アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
フォトウェディング人気は高まり続けており、特にコロナ禍で挙式・披露宴の開催が困難になってきてからはさらに需要が増えてきている印象です。
今回の記事では、フォトウェディングの市場規模を試算してみます。
フォトウェディングとは?
フォトウェディングとは、挙式や披露宴をしないカップルが結婚式の代わりにウェディングドレスや和装などの衣装を着て写真を撮影することを指し、フォト婚とも呼ばれます。
- スタジオで撮影するスタジオフォト
- チャペルや披露宴会場などで撮影するチャペルフォト
- 公園やビーチなど屋外で撮影することをロケーションフォト
主に3つのスタイルがあり、ロケフォトではリゾート地での撮影も人気です。
これまでは再婚カップルや経済的理由から、スタンダードな挙式披露宴は目立って恥ずかしいから写真だけ…といういわゆる「なし婚層」がメインターゲットでしたが、近年では前撮り需要も含めるとかなりニーズは伸びてきています。
フォトウェディングが伸びてきている理由
事業者側の理由
フォトウェディング事業に参入する事業者は増えてきており、結婚式場がフォト事業を新たに立ち上げるケースや、フォトグラファーが独立するケースなど様々です。この背景には以下のような理由があります。
- 一般的な結婚式場を新規で作ると数億円はかかるが、フォトウェディングの場合は新規投資がはるかに小さくても大丈夫
- 結婚式場の現有リソースを活用して別の収益源を作る必要がある
- 一定知名度のあるカメラマンであればフリーランスでも活動しやすい
- InstagramやFacebookなどSNSとの相性がよく、集客の間口が広い。うまくやれば集客コストが低く抑えられる
顧客側の理由
披露宴実施率は年々下がってきている一方、フォトウェディングを検討、利用するカップルは増えてきていて、その理由としては次のようなことが挙げられます。
- 低予算でできる
- 人前に出ないので恥ずかしくない
- 2人でできて準備も簡単
- サービスの選択肢が増えてきていて、事例も豊富になってきた
特に2020年以降は結婚式を挙げたくても挙げられないカップルがせめて写真でも、ということでフォトウェディングを実施するケースも増えているので、検討したカップルも含めるとかなりの数になると思います。
フォトウェディングの市場規模
前置きが長くなりましたが、次にフォトウェディングの市場規模を試算します。フォトウェディングの市場規模試算は諸説ありますが、純粋フォト婚層と前撮り実施層の2つがあると考えられます。
純粋フォト婚層
婚姻組数:58.4万組×実施率:6.3%×組単価:12.0万円=44.2億円
感覚的にはもっとあってよさそうですが、挙式披露宴をやらずに写真だけ、と考えるとこれくらいなのかなぁという気もします。
前撮り・後撮り層
披露宴実施組数:30.1万組×実施率:64.3%×組単価:14.0万円=270億円
逆にこちらはこんなにいるの!?という感じですが、公開情報をもとに試算するとこれくらいの規模はありそうです(情報ソースは最後に載せます)。
フォトウェディング市場はいくら?
この2つを足すと約314億円程度、と試算できます。
2021年時点の感覚だともっとありそうな気はしますが、やはり一般的な挙式披露宴と比較すると平均単価が20分の1程度なので、これくらいなのかなぁ…。2022年くらいまでは拡大路線で行くでしょうが、そこから先はどうでしょうか?という感じです。
ちなみに、挙式披露宴・披露パーティ全体の市場規模は約1兆800億円程度の予想です。フォトウェディング以外の市場についても分析した記事を参考で載せておきますので、興味あれば見てみてください。
ブライダル業界の市場規模はどれくらい?関連市場も含めた算出結果まとめ
主なフォトウェディング事業者
デコルテ
- ホームページ:https://www.decollte.co.jp/
- 運営ブランド:STUDIO AQUA、STUDIO TVB、STUDIO 8、STUDIO AN、SUTUDIO SUNS、CHAPEL SUNS、STUDIO SOLA
- 提供スタイル:スタジオフォト、ロケーションフォト、など
ワタベウェディング
- ホームページ:https://www.watabe-wedding.co.jp/photo/
- 運営ブランド:ワタベウェディング、アッシャーズフォト、クリエイティブスタジオ
- 提供スタイル:スタジオフォト、ロケーションフォト、リゾートフォト、など
レック
- ホームページ:https://www.la-viephoto.com/
- 運営ブランド:ラヴィファクトリー、ラヴィアンファン、ワールドロケーションフォトウェディング、Labo-la(ラボーラ)
- 提供スタイル:スタジオフォト、ロケーションフォト、リゾートフォト、など
タメニー
- ホームページ:https://studio.luminous.art/
- 運営ブランド:スタジオルミナス
- 提供スタイル:スタジオフォト、など
ラブグラフ
- ホームページ:https://lovegraph.me/wedding
- 運営ブランド:LOVEGRAPH WEDDING
- 提供スタイル:ロケーションフォト、など
フォトウェディングの市場まとめ
現状で「規模が大きく魅力的な市場」というわけではないですが、今後の成長が期待できる、初期投資に大きな金額が必要なわけではない、ブライダル企業であればすでに保有しているリソースを活用しやすい、という点から事業として立ち上げるには向いている市場だと思います。
もし立ち上げるとした場合、一番のネックとなるのは集客だと思いますので、そこの戦略・戦術さえしっかり固められればそれなりの規模まで成長はできると思います。
※この記事の情報ソース