※寄稿記事です。
ここ数年ブライダル業界においては婚姻数に対して、結婚式実施率が減少してきており、来館数も右肩下がりの会場が年々増加してきていると思います。特に最近は、コロナの影響もあり不安要素が増え顧客が決断をするのにも勇気がいる状況になっています。
ほんとんどの会場で来館数が減少している現状、業績い指示向上のためにプランナーに求められるのは成約率であり、そのカギを握るのがクロージングです。クロージングという言葉を聞いて、苦手意識があるプランナーが多いですが、実際何が苦手か?と問われると明確に答えられないことがほとんどです。
そもそもクロージングとは締結を求めることであり、難しいテクニックを想像する方もいると思いますが、答えは実にシンプルです。お客様に「成約しますか?成約しませんか?」と選択肢を与えて、「今、決めて下さい」と背中を押すことです。
今回の記事では、少しでも成約率が上がる為のクロージングのポイントを紐解いて解説します。全ての新規接客をするプランナーにとって、少しでも役に立ててもらえるとうれしいです。
1. 成約に必要なクロージングスキルを磨く方法
まず初めに、よい新規接客をする際にはトークスクリプトが必要です。よい新規接客 = 成約ではないですので、その点を踏まえた上で読み進めてもらえるとうれしいです。
大前提として、トークスクリプト(台本)が完成していないプランナーに、成約率が高い人はいません。稀に成約率が高いプランナーもいますが、それは特別な事例だと考えた方がいいでしょう。一般的には感覚に頼った新規接客をしているままだと自会場の平均成約率を超えることはほとんどないので、まずはしっかりと接客の準備することが重要になります。
次に、プランナー自身が感覚で接客をしているのかどうかを確かめる方法としては、周りのプランナーに「どうやってクロージングをしているのか」をアウトプットしてみると気付くことが多いです。
なぜなら、感覚で接客をしていると自分以外の人に対して、言葉に出して表現するということが出来ないからです。誰かに伝えようとして、その瞬間に初めて「自分がどれだけ分かっていなかったのか」という現実を知ることになります。
新規全体においても言えることですが、クロージングこそしっかりと話す言葉を決めておく必要があります。また、トークスクリプト(台本)を作成する時に、クロージングの部分を省いて作成するというプランナーがいますが、それは間違いだと思います。
このようにまず前提としてクロージングまでしっかり台本として考え方やトークスクリプトに落とし込むことが重要だと考えます。
では次に、どのようにトークを展開すると最後にお客様が『成約』をするのかを段階に分けて書いていきます。
1.1 お客様に 決断 をしてもらうためのポイント
では早速ですが、以前書いた記事「新規成約率を高めるためにウェディングプランナーとして必要なヒアリングのコツとは?」「結婚式場新規接客の内覧のコツ」「結婚式場新規接客の見積り提示のコツ」でも触れていますが、人が何か物事を決断するまでに、心理的プロセス「購買心理の7段階」が働きます。
(1)注意→(2)興味→(3)連想→(4)欲望→(5)比較→(6)確信→(7)決断
この7つの段階を踏むというものであり、クロージングでは主に (7)決断の部分を会話の中に盛り込みながら会話をしていきます。
まずは、見積り提示後に具体的に今後の流れをお伝えしお客様自身で選んでもらうように案内していきます。ちゃんとこれからの流れをお伝えしない状態で、お客様よりお断りのお返事を頂いた場合は、NOということではなく、‘‘この後をどうしたらよいか‘‘ が分からないだけといえます。お客様よりネガティブな言葉を発させない為にも、こちらが先にこの後の流れをしっかりとご案内することが大切です。
特に、即決に対して抵抗があるプランナーも多くいることと思いますが、今この瞬間に背中を押すことは、お客様にとって‘‘一番条件のいいタイミング‘に決断をしてもらえる‘‘ということに自信を持つことが大切です。
だからこそ引き気味や警戒心が強いお客様にも決して遠慮しすぎないことです。正々堂々と、もっとよい情報・もっと喜んでもらえる結婚式を提案してこそお客様のためになります。遠慮をしても目の前のお客様を幸せにすることはできません。
1.2 クロージングをサンドイッチする方法
実際に接客をしていると、「今日決められない理由」を何かしら仰るとうケースがほとんどだと思います。
このハードルを突破し誓約に結びつけるための1つ方法が「クロージングのサンドイッチ」です。このスキルをうまく活用できれば、成約の確率を高められるだけなく、成約後のキャンセル抑制にもつながります。
クロージングのサンドイッチとは、多くのプランナーが1回しか行ってないクロージングを(一般的に見積り提示後のタイミング)、ヒアリングの段階で1回目のクロージングを行い、見積り説明の後に2回目のクロージングを行う方法です。
なぜそれを行うのか・・答えはとてもシンプルです。
人は何かを決断する時に、心の準備が必要です。クロージングの際に、いきなり「今日決めてください!」と決断を迫っていませんか?
当たり前のことですが、そんな急に決断を迫られても・・という心情になります。
プランナーは、接客をスタートする時点で今日決めてもらうつもりでも、お客様からするとそんなつもりではなかったということは往々にしてあります。
それは、プランナーサイドとお客様サイドで最初の時点で、‘‘温度差‘‘が生じていることになります。そこで、少しでも温度感を合わせるという作業が必要になります。
最初にお客様に、これからの時間をどういった心づもりでこちらの話を聞いてもらうかどうかが重要です。
そこで、例えば「本日精一杯お二人のご結婚式のご提案をいたしますので、もし気に入ってくださいましたら、是非前向きにご検討をお願いいたします!」という言葉をヒアリングの際に盛り込んでから、会場見学にご案内するとスムーズです。
そうすることで、双方の温度感を合わせると同時に見積り後のクロージングの際に、断る理由をなくしていくという効果が生まれます。
2. 成約後にキャンセルにならない決め方
成約になり安心している場合ではありません。言うまでもないですが契約になったからといって、それで終わりではなくスタートです。
お客様は契約をしてからが本当のスタートなので、決断をする前の不安要素・問題がまた浮上したりもします。人はいつも無意識に不安を探してしまいがちです。
そこで、契約の前に「お客様のわくわくをイメージさせる」ことが重要です。
成約時に出来る限り、これから始める打ち合わせに対してわくわくさせ、自分たちの結婚式を具体的にイメージしてもらうことで、契約してからもお客様に「いい決断をした!」という実感を持ってもらうことがキャンセルにならない成約の仕方です。
一番いいのは、「人間力」できめてもらことですが、全てのお客様に当てはまることではないので、どんな理由で決めてもらってもキャンセルにならないような成約手続をする必要があります。
このお客様は、私がハッピーにする!と信じ込むこともとても重要です。
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プランナーのクロージングのポイントまとめ
いかがでしたか?お客様に最初にご挨拶をした瞬間から、新規接客は始まっています。
今回書いたクロージングがだけを完璧にできていたからといって、成約率が上がる訳ではないですし、約3時間という時間の全てを通した上で、お客様は決断をするということを忘れずに、慣れることなく真摯に全力で、お客様に向き合っていきましょう。
そして、私が思う新規の魅力・楽しさは終わりがないということです。
プランナーであり続ける限り、その旅がずっと続くということであり、自分の接客に満足をしてしまった時点で成長が止まります。
日々の出来事の中で、うまくいかなくて気分が沈んだり、なかなか前向きになれない時もあります。でも、自分が成長していく過程は旅の途中です。
今日の結果がでなくても、すぐに成約率が上がらなくても焦ることなく自分を信じて進んでください。その先に、必ず自分の心の成長という成果が待っています。
まずは、先入観を捨てて自分を信じて、接客を大いに楽しんでください。
今までつらつらと書いてきましたが、成約率を上げる為の一番の近道は、「人間力」を磨くことだと思います。お客様に心から信頼して、成約を頂く為には一番大切なことだと考えます。
この記事を読み終わった、全てのプランナーが少しでも前向きになれていれば幸いです。