更新日 2024年01月10日

ブライダル業界の常識が通用しなくなっていく話

1017_ブライダル業界の常識が通用しなくなっていく話

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

自分の中では当たり前だと思っていた常識が、世間一般での常識ではないと感じる機会が増えてきたのでそんな話を書いてみます。

 

常識ある人が減っている?

めちゃ当たり前なこと書きますけど、「常識がある」って大事ですよね。

ネットで調べると、常識とは「健全な一般人が共通に持っている、または持つべき、普通の知識や思慮分別」だそうです。

常識があることが褒められるというよりは、ないと判断されたときにかなりネガティブな印象を持たれることが多いと思います。なので、仕事においてもプライベートにおいても、最低限の常識は持ち合わせていたいものですよね。

さてこの常識についてですが、時代による変化以上に、最近は個人ごとの相違が大きくなってきているように思っています。

その理由は後述するのですが、個人が持っている常識の違いこれまでがこれまで以上に大きくなると、それを前提としたコミュニケーションが想像以上に難しくなっていくのではないかと思っています。

特に仕事においては

  • 上司や同僚とのコミュニケーション
  • クライアントへの営業やコミュニケーション
  • 顧客への営業やコミュニケーション

これらのシーンにおいて、会話の前提が整わない状態というのはかなり厳しそうです。

今回は何故そんなことになるのか?常識ってなんだ?というテーマについてお送りします。

 

加速するパーソナライズ化

1つ目の理由がインターネット情報のパーソナライズ化の加速です。パーソナライズとは「顧客全員に同じサービスやコンテンツを提供するのではなく、一人一人の属性や購買、行動履歴に基づいて最適な情報を提供する手法、しくみのこと」を指します。

今の時代にSNSも見ないし検索もしない人はほぼいないでしょう。

  • Googleで検索しても
  • SNSを見ても
  • Youtubeを見ても

ほぼどんなアプリでも多かれ少なかれ表示される情報はパーソナライズドされています。普段よく見ているページやチャンネルによっておすすめに表示されるものが異なるわけです。Tiktokのおすすめや最近ではTwitterのおすすめなんかは最たる例ですね。

え、Googleも?と思った方もいるかもしれませんが、例えば「居酒屋 個室 オススメ」とかで検索すると人によっては全く異なる検索結果が返ってきます。特に東京で検索した時と大阪で検索した時では全然違いますね。

これはパーソナライズというよりローカライズの例ではありますが、何度も同じページにアクセスしている場合などは多少結果に違いも出るようです。

なのでこれは余談ですが、もしSEOを実施していて実画面で検索結果を見たいときは普段使っているブラウザではなくシークレットモードで検索してみることをおすすめします。パーソナライズを排除できます。

さらに、SNSではフォローしているアカウントも人によって異なりますから、タイムラインに出てくる情報はその違いもあります。

***

このような背景から、例えば

  • 普段からよくYoutubeを見ている人
  • 日常的にInstagramを見ている人
  • 暇さえあればTiktok見ている人
  • Youtube大好きっ子
  • ツイ廃

このような共通項がある人たちであっても、そこから得られている情報は全然違うこともあるわけです。むしろ違うことの方が断然多い。

一昔前の感覚で言えば、見てるテレビ番組が全然違うとか、ハマってるプレステのソフトがFFかドラクエかシムシティかとかそれくらいの差でしたが、今ではチャネル(使うアプリ)も多様化しているし、同じアプリでも流れるものは全然違うしで、同じ時間に同じような行動をしていても全く異なる常識が形成されていくことがむしろ自然と言えるかもしれません。

となると、これから先10年で社会人になっていくであろう方々はSNSネイティブな世代なので、表面的には同じことを経験している人材でも、内在的に抱える常識は全然違うことが当たり前になっていくだろうと予想されます。

※ちなみに、今後AIが社会に浸透したときに今の「パーソナライズ化」とどのようになっていくかは現時点の僕ではわかりません。

 

仕事における常識も人によって全然違う

先ほどのような日常生活から得られる情報の違いもそうですが、実は同じ仕事をしていても全く違う常識を結果的に持つこともよくあります。

具体的にはブライダル業界でウェディングプランナーをやっていましたという方でも、仕事に対する認識や価値観って全然違うんですよね。

あえて個社名を出しますが、

  • T&G経験者
  • ベストブライダル経験者
  • エスクリ経験者
  • IKK経験者
  • PDP経験者
  • PDS経験者
  • BP経験者

これらの方々と結婚式について話をしていると、単語の定義も含めて全然話がかみ合わないことが多々あります。

具体的な内容は長くなるので割愛しますが、Wedding Me Worksが主催しているコミュニティ(フリープランナー交流会)でもけっこう話題になります。

いや、マジで違うんですよね。

業界10年以上いる自分でも初めて知ることも多いですし、プランナーをしていた社員のメンバーも新たな発見が毎回あります。これは開催してから初めてわかったことですが、こういう発見があるっていうのは業界狭しと言えども面白いところだなと思います。

なので、同じ業界&同じ職種でを経験した人であっても、常識って全然違うということは少しでも多くの業界人に知ってもらいたいなと思っていますね。

 

人それぞれの常識がある時代にどう生きるか?

「人それぞれの常識」←これってもはや常識と言わないのでは…?というツッコミはさておき、

  • 日常的に得られる情報は人に寄ってまるで違う
  • 同業界同職種の人でも会社や働き方によって全く違う
  • なので個人の中で形成される常識は全く異なるものになる

これが当たり前な時代になっていくと僕は考えています。

では、この前提で何を意識したらよいのでしょうか?

平たい表現をすれば「価値観の多様化を受け入れる」ととなるのですが、実際はもっと生々しい形で顕在化するものと思います。

  • これまでのマニュアルが新卒や若手に理解されない
  • 逆に、なんで上司はこんなマニュアルを押し付けてくるのかわからない、嫌だ
  • 面白い、これはいい!と思う宣材写真や動画が上司と部下でまったく意見が一致しない
  • バックヤードでの雑談がかみ合わな過ぎて社員同士の会話が減る
  • 即戦力だと思って採用した中途社員がこれまでと仕事のやり方が違くて全然活躍しない

とか。こういった事例がこれまで以上に各所で増えそうです。

この場合に大事になるのは、「自分の中での常識、自分のこれまでの成功体験を当たり前だと思わないこと」だと思っています。

言うのは(書くのは)簡単なんですが、これけっこう難しいと思うんですよね。

だって必死に努力して、仕事を懸命にこなしてきて、やっと結果も出せてたのに、これまで当たり前だと思って過ごしてきた日常を自分で否定した上で他者とコミュニケーションを取らないといけないわけですから。

相当意識しないと簡単にはできないでしょう。

しかし、価値観も知識もスキルも多様化していくこれからの時代には、きっと必須の心構えになっていくと思います。

 

今回のまとめ

今年には僕も40代に突入します。気持ちはまだまだ若く保っているつもりですが、専門卒の新社会人は自分の年齢の半分以下という時代になってしまいました。

高田純次さんが何かのテレビ番組で言っていたのですが、おじさんが若手と話すときの3大NGは

  • 説教
  • 昔話
  • 自慢話

だそうです。動画のソースがどこかにあったはずなんだけど見つけられず。

これはおそらく、ある程度の年齢を重ねてきたことで、社会や仕事における常識が自分の中で確立してきているのも背景の1つでしょう。

老害と言われる前に、自分にとっての常識は他の誰かの常識ではない、ということを改めてインストールしておかなければなと思います。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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