更新日 2023年09月13日

ブライダル業界についてなど、最近よく聞かれる質問に答えてみる

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

僕が個人的によく聞かれる質問に答えてみます。

 

マーケティングの話

Q.プランナー経験者の異動でウェブマーケティング運用をインハウス化できる?

A.ウェブマーケ未経験者だけだと何人いようがインハウス化するのは無理だと思うよ。無理というかきちんと立ち上がるまでめちゃ時間かかる。

例えば、ブライダル企業の経理と労務の5人が異動でプランナーになって結婚式場運営を始めても、きちんと立ち上がるのは相当難しそうでしょ。それと同じくらい全く別の職種。

だからWEB広告運用経験者を1名採用するか、運用に並走してくれる外部の人のサポートを入れないとよほどの天才でない限り無理。

Q.広告予算はどうやって割り振って使ったらいい?

A.Google検索10万、GDN5万、Yahoo!5万、Instagram10万みたいに媒体別に予算を散らすよりも成果が出やすいチャネルに集中した方がいいと思うよ。

エリアやサービスにもよるけど数十万円/月ならリスティング一択かな。Instagram広告を使うならフェア予約とか深いCVだけではなくて、診断とかアンケートとかLiveとか浅めのところのCV獲得目的にして、CRMとセットで企画するのもおすすめ。

Q.ゼクシィをやめてウェブやった方がいい?

A.ウェブマーケって知らない人からすると新しい来館を獲得するための魔法みたいなイメージ持たれがちだけど、実際はブライダル媒体だけだと取りこぼしていた来館を拾うネット(網)みたいな役割。

だから、ゼクシィかウェブ広告かどちらかみたいな二者択一で考えるのではなくて、顧客の接触機会の仮説構築と、それに沿った予算配分のバランスを決めていくことが大事。

Q.ウェブマーケって何から始めたらいい?

A.いつの来館が欲しいかによるね。

今すぐの来館がほしいならLP作って広告運用、そこまで急いでなくて半年~2年くらい猶予があるならSEOとかSNSとかYoutubeとかコンテンツ制作に時間かかるものに投資、もっと長期的に考えられるならブランド設計とかにも投資していくといいんじゃないかと。

 

ブライダル業界の話

Q.ブライダル業界ってこれからどうなると思う?

A.国内婚礼市場は2030年までに今より20%近くは縮小すると思うよ。これは人口統計や婚姻率の変化を見ていると避けられなさそう。

そして厳しいこと書くけど、業界縮小と同じスピードかそれ以上に事業者と従事者が減らないと1人当たりの給料は今よりもっと下がることになる。今でも供給過剰だからね。だから2020年代は淘汰の時代。

Q.結婚式場とフリープランナー・クリエイターの関係ってこれからどうなる?

A.今だと担当や新規をしてくれるただのコマと見ている企業が多いけど、いずれはフリープランナーやクリエイターの1人1人がマイクロメディアの役割を担って、式場と対等な関係を築くようになってくと思うよ。半分くらいは個人的な願いでもあるけど。

今からこの関係構築を始めた会場が勝つんじゃないかな。

なので信頼できるプランナーやクリエイターに限定してでもいいから、事例公開を許諾してあげよう。

Q.ブライダルはなんで仕組み化や業務効率化が進まないの?

A.ブライダル業界人の課題認識が偏っているからだよ。

どんな商品と提携しようか?とかどんな接客、提案をしようか?とかは課題に認識しやすい一方、当たり前の日常と化していることはそもそも課題認識しにくい。だから台帳が紙とか受発注がFAXとかバカでかいエクセルが不便とかはほとんど感じない。そういうものだと受け入れている。

あと、他業界の人や企業との交流機会が極めて少ないので、疑問を持つきっかけがないのも1つの理由。

Q.これからどういうブライダル業界にしていきたい?

A.業界全体をこうやって変えていきたいみたいな想いはないよ。そんな力もないし。

でも自分の周りにいる人たちは自社サービスを通じて絶対にいい感じにしたいと思っているよ。社員も含めて。

 

仕事論的な話

Q.何でブライダル業界で事業・仕事をしているの?

A.自分の強みが業界の弱みだからだよ。

ブライダルの業界構造を深く知っている&ITとウェブマーケにそこそこ強い、これが自分の特徴だと認識しているので、それが最も活かされる=自分が最も勝ちやすい領域がブライダル業界だと思ってるんだよね。

そこですら結果残せなかったら市川はどこの業界にいっても通用しないですよ。

Q.仕事のやりがいって何だと思う?

A.これは人それぞれだけど、僕は「仕事の帰り道で、ああ今日もいい仕事したなって思えて、給料たくさんもらえること」だと思うよ。難しく考えすぎずにこれくらいがちょうどいいんじゃないかな。

お金をいっぱいもらえることも十分やりがいと言えるはずなんだけど、なんか言いにくい雰囲気をどうにか打破したいとは思っている。これはブライダルに限らずかもしれないけど。

Q.仕事で何をしている時が一番楽しい?

A.請求書を送る瞬間かな。

あぁ今月も頑張ったなぁってなる。他の仕事はすべてここへのプロセス。

夢も希望もない回答だけど、鬼借金してでも自己資本でやってる経営者ならわかってくれるはず。

Q.社員の評価ってどうしているの?

A.全員分を市川の独断でやってるよ。報酬も賞与も。

「当期内の売上をいくら稼いだか」と「未来の売上につながる仕組みづくりにどれだけ貢献したか」主にこの2点を基準にしているけど、全員職種が違うので明文化された評価ルールはないですね。

Q.どういうときに人は成長すると思う?

A.成果出さなきゃ死ぬ、みたいな状況で、必死で考えてやり切って結果出した経験の積み重ねの差じゃないかな。昭和生まれのおじさん的な価値観だけど。

ビジネスはきれいごとだけ言っててもできるようにならないし、成長したい!っていう気持ちを押し出すだけだと口だけ達者なポエマーにしかなれないと思うよ。

自転車乗れるようになりたい!ってどんだけ願ったりSNSで発信しても乗れるようにならないでしょ。そう思うなら理想を語る前に乗れるようになるための練習をするんですよ。仕事も同じっす。

 

最近の話

Q.最近疑問に思っていることは何?

A.「なんで多様性を認められないの!?」って怒ってる人って、この一言で矛盾しているよね?って思ってるよ。

固定化された価値観を持つことだって多様性のうちの1つでは?と。ただ、他人がその人の価値観を押し付けてたり強制してきたときは全力で怒っていい。

俺はこう思う、はOK。だからあなたもこうしろ、はNG。

Q.最近のよく考えていることは?

A.特定の業界の発展と真の事業目的(業界目的)って合致しないことが多いよね、って考えてるよ。

例えば、20年前に比べて転職サービス(メディア、エージェント、プラットフォーム等)はめちゃくちゃ充実したはずなのに生き生きと働く人は増えてない、10年前に比べて婚活領域サービス(マッチングアプリ、結婚相談所)は格段に充実したけど、婚姻組数は減り続けている、など。

サービスや業界は成長しているはずなのに、ユーザーの真のニーズが満たされるとは限らないんだなぁと。

おそらく今後、結婚式関連サービスも充実していくんだろうけど、全体で見れば結婚式を挙げる人の数は減っていきそう。これってどう考えればいいのか難しいよね。

Q.最近注目していることは?

A.ショート動画の活用。

 

今回のまとめ

他にもなんかいろいろ話した気がするんですが、忘れました。

それ以外のまとめは特にありません!以上!

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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