アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
ゼクシィやみんなのウェディング、ウエディングパークなどのブライダル系ウェブ媒体上において、ブライダルフェアのページは最も見学予約完了に近いところに位置するページなので、ここを改善することが来館数を上げる上で最も重要といっても過言ではありません。
今回の記事では、ウェブ媒体からの集客数を最大化するためのブライダルフェアのポイントを解説します。
目次
集客におけるブライダルフェアの重要性
ブライダルウェブ媒体上のブライダルフェアページにたどり着いたユーザーは、会場に関するある程度の情報をすでに見ていて実際に会場の見学をしてみたいなと思っている、と想定されます。会場のことをよく理解していないのにいきなり見学予約を取ろうとする人はほとんどいないからです。
つまり、結婚式場がブライダルフェアページを改善していく目的は、「この会場に行ってみようかな?どうしようかな?」と思っているユーザーに対して、最後の一押しをして、来館予約まで結びつけることだと言えます。
続いて、数値面での重要度も見ていきましょう。次の図は上の図に具体的な数値と遷移率を追加したものです。
この遷移を踏まえ、最終的な予約数を伸ばすためには以下のいずれかまたはすべての数値を伸ばすことが必要だとわかります。
- エリアの会場一覧を検索している人
- エリアの会場一覧から自社会場ページへの遷移率
- 自社会場の基本情報ページからプラン、フォトギャラリーページへの遷移率
- ブライダルフェアページへの遷移率
- ブライダルフェアページから来館予約完了率
さて、どれを改善するのが一番効果的でしょうか?
- エリアの会場一覧を検索している人数は、媒体の集客力に依存するので会場側の努力で増やすことは不可能
- 自社基本情報遷移には掲載順位の上昇が必要で、そのためにはかなりのコストが掛かるし、すでに掲載順位が上位の会場はこれ以上のアップサイドが見込みにくい
- 自社詳細情報回遊にはフォトギャラリーの拡充、プランの最適設定(詳細はこちらの記事)を対策することで伸ばすことができますが、2倍3倍まで伸びることは見込みにくい
- フェアページ遷移に対してはこれと言ってできることはほとんどない
であり、フェアページ遷移数を増やすためには相応のコストが必要になります。
それに対し、フェアページからの予約完了率は数値が高くないので改善幅が大きいため、きちんとした手順・方法にのっとって実行、運用すればかなりの成果が期待できます。
2010年代前半に比べると各社の対策レベルが向上したためそこまで劇的に改善することは期待できませんが、それでも媒体運用の中では最も重要度の高い施策と言えます。
ブライダルフェアの構成のポイント
- 式場見学時に何が体験できるのか
- 式場見学時のメリット・特典
この2点をわかりやすく(かつ夢があふれる感じで)表現できているかがブライダルフェアでは重要です。
代表フェアではその日に最も集客力のあるフェアコンテンツを実施できるフェアを設定しましょう。顧客が求めるものと自社会場の強みがマッチするものです。
例えば、チャペルに自信のあるゲストハウスであればチャペル入場体験や模擬挙式、チャペル内のコンサート体験などチャペルの強みを活かしたフェアを代表に設定すると集客力は強いと思いますし、レストランであれば試食(できればハーフコースやフルコース)ができて料理を体験できるフェアを代表フェアに設定するとよいでしょう。
また、代表フェアで訴求する内容以外を希望する顧客の取りこぼしを防ぐために、それ以外の内容を訴求するフェア設定も必要です。先ほどの例だと、ゲストハウスでも料理に力を入れている式場は試食フェアも設定したほうが良いですし、レストランでも施行のない日は全館見学などを謳ってもよいでしょう。
あと、お得な予算に対してのニーズや、初めての見学に対する手厚いサポートへの期待はどの会場タイプでも共通して使えるので設定してもいいと思います。
これらの内容を整理すると、ブライダルフェアで設定したほうがいいと思う訴求軸は以下の4つです。
- ハード訴求
- 料理訴求
- 価格訴求
- その他の訴求
これらの4つの訴求軸のフェアを基本構成として、会場の強みが特に活かせるものを代表フェアに設定するというのが王道だと思います。フェア当日の施行状況やシフトによって、会場見学や試食ができたりできなかったりするので、その場合に代表フェアをスイッチできるようにあらかじめ複数のフェアでローテーションし、曜日×集客力の高いフェアのかけ合わせの効果検証はしておいたほうがいいでしょう。
ブライダルフェアの設定数と時間帯のポイント
フェアの設定数
細かな希望に対応したフェアを用意しようと考えれば、いくつでもフェアを設定することができますが、あまりに数が多すぎると迷ってしまって結局フェア予約に結びつきません。
ウェブマーケティングの基本ですが、サイト来訪からコンバージョンまでの導線はとにかくシンプルに設計したほうがいいので、1日のフェア数は4個もあれば十分かと思います。
フェアを設定する時間帯
1接客当たりの平均所要時間が3時間の場合、基本的に土日祝日は1日3枠(午前、午後、夕方)、平日は2枠(午前~午後の可変枠、夜)に設定するのが良いかなと思います。ただ、これはあくまで一般論で式場のオペレーションや施行状況によっても変わります。
土日祝日は、午前枠は9時開始、午後枠は13時開始、夕方は17時開始を基本にし、同エリア内の競合のフェアの時間帯や自社会場の施行状況(会場が見られる時間に合わせて)、に合わせて調整するといいでしょう。朝の8時台と夕方の18時以降は来館予約率が落ちてきますので、できれば早くても9時開始、遅くても17時台の開始でフェアの時間を組むといいと思います。
平日は、平日休みと仕事帰りのニーズをそれぞれとらえる時間帯の組み方が必要なので、大きく時間をくくって時間調整可能としたフェアと、18時~19時開始のフェアを設定し、所要時間を1時間と短くするなども有効です。
ブライダルフェアのタイトルのつけ方のポイント
タイトルはブライダルフェアで最も重要なポイントです。魅力的なタイトルであればクリックして詳細を見ようとしますし、そうでなければスルーされます。
ただ、タイトルは文字数制限がありその中で会場やフェアの魅力となる部分を適切に入れ込むのはなかなか難しいのですが、フェアタイトルを考える際に注意するポイントは以下の通りです。
このブライダルフェアに参加すると何ができるのかわかる
主に体験系のイベントなどがこれにあたります。試食、試着、模擬挙式、模擬披露宴、入場体験、演奏会、などのキーワードですね。もしこれらの試食や試着などができるフェアであればこれらの単語は盛り込むようにしましょう。
このブライダルフェアに参加するとどんなメリットがあるのかがわかる
主に料金や特典に関する表記です。無料試食、最大●●万円分の特典、挙式料半額キャンペーン、などのキーワードです。これも提供できることがあるのであれば加えたほうがいいでしょう。
業界用語ではなくわかりやすい平易な単語を使う
業界の人が思っている以上にブライダル業界用語を知らない方は多いので、一般的で平易な表現を心がけましょう。当館シェフオリジナルのスペシャリテ試食、よりも、牛フィレ絶品フレンチ試食、のほうが理解されやすいです。あと、ウエディングをWと記載するケースも多いですが、振り仮名を書けない場合は何のことかわからないので、使い方には気を付けてください。
相対的な評価や限定表記などでフェアへの参加を後押しするワードを加える
人気No.1、口コミ評価No.1、などの評価に関する表記や、限定●●組、先着●●組限定、といった表記です。後者はメリットとセットで使われることが多いので(先着5組限定!フルコース無料試食、など)、活用するといいでしょう。ただし、No.1などと書く場合はその根拠には気を付けてください。
その他
かっこ(【】、()、『』)や記号(!、♪、★、/)をうまく使って読みやすいタイトル表記にするのも1つのポイントです。また、初めての見学でも安心♪、など特定のユーザーニーズに応えるためのフェアもトライしてみる価値はあると思います。
タイトル以外の詳細内容:細部まで手を抜かずに丁寧に更新
ブライダルフェアでタイトルが最も重要ではありますが、それ以外の項目もしっかり丁寧に設定しましょう。具体的には、以下のようなポイントです。
- リード分:フェア内容の詳細を記載、ここもタイトル同様に使うワードと訴求軸をしっかり考えて書く
- 特典:必ず何かを書くようにする
- 適用期間:時期は明記しましょう、あいまいな表記は来館後のトラブルの種になります
- 来館対象者:新婦のみなど1人でもOKならそのことも書いておいたほうが受け入れが広がります
- その他:タイトルやリード文で書ききれなかった限定特典などがあればここで書いてしまいましょう
ブライダルフェア改善のポイントまとめ
- 基本構成は、訴求軸ごとにフェアを用意し、最も集客力の高いフェアを代表フェアに設定する
- 設定数は、多くて1日4個までにする
- 時間帯は、土日祝日は3枠(9時、13時、17時)、平日は2枠(午前~午後の可変枠、17時~18時開始の夜枠)
- フェアタイトルは、できること、メリット、相対評価や限定表記を、できるだけ平易な言葉で見やすく組む
- 詳細内容は、手を抜かずに丁寧に書く
いずれの内容は明日からできるので、ぜひ実践してみてくださいね。