更新日 2023年08月12日

人気が先か実力が先か

0995_人気が先か実力が先か?

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

人気と実力の相関の相関はあるの?って話。

 

人気がある人は実力も高いの?

結論から先に書きますが、人気がある人が必ずしも実力があるとは限りません。逆に、人気にない人が実力が低いかというとそうでもありません。

それぞれ緩い相関くらいはあるかもしれませんが、人気と実力が正比例することはまずないと思います。

この理由は単純で、実力は人気を構成するの1つの要素に過ぎないからです。

ビジネスの場においては、いかなる商品やサービスであれ顧客認知されることがまず重要であり、認知を得るために人気は必要です。

そして人気を得るためには実力が必要であると思われがちですが、他にも人気を得るための方法はたくさんあるのでは?と思ってます。

***

ブライダル業界はどう??

  • 顧客がリピートしないので実力が人気に還元されにくい
  • ニーズが顕在化するまで顧客が情報を探さないので、日常生活で触れる機会が少ない
  • 結婚式の開催毎に条件が違い過ぎるので顧客側から事業者の実力の違いが分かりにくい

業界特有の要素としてはこのような特徴があり、特に人気と実力の関係は薄く、比例するどころか相関すらも怪しいと思ってます。

あんなにXXXな結婚式しかしてないのに何でお客さんがそんなに来てるの!?って話とか、あんなに想いもあってもスキルも高くて素敵な結婚式を作ってる人なのになんで全然問合せ来てないの…!?って話とかよく聞きます。

で、人気と実力どっちが大事なの?という論点はいったん置いておくと、業界の中で働いている人たちの意識は実力に寄っているように思います。人気者になりたい!って野心家な人はほとんどいないんじゃないですかね。

とはいえ、人気がないと何も始まらないのも事実であり、「実力を磨く以外の方法」で人気を獲得していくことは必要なんだろうか?というのが今回のテーマです。

 

人気先行(?)の事例

●例えば格闘技

BreakingDownがすごい勢いですが、そこに登場している人たちより強い格闘家はK-1やRIZINなど他の団体にたくさんいるでしょう。

ただ、現時点で認知度が高く数字が取れるのは10人ニキや飯田将成であり、格闘家としての強さと人気は必ずしも一致しないな思うのです。

もちろん井上尚弥くらい強くて実績あると別次元になるとは思うんですけども。

●例えば音楽

ちょっと前になってしまいますが、レペゼン地球がドーム公演を完売させました。特に若年層の人気はすごいですよね。しかも彼らはアーティスト活動だけで今の人気を獲得したわけでもない。

彼らより歌唱力が高いミュージシャンはたくさんいるんですけど、じゃあその人たちがドームを埋められるかというとそんなことはない。

つまりアーティストとしての人気と歌唱力も必ずしも一致しないんですよね。

●例えばプロ雀士

古くは萩原聖人(俳優)から、最近だと岡田紗佳(モデル)や中田花奈(元乃木坂)、田口淳之介(元KAT-TUN)、伊達朱里紗(人気声優)、など芸能人がプロ雀士になることも増えてきました。

彼らより麻雀が強いプロは正直たくさんいるんですけど、彼らの方が数字を取れるので放送対局ではよく呼ばれます。なので、プロとしての活動や活躍という点では必ずしも実力が最重要というわけではないのです。

***

例え話が趣味に偏っていてすみませんが、ここまでの構文をブライダルに当てはめると「結婚式提供者として必要なプロデュース能力と顧客からの人気は必ずしも一致しない」と言えます。

その道の探究に突き進んできたガチ勢からすると「ポッと出の人気者が売れていきやがって…」的な快く思わない面もあるものの、数字が取れることが重要という価値観は、今後はエンタメ業界だけでなく様々な分野でも同様に広がっていくことが予想されます。

昨今のSNS全盛時代では、知る人ぞ知る職人肌気質の超一流の凄腕、みたいな人は誰にも知られることなく埋もれていくんじゃないか、「数字が取れること」が正義になりつつ現代において、もっとどん欲に人気を取りに行くことに目を向けてもいいのではないかと思うのです。

※このセクション全員敬称略です、すみません。

 

もしもブライダル業界で数字先行の事例が起こるとしたら?

  • SNSフォロワー100万人の芸能人がウェディングプランナーに転身しました
  • チャンネル登録者数50万人のYoutuberがウェディングプランニング始めました
  • 日本をこよなく愛する外国人Youtuberがインバウンド向けプランナー始めました
  • フリープランナーが(ブライダルコンテンツに限らず)SNSガチったらフォロワー30万人になりました

もし起こるとしたらこんな感じかなぁ。とにかく手段を選ばずにまずフォロワーを集める、その人気を持ってブライダルに乗り込む、みたいな流れのイメージ。

そんな未経験でいきなりできるほどウェディングは甘くないよと思った方、たぶんいると思うんですよ。わかる、わかります。

でもエンタメ領域ではすでに起こってるんですよね。で、たぶんアパレルとか美容とか飲食とかECとかでももう起こっていそう。詳しくないから僕はそんなに事例を知らないけど。

もし先ほどの例のようなことが実際に起こったとして、フロントにはその人気者が立ち周りに百戦錬磨の実力派プランナーやクリエイターを囲ってチーム化する戦略を採ればパフォーマンスとも担保されそう。

今のところそんな情報も気配も聞いたことないですが、もしあったらどうなるかなぁと妄想はしてしまいますね。

***

そしてこれはC向けの話だけではないと思います。

以前大型調達のプレスリリースを出したSHEが、もし「ウェディングプランナー養成講座」とかを開講したら、たぶんすぐに埋まると思うんですよね(デジタルスキル、ビジネススキルに寄せているからたぶんやることはないんだろうけど)。

既存のブライダル専門学校とかプランナーになりたい人向けのスクールは集客力という点で高確率で負けるでしょうね。

まぁほんとに実力が身につくかは疑問ですけど、こんな感じで既に別の領域で人気・知名度を持っているサービスや人がブライダル業界に入ってくると一気に勢力図を変える可能性はあるんじゃないかなと思ってます。

 

人気が先か実力が先か

今までって、

・実力を高める→結果が出る→結果が広まる→人気が出る

こう考えている人多かったと思うんですよね。ブライダルに限らず、年齢が上の人ほど特に。

一方、最近では

・人気が出る→フォロワーが増える→試行回数が増える→成長機会が増える→実力も高まる

という流れの事象も増えている気がしていて、人気ありきのスタートからの成功もしやすい環境ができてきたんじゃないかと思うんですよ。

で、これどっちが先かの正解はない(というかわからない)んですが、確実に言えると思うのは

  • どんなに実力があっても人気がないと売れない
  • どんなに人気があっても実力が伴わないと売れ続けることはできない

この2つ。

特にブライダル業界の方々は職人気質の探究者が多い印象なので、実力を高めること、顧客に対して提供できる価値を高めることと同等またはそれ以上に、どうやって人気を獲得していくのかについても思考のウェイトを割かなければいけないんじゃないかと感じています。

業界の中の人をタレント化するのもそうですし、タレント性の高い人を業界に引き込んでブライダルのイロハをたたき込んでいく、という手法もありなんじゃないかと思うのです。

もちろん、結婚式の場合は「いろいろトライして失敗しました、でも次からは頑張ります!」みたいなのは提供者側はいいかもしれませんが、顧客側は全然納得できないのが他と違って難しいところですけどね。

 

人気と実力の関係についてまとめ

プロモーションではなく人気や知名度を獲得するのはブライダル企業はたぶんどこも苦手にしていそうです。というか偉そうに書いたけど僕も何をどうやったらいいのか具体的なことは何もわかりません。。

例えばアイディアとして、人気にしたいフリーランスのプランナーやクリエイターにどこかの企業がスポンサーとしてつく、っていうのも方法としてはありだと思うんですよね。そうすると、その人にとってはベーシックインカム的な感じになり、日々の稼ぎに追われずにいろいろできたりとか。まぁ、このアイディアはブライダル企業だとは経営体力的に難しそうだけど…。

人気をどうやって得るかについて、本気でちゃんと考えないとなぁ。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

CATEGORY同じカテゴリーの記事