アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
最近「フリープランナー」についてお話を聞いたりお会いする機会が増えてますが、人によって定義や捉え方が様々なので一括りに表現するのは無理があるんじゃないかなって話です。
目次
フリープランナーってどんな人?
ここ数年、様々な場面で「フリープランナー」という言葉を聞く機会が増えました。
- 顧客観点:会場に問合せるのではなくフリープランナーに問合せる人が増えた
- 企業観点:フリープランナーに委託したり業務連携する機会が増えた
- 従事者観点:企業所属から独立する人が増えた
言葉の定義としては、フリーランスで活動するウェディングプランナー、となるわけですが、上記の通りどの側面からみても明らかに増えてきているなと感じますし、弊社の事業でも、Wedding Me WorksやLejuを通じて、これまでたくさんの方と関わりを持たせていただいています。
さて、そんな盛り上がりを見えているフリープランナーですが、活動の方法や持っているスキルセット・マインドが本当に人によってさまざまなので、単語として1つにくくるのは無理があるんじゃないかと最近思っています。
経験もスキルも働き方も目指しているところも同じ「フリープランナー」と呼ばれる人でも個人によって全然違うからですね。
ざっと大きく分けただけでも
- 自分のプロデュースブランドの運営だけをしている人
- 結婚式場からの委託案件だけを専業で受けている人
- 自ブランドも運営しつつ、委託案件も受けている人
- 他業界で仕事をしつつ、副業で週末フリープランナーしている人
- 子育てをしながら、自分のペースでウェディングの仕事をしている人
などいろいろなパターンがあり、これらの方々を「フリープランナーの人たち」と一言でくくってしまうのは、言葉の解像度がかなり低いなと思うわけです。
なので、これから顧客も企業も従事者も関わることが増えていきそうなフリープランナーという言葉の解像度を高めていく必要があると思うので、今回はこのテーマについて考えてみます。
結婚式場とプランナーの関係性
大きく分けると以下の3つで分類できます。
今まで一般的だったのが①で結婚式場運営企業に雇用されて働くパターン、最近増えているのが②と③でフリープランナーが活躍しているパターン。
②と③はどちらもフリーランスのプランナーなのですが、どちらが顧客との接点を持っているかが一番の違いと言えます。顧客が会場を指名している場合は②、プランナーを指名している場合は③です。
今回は各契約の詳細については割愛しますが、まずこの違いがあることを知り、特に②と③のどちらメインで活動している人なのかによってかかわり方が大きく変わると考えています。
フリープランナーは個人でって集合体でとらえるものではない
個人的にはフリーランスエンジニアに例えるとかなり近い気がしています。ブライダル業界の方にこの例えが伝わるかどうかはわかりませんが…。
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フリーランスで活動するエンジニアも増えていますが、一言でエンジニアと言っても
- フロントエンド、バックエンド、フルスタック、得意としている領域はどこか?
- 経験している言語、得意としている言語は何か?
- これまで携わってきた案件やプロジェクトはどんなものか?
といった経験・技術的な部分は個人によって全然違いますし、
- お金を稼ぎたいから
- 技術を磨きたいから
- 自分の時間で仕事をしたいから
などフリーランスとして活動している理由も個人によって全然違います。
にもかかわらず、フリーランスエンジニアはこんな感じだよね、というイメージ=解像度が低い状態で仕事を依頼すると、当然にうまくワークせずお互いに不幸になる可能性が高まるわけです。
何を目的にどんなシステムやサイトを作るのか、そのためにどんな技術経験が必要なのか、それを満たすからあなたなのだ、というように、お互いの認識を揃えてから稼働開始することが重要になるのです。
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この構文をそのままプランナーに当てはめると以下のような感じです。
フリーランスで活動するプランナーも増えていますが、一言でウェディングプランナーと言っても
- 新規、打合せ、一貫経験、得意としているのは何か?
- 経験している会場タイプ、得意としているウェディングスタイルは何か?
- これまで携わってきた結婚式やプロジェクトはどんなものか?
といった経験・技術的な部分は個人によって全然違いますし、
- お金を稼ぎたいから
- 自分の理想とするウェディングを提供したいから
- 自分の時間で仕事をしたいから
などフリーランスとして活動している理由も個人によって全然違います。
にもかかわらず、フリープランナーはこんな感じだよね、というイメージ=解像度が低い状態で仕事を依頼すると、当然にうまくワークせずお互いに不幸になる可能性が高まるわけです。
何を目的にどんな結婚式をプロデュースするのか、そのためにどんな技術や経験が必要なのか、それを満たすからあなたなのだ、というように、お互いの認識を揃えてから稼働開始することが重要になるのです。
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こんな感じ。伝わるかなぁ、伝わるといいなぁ…。
つい先日、弊社でもフリーランスのエンジニアさんとお話する機会があったので個人的にはめちゃしっくりきています。
で何が言いたいかというと、フリープランナーとて1人1人みんな志向も経験も違うので、大きなくくりで捉えて「フリープランナーってこんな感じの人でしょ?」みたいな大雑把なコミュニケーションを取らない方がいいよってことです。たぶんうまくいかないです。
大局で統計出すとかであれば構わないですが、集合体ではなく個人として接することが重要になると思います。
式場の人がフリープランナーの人と接するときに大切なこと
企業の方とお話していると、式場目線だと
- フリープランナーにこの仕事(主に新規や担当)を依頼しよう
みたいな大きななくくりで語られることも少なくないなと感じます。悪い書き方をすれば、業務ができてリソースの穴埋めできれば誰でもいい、みたいなイメージ。
でも、フリーランスだからと言って全員が委託をやりたくて独立したわけではないんですよね。だから、なんでその人がフリーランスになったのかの意思のヒアリングからスタートするといいんじゃないかなと思いますね。
逆にフリープランナーから会場の利用の問合せや相談を受ける機会も増えていそうです(先述の③パターン)。
で、こちらはまだ浸透には時間かかりそうだなぁという印象。
というのも、過去にフリープランナーに会場を貸して盛大にやらかした(時間を押す、イレギュラーな進行で現場を混乱させる、式場の人への態度が悪い、最悪の場合は会場破損、など)場合に、そのトラウマがかなり色濃く会場側の人たちに残っているからです。その1回の印象が悪すぎてもう貸さない、となってしまう。
今後集客チャネルが分散化していくことを考えると、このような過去の事件から1つのルートを絶ってしまうのは持ったいないなと思いつつ、まぁでも会場側の気持ちもわかるし…、難しいなと思うんですよね。
なので、こちらの場合はフリープランナーのリファレンスというか紹介書というか、なんかそういった「この人なら大丈夫だよ」という信用証明書的なもの(サービス?)があるといいのかなぁとは考えていますが、実現まではけっこうハードル高そう。。
利用の場合は結論ないんですが、ほんと色んな人がいるから過去の1人の失敗ですべてをシャットアウトするのはちともったいないよ気がするよという感じです。
フリープランナーのお金の話(余談)
フリープランナーになると稼げるよ!と無邪気に煽る人たちが一定数いるので、最後に少しお金の話にも触れておきます。
業務委託契約に限った話ですが、だいたい新規接客だと4-5万円/成約、施行担当だと8-10万円/担当くらいが相場です(記事執筆時点)。稼働日数や成果にもよりますが、委託専業で活動していると月給50万円超え(年収換算で600万以上)も珍しくはありません。
結婚式場で正社員として働いている人の平均年収は300万円台前半くらいですから、フリーランスになると相当稼げるようになるのは事実だと思います。
この事実を持ってフリーランスになって稼ごう!というのはある意味では正しいです。
しかし、この高単価は「不要になったらいつでも契約を切れるという都合のよさ」とトレードオフで成り立っていることもセットで知られた方がいいと思っています。業務委託契約は雇用契約とは異なり、契約書にその旨が明記されていればいつでも契約を終了することができます。明日急に仕事がなくなることもあり得るわけです。
また、フリープランナーは特定の資格取得が必要ないので参入障壁も低く、その一方で実力差によって成果の差が非常に大きい職業でもあるので、今後は仕事の依頼は優秀なフリーランスの方に集まりやすい構造になっていくと思います。
まとめると、稼ぎやすいのは事実だけど正社員にはないリスクも存在するからそれも合わせて理解しておきましょう、ってことです。
フリープランナーの現状についてまとめ
- お金を稼ぎたい人
- 実現したいスタイルや理想の結婚式を求める人
- 時間にゆとりを持って働きたい人
フリーランスになった理由、続けている人それぞれです。
実際にはどれか1つの理由というよりは、理由の強弱のグラデーションは人それぞれといった感じでしょう。
そう考えると「フリープランナーコミュニティ」みたいなのを作ってもたぶんあんまりうまくいかないんじゃないかなと思います。もう一段階掘り下げたテーマで作らないと共通項は少なそう。
業界的には今年~来年くらいに一時的なブームが来る(もう来ている?)と思いますが、たぶん色んな思惑が交錯してかなり散らかると思うので、表面的に事象を捉えずに個に深く入り込んで理解してほしいなと思います。