更新日 2021年10月10日

結婚式場集客における記事広告の可能性を考える

0106_結婚式場集客に記事広告は有効?

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

ゼクシィ一辺倒だった結婚式場集客から、SNSやリスティング広告などのデジタルマーケティング施策の他、marryやプラコレなどブライダル系メディアへの「記事広告」を出稿する企業・サービスが増えてきています。

実際のところ記事広告って成果出るの?どのような使い方をすると有効?など、今回の記事では記事広告についての概要とブライダル系メディアの効果的な使い方についてまとめます。

 

記事広告とは?

ウェブメディアに有料で記事形式で広告を書いてもらうことを広告のことで「タイアップ広告」などとも呼ばれます。一般的なウェブ広告である、リスティング広告やバナー広告、SNS広告などと比べて、メディアの記事フォーマットと一体化しているので普段の読者層にとってなじみやすくしっかりと内容を伝えられることが特徴です。

106_記事広告とは?

最近ではウェブサイトとSNS(特にInstagram)の両方を運用していることも多く、広告を出稿した後は検索やSNSからその記事に顧客が流入し、気に入ったら自社サイト等へのリンクをクリックするという流れになります。

 

記事広告のメリット

1.メディアのブランド力を利用できる

「このメディアに書いてある情報なら信頼できる」と思っている読者層に対してリーチできるのはメリットの1つです。

情報過多の現代では「どんな情報なのか」と同時に「誰が発信している情報なのか」も重要な要素となるので、自社で「このサービスはすごいんです!」というよりも人気メディアで「このサービスはすごいんです!」と紹介してもらうほうが信頼されやすいと感じる人も多いでしょう。

2.顧客層を把握した上で出稿できる

メディア運営している企業の場合、そのメディアの読者属性をしっかりと把握していることがほとんどです。例えば「年齢、性別、エリア、デバイス、平均閲覧時間、平均閲覧ページ数、購買意向の高いジャンル」などのことで、このあたりはGoogle Analyticsで取得可能なデータですし、メディアの営業担当に聞けば教えてくれることが多いでしょう。

一般的に、自社の商品やサービスの広告を出すときは、相性のいい顧客層を抱えたメディアに依頼するしたほうが合理的ですし費用対効果がよくなりますので、メディア選定をする際は重要な要素の1つとなります。

3.第三者目線で自社サービスの紹介をしてくれる

記事広告が掲載される場所は「メディア」なので、その記事はメディアの編集部や特定のライターなど第三者が情報を発信していることになります。

商品やサービスを購入・利用する前に、口コミやレビューを見るというユーザーの割合はどんどん高くなってきており、信頼に足る第三者が自社のサービスを紹介してくれる、という価値も高まってきています。

口コミやレビューの評価が高い商品は、商品としての価値や信頼が確立されていると見なされやすく、商品購入を迷っているユーザーが購入すると決断する要因になりやすいです。

 

記事広告のデメリット

1.記事掲載にかかる費用が高い

記事広告1本の出稿にかかる費用や条件はメディアによって様々なので一概には言えないものの、リスティングやバナー広告などの露出と比べると割高であることが多いです。

費用の相場としては記事1本あたり「50万円~200万円」くらいが一般的ですが、業界特化型メディアなどの場合はもう少しの費用が安い場合が多いです(あくまでおよその平均値です)。

ただ、記事広告の出稿を検討するときは出稿費用が高いか安いかも大事ですが、どのような読者層を抱えているかによってまるっきり成果が変わってきますので、出稿金額だけで実施するかどうかの検討をしないように注意しましょう。

2.掲載されるまでに時間がかかる

記事広告出稿の記事作成は一般的にはメディア側で行うことがほとんどです。依頼してから掲載されるまでは、担当者の決定、取材(またはヒアリングシートの記入)、記事の作成、確認、校了などの工程を経るため、企業側が依頼をしてから掲載までは平均で1カ月ほどかかります。

さらに、記事掲載直後に即成果が出るわけでもないので(メディアの1日当たり投稿記事本数と平均ユーザー数、PVなどによっても異なります)、もし特定の時期のイベントなどの紹介記事を依頼する場合は、あらかじめ時間に余裕をもって問い合わせるようにしましょう。

3.コンバージョン獲得とは相性が良くない

記事広告は認知系のマーケティング施策であり、コンバージョンを獲得するための刈り取り系の施策としては不向きです。

そもそもメディアは記事を読んでそのまま何かしらのアクションをさせることを前提としているわけではないので、PR記事を読む→結婚式場の見学予約をする、というストレートなユーザー遷移を期待するのはさすがに無理があります。

そのため、あまりに直接的なコンバージョンなどの成果を目的とする場合は施策候補から外したほうがいいでしょう。

 

結婚式場集客と相性がいいメディア

marry

ブライダル業界で働く人ならほとんどの人が知っているのではないか?というくらい有名なメディア。結婚式だけではなく、結婚に関わる幅広いテーマの記事が掲載されています。

プラコレドレシィ

プラコレが運営するメディア。ドレスの記事中心ですが、結婚式場へのインタビュー記事など、こちらもウエディングに関する幅広いテーマの記事を掲載しています。

Wedding News

オリジナルライフが運営するメディア。式場紹介がメインになっていますが、記事広告の掲載も可能です。

ARCH DAYS

こだわり層に向けての商材なら相性よさそうです。

 

記事広告の相場と出稿方法

出稿費用の相場

記事広告の価格を開示しているメディアが少ないですが、ブライダル系のメディアだと掲載1本当たりの金額は20万円~200万円くらいが多いと思います。

記事広告を出稿するまでの一般的な流れ

106_記事広告の掲載までの一般的な流れ

1.問合せ

メディアの問合せフォームから問い合わせるか、または広告代理店が扱っている場合もあるので代理店に問い合わせてみましょう。また、たまに営業の電話がかかってくることもあります。

2.出稿条件の提示、確認、発注

発注に前にメディアの営業資料の説明や営業の機会があります。メディアのユーザー属性や平均ユーザー数、PV、デモグラフィックなデータ、掲載費用、掲載期間、その他詳細条件などを確認し、出稿する場合は発注します(契約の締結)。

3.取材、またはヒアリングシートの記述、写真素材の提供

記事を書く前に、記事のテーマや訴求したい商品・サービスの内容、記事読者限定のインセンティブ、記事内で使う写真素材、訴求の方法などを決めます。メディアのライターやインタビュアーが取材することもあれば、ヒアリングシートに内容記入をしてそれをもとに記事を書き起こすパターンもあります。

4.初稿の確認、リライト依頼

記事の初稿が上がってきたら内容を確認します。OKであればそのまま、もし内容や訴求方法に違和感があればリライトの依頼をします。リライトの回数は上限が決められていることが多く、またメディアの文体と大きく異なるような修正は受け付けてもらえないことも多いです。

5.校了、掲載

記事の内容が決まったら、掲載日をすり合わせて掲載まであとは待ちです。ちなみにブライダルの場合は金曜日に掲載すると効果的と言われています。土日の時点で新着記事欄に残るからです。もちろん、メディアによく見られる曜日や時間なども異なるので、明確な希望日時がない場合はメディアの営業担当と相談するといいでしょう。

 

ブライダル系メディアへ記事広告する場合のポイント

106_記事広告を出稿する際のポイント

1.出稿条件は必ず確認するようにしましょう

  • 記事掲載までの流れと期間
  • 記事の内容や訴求方法に関するメディアレギュレーション
  • 記事の費用
  • PV保証の有無
  • 掲載期間の縛り
  • ネット上は永続的に記事が残るのか
  • Instagram、FacebookなどSNSアカウントでの告知はあるのか
  • 新着記事、人気記事カテゴリに入るのか
  • PR告知はあるのか

2.広く認知を獲得する施策に向いているが、限定的な目的だと向かない

イベントの告知や、期間限定のビッグブライダルフェア、キャンペーンなど、ある程度幅広いターゲットに対して告知をするような内容であれば出稿が向いていると思いますが、今週末の予約を獲得したい!という目的であればあまり向いていないと思うので、他のデジタル施策にコストを寄せたほうがいいでしょう。

3.目的とユーザー導線を明確にする

記事広告を出稿する場合、

  1. 記事広告を読む
  2. 記事内のリンクをクリックする
  3. 自社の特設サイト・ページに遷移する
  4. サイト内で何かしらのコンバージョンを促す

という流れで目的を達成させるのが一般的です。

特定のキャンペーンの告知で記事広告を打つのであれば遷移先のキャンペーンページの制作は必須ですし、そこでの申込フォームや登録フォームも必須になります。また、CVではなく告知が主目的であれば、遷移先のページにSNSシェアボタンを設置したり、ハッシュタグキャンペーンなどと並行して行うとより効果的でしょう。

目立つ商品やインセンティブがあるとなおよし

記事広告では特にインパクトの強い記事やコンテンツであるほど読者の関心を引きやすくなります。

そのため、出稿する場合はでそういった商材がある場合に検討するというのが基本線になります。また、記事広告の最後に「この記事を見た人限定で○○プレゼント」など、限定感のあるインセンティブを用意できるとなおよいかと思います。

 

結婚式場集客における記事広告活用についてまとめ

結婚式場探しの情報収集方法もゼクシィ一辺倒からメディア、SNSと多様化してきており、それに伴い集客担当者の検討範囲もより広くなってきています。今回の記事をきっかけに記事広告という手法も1つの施策として検討に入れてもらえると嬉しいです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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