更新日 2020年03月29日

打合せプランナーがウェディングアイテムの持込防止をするときのポイント

22_打合せプランナーがウェディングアイテムの持込防止をするときのポイント

※寄稿記事です。

世の中には、新郎新婦に向けて「結婚式の節約術」と持込=節約できるということで持込を推奨し、どのようにすれば持込できるかということを解説したサイトは数多くあります。それを見て持込みの交渉をする新郎新婦に、「持込防止」は永遠の課題と感じているプランナーも多いのではないでしょうか。持込は売上で損失を与える以外にも提供する結婚式のクオリティにも大きな影響を与えます。会場では持込防止規約を設けていますが、「持込料を払っても持込む」ということは実際に多く発生しています。今回は、新郎新婦にとっても、会場にとってもベストな方法を見つけるため、持込ということについてまとめました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

 

結婚式場で設けている持込規約について

各会場では持込規約で様々なルールを設けています。大きく分けると、持込不可/持込料を支払えば持込可能/持込可能、この3パターンです。例えば、

  • 持込不可なもの
    会場内で利用することを目的とした食品・飲料、カメラマン・ヘアメイク・司会者など人に関わるもの
  • 持込料を支払えば持込可能なもの
    衣裳(1点5万円~10万円)・引出物/引菓子(1点300円~500円)・ブーケ/ブートニア(1点1万~3万円)
  • 持込可能なもの
    ペーパーアイテム、プチギフト、装飾アイテム(ウエルカムボード、ウエルカムドール、写真)リングピロー、受付アイテム

といった具合ですね。持込料の具体的な金額も式場によって様々ですが、新郎新婦にとって持込料も決してリーズナブルな金額とは言えません。

アイテムの持込防止を行う為の手順

次に結婚式場のプランナー目線で持込を防止するためにどんなことが必要かについてまとめます。

持込防止の手順例

  1. 新規成約時
    契約時に持込約款を説明します。持込不可なアイテム、持込料を支払えば持込可能なアイテムを説明します。新郎新婦の署名を頂き、持込約款の取り交わしを行うことが大切です。
  2. 初期打合せ時
    新規契約で取り交わした持込約款を再度確認します。この際に、「持込を制限する理由は、結婚式当日のトラブル未然に回避し、新郎新婦の結婚式のクオリティを担保する為」ということを説明することが大切です。
  3. その後の打合せ
    持込を打診されたら、まずは「なぜ持込を検討しているか」を伺う

多くのプランナーが実践されている内容であると思いますが、持込防止ができるプランナーは「3.その後の打合せ」に違いがあると思っています。持込を検討する理由をお客様に伺うと、「新郎新婦の希望に沿うアイテムがない為持込をしたい」、または「予算を下げる為持込をしたい」、この2通りの答えになることが多いです。

新郎新婦の希望に沿うアイテムがない為、持込をしたいという場合

新しいウェディングアイテムが次々と出てきてかつSNSなどでの情報収集もよういになってくる中で、会場が取扱っているアイテムはその中のほんの一部なのでお客様が希望するアイテムの取り扱いがない場合も多いでしょう。

そういった場合でも、まずは新郎新婦がそのアイテムを使いたい理由を伺います。持込を検討するほどのアイテムなので新郎新婦がどのような価値観なのかを把握することが必要だからです。

そして次に、そのアイテムを取扱うことは会場として可能なのかを検証します。可能だと判断すれば、同じようなアイテムを自社/パートナー会社で用意することができないのかを確認します。また、新郎新婦の希望を叶えられる自社会場の他のアイテムをプロの目線として提案していくことで、打合せプランナーの介在価値が高まります。

予算を下げる為に持込をしたいという場合

予想以上に高くなった見積を見て、インターネットで見たリーズナブルなアイテムを使いたいというのは、お客様心理からすると当然のことです。こういったケースではまず希望予算を伺い、初回打合せで収集した新郎新婦が希望する結婚式の情報を元に見積調整案を考えます。

なお見積りの調整案をお伝えする際に、結婚式の直前~当日にかけてのスケジュールを説明して持込は新郎新婦が手配するので想定外の負担になることも、具体的イメージと合わせて持ってもらうことが大切です。ちなみに、打合せにおける見積相談のポイントは次の記事に詳しくまとめてありますので、参考にしてみてください。

見積り調整のポイントは、新郎新婦からの情報収集です。持込を打診されたプランナーは、「できません!」ということしか新郎新婦へ伝えないというケースはよくありますが、まずは、理由などをしっかりヒアリングすることが大切です。そうすれば、なぜ会場として持込を制限しているのか/持込料を頂戴するのかということも新郎新婦に説明する環境を作ることができ、自社アイテムの提案をすることに繋げられます。

アイテム別の持込を依頼されたときの対処法

  • 新郎新婦衣裳:新規成約後、すぐに衣裳サロンでの打合せを開始する(早めに行えは、予約が入る前で衣裳の選択肢が多い為)
  • 引出物/引菓子:初回打合せでパンフレットで紹介(新郎新婦の好みに沿ったアイテムをまずは提案し、新郎新婦の反応からリーズナブルなアイテムも提案する)
  • ペーパーアイテム:初回打合せで招待状を受注すると同時に、席次表・席札も受注する(申込用紙を記入してもらうということまでできるとベスト)
  • ウエルカムボード・プチギフト:初回打合せでパンフレットで紹介したり、打合せサロンに飾っているものを紹介する(リーズナブルなアイテム/新郎新婦の好みに沿ったものを中心に提案する)

 

アイテムの持込防止を行う為のまとめ

  • 初期打合せで、新規契約で取り交わした持込約款を再度確認する。この際に、「持込を制限する理由は、結婚式当日のトラブル未然に回避し、新郎新婦の結婚式のクオリティを担保する為」ということを説明する
  • 持込を打診されたら、まずは「なぜ持込を検討しているか」を伺い、その後「なぜ会場として持込を制限しているのか/持込料を頂戴するのか」ということを説明する
  • 新郎新婦が持込を検討した理由から、自社アイテムでできるアイテムを提案する

この3点がアイテムの持込防止のポイントです。持込を課題とする支配人・リーダーも多くいらっしゃると思いますが、「持込を減らそう!}という指針しか示さなければ、打合せプランナーは新郎新婦へ「持込はできません」ということしか説明せず、クレームにもなりかねません。顧客満足の為にも、少しでも参考にしてもらえれば嬉しいです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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