アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
企業のIR情報を見て会社の状況や方針を理解できるのは、社会人としての重要なスキルの1つです。そこで、今回の記事では、アイ・ケイ・ケイ(以下、IKK)の2020年10月期第一四半期の決算説明資料をもとに、その内容について考察してみようと思います。(注)本記事の内容はあくまで個人的な見解であり、投資向けに書いているわけではありません。この記事の内容をご覧になられて投資判断をされても一切の責任を負えませんのでご了承ください。
目次
2020年10月期第一四半期の決算概要
元となるIKKの2020年10月期第一四半期の決算説明資料は下記URLで見ることができます。
https://www.ikk-grp.jp/ir/library/main/01/teaserItems2/0/link/20200228setsumei.pdf
決算概要
数字がたくさんあるのでざっと見るべきポイントをまとめると
- 売上高:前年比微増
- 売上総利益:前年比微増
- 営業利益:前年比88%ダウン
- 純利益:前年比y理大幅ダウン
となっています。計画比はここからはわからないですが、1Qの営業利益昨対割れは今年度に新規出店する東京店の先行コスト分とのことなので(おそらく開業準備室にかかる施設費、広告宣伝費、人件費等)、計画通りの1Q決算なんじゃないかなと思います。毎回IKKの決算観てて思いますが、ほぼ外さないんですよね。この規模でどうやったらこんなに精度高く予測を立てられるのか知りたいくらいです。
ただ、同じくいつも気になるのが営業利益の点です。
IKKは10月決算なので4Qは7月~9月です。この3か月間はブライダル業界だと閑散期に該当します。理由は夏が暑いからですが、IKKの出店エリアは決して涼しいエリアだけではないので、年間の施行組数の分布がなんでこんなに閑散期に偏るんだろう、7月―9月こんなに利益出せるのは何故なんだろう、というのがいつも疑問です。
期末に前倒しを書けて施行月を営業力でコントロールするというのの理屈は分かるのですが、毎年安定してこのように出せているのだから何か秘密でもあるのかなと思ってしまいますね。
業績の見通し
売上、営業利益、純利益とも伸長する計画の通りですね。営業利益率も10%を超える見込みのようです。
※ただし、この記事執筆時点では新型コロナウイルスの影響が含まれていないので今後どうなるかはわかりません。また、東京オリンピックも延期になったので初進出の業績への影響も出てくるとは思います。
東京江東区に新規店舗を出店
昨年度末の決算説明資料にも会った通り、2020年6月に新規出店を予定しています。豊洲で近隣の会場だとアニヴェルセル豊洲やアヴァンセリアン東京が近いですね。他の上場企業も純粋な自社ブランドの新規出店はほとんど見かけなくなってきていますが、2019年7月にも神戸の新規店舗に続いてですが、先ほども書いたように昨今の諸々の影響がどのように出てくるか次第だと思います。
この記事執筆時点ではすでにゼクシィにも出稿しており、そこそこの順位に掲載されているので集客にも力を入れているように見えます。
既存店舗のチャペル・バンケットリニューアル
福井店と富山店の2店舗でリニューアルを実施。リニューアルをすると集客が改善され、その結果として成約・施行が増えるので業績が改善するという流れで業績につながるまで時間がかかるので、リニューアル時期が2020年1月~2月ということを考えると、2020年度の下半期の売上にどういった影響を及ぼすかがポイントになると思います。
またIKK以外でもTGやエスクリでもリニューアルを積極的に行っていますが、各社のここから2~3年の業績はリニューアルの成果次第かもしれませんね。
食品事業部門を新設し、新商品の企画開発に着手
婚礼事業の調理部門のリソースを活かした新商品の企画、開発に着手する部署のようです。新たに売上の獲得を目指すのか、社内的なマネジメントを目的とした組織新設なのか目的は分からないですが、結婚式場の人も含めたリソースやノウハウを活用して結婚式以外のマネタイズポイントをつくる、というのはブライダル企業の今後の生き残り施策の1つだと思うので、今後の動きも注目してきます。
海外事業
インドネシア共和国ジャカルタ市に2店舗目となる新規店舗の営業を開始しました。日本人の海外リゾートウェディングはよくありますが、現地の方向けの施設運営ってほとんどないので、(過去はあったのですがほとんど撤退しましたね)、収益の柱になっていくようなら事業展開の幅が広がりますね。
アイ・ケイ・ケイ(IKK)の2020年10月度第1四半期決算についてまとめ
ほんとに簡単にですが、決算説明資料をもとに考察を書いてみました。ブライダルの現場で働いていると企業のIR情報を見ることはほとんどないとは思いますが、他の会社でどんなことをやっているのか、起こっているか、ブライダルマーケット全体をどのように捉えて動いているのかなどがわかると意外と楽しいと思うので、この記事をきっかけにIR資料も見るきっかけになってくれればうれしいです。