどりつくまでのルートを一覧化してみました。どんなルートが想定されるのか、そのルートからの集客を増やすためにはどのようなことをしたらよいのかについての簡単なポイントもまとめています。
目次
結婚式場の集客ルート(=新郎新婦の情報収集ルート)
今回の記事では上記全8ルートについて解説します。登場するプレーヤーは以下の6つ。
- 検索エンジン・SNS:GoogleやYahoo!などの検索エンジンとFacebook、InstagramなどのSNS。
- アフィリエイトサイト:アフィリエイターが自分のサイトやブログで商品やサービスを紹介し、そこから購買が発生したら成功報酬を支払うサイトのこと
- ブライダル媒体:ゼクシィやみんなのウェディング、ウエディングパークなど結婚式場の情報が掲載されているサイト、雑誌
- 診断サービス:自分に合った結婚式場やプランを診断してくれるサービス
- ウェディングプロデュース:プロデュースを専門で行うサービス
- 結婚式場:結婚式場
これらの接触ポイントをどのように経由するにかによって、考えるべきポイントが少しずつ異なるので、これからそれぞれのルートについて順に解説していきます。
ルート①:アフィリエイトサイト→ブライダル媒体→結婚式場
主に検索で見つけたアフィリエイトサイトを見ていろいろと情報を見てからブライダル媒体に行き、そこから来館予約をする、というルートです。結婚式場側から見るとブライダル媒体から来館予約をしてきているという点で他のルートと同じに見えますが、事前にアフィリエイトサイトを見ているので微妙にユーザー属性が異なる傾向にあります。
アフィリエイト広告を出稿しているのはマイナビウエディング、ハナユメ、ゼクシィでみんなのウェディングやウエディングパークは直接的な集客目的のアフィリエイト広告は出稿していません。なので、もしこのルートから来館予約が入る場合は3媒体のいずれかということになります。
ブライダル業界のアフィリエイトサイトは次のような手法が一般的です。
- 自分の結婚式体験談や一般的な口コミの情報をもとに記事を作り
- 最終的にどの媒体から予約をするとお得になるか、特典の対象となるかの記事に誘導してキャンペーンを訴求し
- 特定媒体(広告主)のサイトから来館予約をさせる
具体的には「マイナビウェディングから予約すると60,000円分の商品券がもらえるからお得だよ!」とか「ハナユメから予約するとハナユメ割がきいてお得だよ!」という感じです。アフィリエイトサイトにも様々なサイトがありますが、個別の式場について言及しているというよりは一般的な内容や媒体ごとの特性(特にお金の話)について書かれていることが多い印象です。ちなみに、どんなサイトがあるのか気になる方はこちらの記事でまとめてありますのでご覧ください。
【ブライダル】結婚式場の集客でアフィリエイト広告活用の可能性はあるか
大まかな傾向として、アフィリエイトサイトは価格やポイントなど金銭的な訴求がメインなので、それに刺さるユーザー属性も予算にシビアだったりインセンティブ・特典への要求が強い人がどちらかといえば多いと思います。来館時のアンケートや新規接客時の話であまり聞いたことのないサイトを見たと言っている場合は、アフィリエイトサイトの可能性が高いと思います。
ルート②:アフィサイト→診断サービス→結婚式場
アフィリエイトサイトにたどり着くまでのルートは同じで、そこからのリンク先が診断サービス(プラコレ)のケースです。サービスが誕生してからまだ数年しかたっていませんが、事業規模は着実に大きくなってきていて、最近ではかなり有力なルートの1つとなってきています。
アフィリエイトサイトからプラコレに遷移し、そのまま診断が完了するとアフィリエイターへの報酬が発生、プラコレから結婚式場への予約が入るとプラコレへの報酬が発生する、というのがお金の流れになります。アフィリエイトサイトのプラコレ訴求には金銭的メリットというよりは診断の面白さや手軽さ、オリジナリティなどサービスの特徴がメインとなっていることが多いので、先ほどのルートとは異なり通常のプラコレユーザー属性とそこまで変わらないと思います。
ルート③:アフィサイト→ウェディングプロデュース→結婚式場
アフィリエイト広告を出稿しているプロデュースサービスには、スマ婚や楽婚などの格安結婚式プロデュース、会費婚、小さな結婚式などの少人数系プロデュースがあります。以前はCRAZY WEDDINGも出していましたが、どうやら今は止めているようです。ブライダル業界はアフィリエイトサイト自体が多いわけでなくかつそこまで強いサイトもないので(大手媒体系が検索面を独占しているから)、プロデュースサービスの広告は多くはないですね。
お金の流れは先ほど同様に、アフィリエイトサイトからプロデュースサイトに遷移し、そのまま診断が完了するとアフィリエイターへの報酬が発生、プロデュースサービスから結婚式場への予約または成約が入るとプロデュースへの報酬が発生する、というのがお金の流れになります。アフィリエイトサイトのプロデュースサービスの訴求は「直接的な低価格メリット」が多いので予算厳しめのお客様が多いのではと思いますが、そもそも低価格や少人数系のサービスがメインなので、サービスのターゲットとするユーザー属性とそこまで大きくは変わらないと思います。
ルート④:ブライダル媒体→結婚式場
検索やSNS、またはマス広告での認知を経てブライダル媒体に行き、そこから来館予約をする、というルートです。一番王道のルートですね。
特筆すべきことはありませんが、媒体ごとの貢献度の評価についてはしっかりと考え方の基礎を固めておいた方がよいと思います。詳しくは以下の記事にまとめてありますのでご覧ください。
結婚式場集客の適切な広告評価の方法とは?アトリビューション分析は可能?
ルート⑤:診断サービス→結婚式場
プラコレから結婚式場へ直接送客されるルートです。プラコレは先ほどのアフィリエイトサイトなどに頼らなくても圧倒的にSNS集客に強いので、そこで自社サービスのユーザーを獲得できています。
SNS以外にもプラコレドレシィなどのメディアも運営していて、こちらは検索面からのユーザー獲得の施策としての理由が強いのだと思います。サービスサイトやスタッフの雰囲気、LINEからの告知の文面などを見てもかなりカジュアルな雰囲気のサービスなので、軽めのユーザー属性が多かったり検討度合いがまだ温まっていない属性のユーザーもそれなりの割合で含まれていそうです。
ルート⑥:診断サービス→プロデュースサービス→結婚式場
正確な契約形態やお金の流れまではわからないですが、プラコレでは本体サイトやメディアの中でたびたびプロデュースサービスの告知や紹介をしています。記事にPRとついているものは記事広告としての扱いだと思うので、そこは広告としての認識で問題ないと思います。
プラコレからの紹介でプロデュースに来た人と、そうでないルートで入ってきた人の属性には大きな違いはないと思うので(結局記事広告の内容もプロデュースサービスの特徴を押す形での構成になるため)、結婚式場側からするとそこまで意識しなくてもいいかもしれません。
ただし、今後プラコレの規模が大きくなってきて相対的な強さが増してくると掲載費などが上がり、最終的に結婚式場からプロデュースへ支払うフィーのところに影響を与えるかもしれませんね(あったとしても数年以上先だと思いますが)。
ルート⑦:ウェディングプロデュース→結婚式場
結婚式場と提携するプロデュースは低価格系や会費系、1.5次会系のプロデュースサービスが多いです。基本的にプロデュースすべてを先方が責任を持って対応してくれるので結婚式場側で用意することやユーザー属性について気にすることはありませんが、提携した結果どれくらいのメリットがあるのか、注意するポイントはどこなのかといった基本的な事項は押さえておいた方がいいでしょう。
ルート⑧:検索エンジン・SNS→結婚式場
最後が、検索エンジンやSNSなどのプラットフォームから直接集客するルートです。
- 自然検索から獲得する→SEO対策
- リスティング広告、ディスプレイ広告などウェブマーケティングで獲得する→広告運用の最適化
- Facebook、Instagram、twitterなどSNSから獲得する→SNSアカウント運用の最適化
主なルートは上記3つになりますが、それ以外にもLPとなるサイトの改善、運用効果測定などやらなければいけいないことは結構多いです。数年前に比べるとSEO対策もSNSアカウントの運用もどの会場もやっているので競争環境は厳しくなってきていますが、媒体都合などの影響を受けにくく自社独自のポジションを確立できるとけっこう安定してくるので、効果が出るまで耐えられる体力のある会社はぜひトライしてみてほしいルートです。
結婚式場の集客ルートまとめ
複数ルートを重ねてまとめて書くと上記のようになります。結婚式場の目線だと直接の集客経路はブライダル媒体、診断サービス、プロデュースの3つですが、それぞれの前にどのような情報とユーザーが接触しているのかを理解しておくと、来館後の対応にも集客に使うクリエイティブにも活かせますので、この機会に一度整理してみるのもよいかと思います。