アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
当社ではブライダル業界専門の人材紹介サービスも運営していますが、ご支援させていただく求職者の方によってに内定までたどり着く方もいればそうでない方もいます。今回の記事ではそこにどのような違いがあるのか、企業側の採用と求職者側の先行についての考え方をまとめようと思います。
ブライダル企業の一般的な選考フロー
企業によって異なるものの、多くの企業では下記のようなフローで選考が行われていることが多いです。
- 書類選考
- 一次面接
- 適性検査
- 二次面接
- 最終面接
適性検査があるかどうか、面接回数が2回か3回か、一次面接前に適性検査を受けるかどうか、などの違いはあるものの、大まかにはこのような流れで進むことが多いです。この選考フローを経て
- 求職者目線では、どのようにして選考を通過して内定を得るか
- 企業の採用担当者目線では、この選考過程でどれだけ正確に求職者を見極められるか
お互いにこのようなことがポイントになります。
また「選考」と書くので受験のように合格するかどうか、と捉える方も多いですが中途の転職活動は本質的には「マッチング」だと私は思っています。企業側も選考する権利はありますし、求職者側も企業を選ぶ権利があるのです。なので、求職者の方には「選考フローを頑張って突破しましょう」と言うよりは、選考を通じて企業との相性をしっかりとすり合わせをしていきましょうというスタンスでサポートする方がいいのかなと思っています。
採用企業と求職者のマッチング
転職活動を企業と求職者のマッチングだと捉えると、
この図のように、求職者側のポテンシャル・パフォーマンスと企業側が求める要件がどれくらいマッチングしているか(=2つの円の重複している部分)が大きいほど両者の相性はよく内定につながりやすいし、企業側からすると採用後の活躍が期待できるいい採用につながることが多いと思います。逆に採用に至らないケースはおおまか次の4つのケースに分けて考えることができます。
採用に至らないケース例
ケース①:ポテンシャルが低い
そもそもの求職者の経験やスキルが企業側が求めるレベルに達していないケース。
ブライダル業界の職種の場合、対人接客力やコミュニケーション力はもちろんのこと、営業力やハードワークに耐えれる体力なども意外と重要になります。業界未経験者でかつ営業職未経験者などのケースだと足りない場合が多いです。
ケース②:求める要件と合致しない
次にポテンシャルは高いんだけど企業側のニーズと合致しないパターン。
例えば経験者でこれまでの実績やスキル面では問題なかったとしても、不採用理由として「社風に合わない」「業績や数字への考え方が甘い」「お客様へのスタンスが違う」などが上がるケースです。
また、異業種からの転職を希望する場合は同じ営業でも商材の違いやBtoB経験とBtoC営業の違いなどが理由ですり合わないケースもあります。
ケース③:オーバースペック
求職者側のスペックは申し分なく、かつ企業側で活躍のイメージもあるのですが、逆にスペックが高すぎて採用見送りとなるケースです。
具体的な不採用理由としては、「希望する年収とポジションが合わない」「ハイスぺすぎて配属後のメンバーとのバランスが取れない」「それ以上のポジションは今は間に合っているのでポテンシャル枠としての採用も難しい」などが挙げられます。
ケース④:他社の方がマッチしている
A社と求職者間ではお互いにニーズが合致していて内定!となるのですが、求職者とB社の方が合致していて結局B社に行きました、というケースです。
パターンとしては、年収がB社の方が高かった、B社の方が大企業で福利厚生や労働環境が安定していた(またはベンチャー感があって自分に合っていると思った)、などの理由で最終的にB車を選び、A社は選考途中または内定後に辞退連絡をすることになります。
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つまり、まず求職者の視点では、
- まず自分のポテンシャルをまず高める
- 次にポテンシャルをより高く見せる工夫をする(誇大アピールはだめ、後述)
- 企業側が求めることと自分のポテンシャルが合致する部分を見つける
この3点が重要で、採用企業の求める要件に沿って的確に自分をアピールすることが必要となります。
一方、採用企業側の視点では
- どういう人材を採用したいのか明確に定義する
- 求職者のポテンシャルをどのようにして選考過程で把握するかを明確に定義する
という2点が必要になります。この記事は求職者側の視点メインで書いているので詳細は別記事でまた書こうと思いますが、このポイントが面接官によってブレがあると有効人材を見送ったり不要人材を採用してしまったりするので、しっかりと準備してから採用活動を行うことが基本となります。
さて次に、求職者側の3つのポイントをさらに詳細に考えていきます。
求職者に求められる「ポテンシャル×本番発揮力」
- まず自分のポテンシャルをまず高める
- 次にポテンシャルをより高く見せる工夫をする(誇大アピールはだめ、後述)
- 企業側が求めることと自分のポテンシャルが合致する部分を見つける
再掲ですが、面接で希望企業とよいマッチングを実現し転職を成功させるためには上記3つがポイントです。私はこのうち1をポテンシャル、2と3を合わせて本番発揮力と呼んでいます。
ポテンシャルとは?
まず1のポテンシャルは、その人個人が持つスキルや経験値のことを指し、採用企業側からすると採用後にどういったパフォーマンスを期待できるかの指標として見られるポイントです。
ブライダル業界(主に結婚式場やサロンで働き接客を担う)の職種の場合、
- 営業力:高額な商品をお客様に買っていただくので必要
- コミュニケーション力:営業力の一部とも言えますが、基本的に接客してなんぼの仕事なのでこれも必要
- 体力:結婚式場の仕事はハード(特に施行のある土日祝日)なので、それを全うできる体力が重要です。
- メンタル:結婚式は一生に一度なのでミスは許されない、お客様からクレームを頂戴しても適切な対応ができる、数字の責任、など様々なプレッシャーを感じながらも業務を全うできるためには強いメンタルが必要
細かくはもっとありそうですが、おおむねこのような能力が必要です。中途の転職の場合は、これまでの職歴の中で上記のような経験をどのようなシーンで積んできたのか、どのような実績を出してきたかどうかでポテンシャルが見えてきます。直接営業経験などがない方は、どうやってそれを自分で身に着けるのかを考え、必要であればトレーニングを積むことが必要な場合もあります。
本番発揮力とは?
仮にポテンシャルがある方でも、採用企業の側にそれが伝わらないと活躍できそうと思ってもらえません。面接や検査の本番で弱いとせっかくポテンシャルがあっても伝わらないのです。もともとのポテンシャルをそれ通りに相手に伝えること、アピールすること、そのために必要なのが本番発揮力です。
ブライダル企業の選考は主に書類と面接なので、この2つのシーンで自身のポテンシャルを最大限発揮することが必要です。
書類選考のフェーズでは「自分がアピールしたいこと」と「企業が求めていること」を分けて考えます。自分のアピールポイントはこれだ!と思っていてもそもそも相手がそれを求めていなければアピールにはなりません。そして、相手が理解しやすい表現をすることが大切で、特に営業系の職種経験がある場合は具体的な数字を用いて職歴等を書くようにしましょう。職務経歴書の書き方、などはググればたくさん記事も出てくるのでここでは割愛します。
面接では、自分の伝えたいこと、アピールしたいことを本番でも堂々と話すことが大切になります。細かな面接テクニックなどもありますが、それよりも面接練習何度もした方が効果は高いと思います。少なくとも
- 自己紹介
- 職務経歴
- 転職理由
- 志望動機
- もし入社出来たら実現したいこと
これくらいの内容はしっかりと自分の言葉で話せるようになるまで練習したほうが良いでしょう。
こういった事前準備を重ねることで、本来のポテンシャルをしっかりと採用企業に伝えることがまず第一歩です。その上でマッチングがなされるかどうかはタイミングもありますので、こうすれば必ず内定になる!という話ではありませんが、やるべきことをやり切った上で自分に合う企業を見つけていくことが転職後の活躍という点でもよいと思っています。
まとめ
転職で企業からの採用を獲得するには
- ポテンシャルを高める
- 本番でもしっかり伝えられるように万全の準備を整える
この2点が重要で、特にブライダル業界へ転職する場合は営業力、コミュニケーション力、体力、メンタルといったスキル経験が重要視されます。これからブライダル業界への転職を考えている方は少しでも参考になると嬉しいです。