更新日 2024年02月08日

Z世代向けのブライダルマーケティング

1021_Z世代向けのブライダルマーケティング

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

これからの時代のメインになるZ世代に対して、ブライダル事業者がどのような意識でマーケティングを実行していけばいいか?の話。

 

Z世代の特徴

参考図書:SHIBUYA109式 Z世代マーケティング

こちらの書籍はぜひおすすめなので読んでほしいです!詳細はぜひ読んでいただくとして、こちらに書いてあった内容の中から個人的になるほどと思った部分を抜粋してみます(市川の解釈も一部入ってます)。

  • 文字ではなく画像でコミュニケーションが取れる、画像から他人の持つ世界観や価値観を読み取れる、インスタのアカウントを見て共感できるのもこの世代の持つ特徴
  • 周りから浮かない程度の個性を出す、”丸く尖る”を実現しようとする姿勢
  • 周りからどう見られるかが重要
  • SNSはコミュニケーションを目的に利用するのが一番だが情報収集もしている
  • インスタは好きが集まる場所、TikTokは新しい好きが見つかる場所、YouTubeは自分の好きを深める場所
  • 失敗したくない、という消費的価値観
  • ファッションブランドではなくファッションテイストで楽しむ
  • インスタ映えは世界観、リアルコンテンツは没入感が大事
  • 失敗したくない消費、周りから〜〜と思われたくない意識→他人からの評価が気になる
  • SNSで見た商品を別の機会(友達との会話)でも見たら気になる
  • オタ活についてのセクションもあったけど、読んでもわからなかった
  • カラー診断、骨格診断→顔タイプ診断、MBTI診断
  • シーインで購入品するときは商品検索も体験の1つ
  • 万人受けより界隈をグリップすることが大事
  • Z世代にとって事前に確認できないことはリスク
  • Z世代の拡散力バカにできない

これらは自分がメモったことの一部ですが、全部の章でなるほどと思ったポイントはありましたね。

ただ一つ懸念があるとすると、書かれているのは「渋谷に来るZ世代」の特徴であって「日本全国のZ世代」の特徴ではない部分もあるかもしれません。

 

Z世代向けのブライダルマーケティング

では、Z世代の特徴を踏まえてどんなことをどのようにしていけばいいのでしょうか?

ブライダルのマーケティングをする場合に特に意識した方がいいなと思ったのは以下の点。

  • この結婚式をしたら周りからどう思われるか?を考える人が多い
  • 情報収集能力、情報処理能力は格段に高い
  • 自分にとって必要な情報の取捨選択は、世界観や感性に従う
  • 複数のコミュニティに属し、様々なチャネルから情報収集をする
  • リアルとオンラインはそもそもつながっている認識でいる(別のものではない)

個人的な意見としては「Z世代のメンバーにマーケティング任せるのがいいと思う」ですね。

これけっこう本気でそう思っていて、感性がわかる人材が同じような感性を持つ顧客に対して発信するのが最も正解に近い気がしています。

音楽で言う絶対音感を持っているかどうかの違い、のようなイメージなんですよね。この世代だけが持っている絶対感性、とでも言いましょうか。ショート動画編集するときの音ハメを無意識にできるかどうかとかもその一例。

ちなみに私はブライダルのマーケターですが、ゴリゴリの理屈論者×テキスト発信者なのでこの感性は持ってません。

プロモーションの各論で言えば

  • 多様なチャネルに多様な形態でそれぞれの役割を明確にしたうえで情報発信をした方が良い
  • 発信するコンテンツの一貫性を取られていることが重要
  • これはオンラインコンテンツのみならず、リアルの体験でも同様
  • あなたは何がしたい?という問いかけよりも、あなたはこう見えるよ、という提案の方がよさそう
  • 式場探しも結婚式準備もすべてが体験になるオペレーション設計、当日だけではない

こうした考え方をベースに何をするかの企画を立てていくことになりそうですが、これで成果を出すには根幹に「結婚式と言う商材を売るための事業コンセプト」が確立していることが重要なので、小手先の施策だけ頑張ってもダメだろうなぁって思います。

さらに、そのコンセプト次第でどの界隈にあてに行くのかも変わるし、それによって最適施策も変わるし、となるはずなので、ブライダル業界における最適なZ世代マーケティングとは、具体的なプロモーション施策ではなくその考え方を指すことになるのだろうと思います。

 

人気の結婚式場の秘密とは?

ちょっと余談挟みますが、先日表参道のとある式場を見学させてもらったんですよね。都内でも有数の人気店なのですが、実際に見させてもらって1つ気付いたことがあります。

「ネットで見てもリアルで見ても中の人の話を聞いても全部同じ」

ゼクシィネットで見た写真と、Instagramで卒花がアップしてた写真と、口コミサイトでユーザー投稿してた写真と、実際に目の前にある会場がほんとに違和感なく全部同じく良い。先日のLIVEでも話した「一貫性」を高精度で体現している会場でした。

これは来館もあるし成約率も高いでしょうね、そりゃそうなるよねと思いました。

誰もがスマホを持ちSNSやコミュニケーションツールを使いこなせる今の時代は、誰がいつどこでどのように自分たちの商品(会場、コンテンツ、人、他)について発信するかをコントロールすることはできません。

以前なら結婚式場情報のすべて=ゼクシィでありそこに全集中しておけばよかったわけですが、もはや時代は変わりましたし、顧客は自分たちの発信だけを見ているわけではないことを前提に考えた方が良いでしょう。

特に情報収集力に長けたZ世代であれば、周りの評価を気にする傾向はより顕著になると思います。そしてその評価を知るための手段は口コミサイトにとどまらず、SNSの投稿や卒花に直接DMして聞くなど多岐にわたっていくと想定されます。

そうなると重要になるのは、まず裏表なく良い商品を作り、自らその発信をすると同時に発信されやすい仕掛けを作ることになっていくと思います。

メディアが小細工しなくても、真にいい結婚式を創っている会場やサービスが選ばれていくようになっていくんじゃないかな、と。

 

おじさんに必要な心構え

今年で40歳になるんですが、今後も様々な形でZ世代の方と関わることになると思います。

  • マーケティング対象として
  • サービス利用者として
  • 採用対象や社員として
  • 社外を含めた教育対象として

などなど。

ブライダル業界でマーケティングの仕事をいつまで続けるかはわかりませんが、数年後には確実にメイン世代になっていきます。

それにあたり、自分は次のようなことを意識しています。

  • 感覚はわからなくても、理解しようとする
  • できるだけリアルな声を聞く
  • フラットに同じ目線で接する
  • 共創する意識を持つ

年齢や経験を重ねると、わかりやすいスキルや知識は増えていくいので当然にその差は開いていきます。

しかし、生きてきた環境や時代背景が違いすぎるので、その世代の人しか持ち合わせていない感性があるのもまた事実であり、これは今後自分が努力しても身に着けられないことだと思います。

なので、自分だからできることはちゃんと役割として担いつつ、そうじゃない領域では過信せずにどんどん任せることが大事だと思います。

ちなみにもう今はマーケターとしては自分の感性をあまり信じていません。自分がこれいい!と思うよりも、その世代や対象の人に聞いて、こっちがいい!と思った施策やクリエイティブを優先しています。

年上の世代だからこそ見つけられそうなヒントや気付きは共有するけど強制はしない、無駄に知識や経験でマウントを取るのではなく、かといって迎合するように下から接するわけでもなく、あくまでフラットに、そしてお互いの違いを理解した上で強みを活かしあう関係にしたいですね。

 

Z世代向けのブライダルマーケティングについてまとめ

具体的な手法論というよりは心構えについてがメインの記事となりましたが、特徴というか大事な価値観を知っておくだけでも具体的な施策を考える際のヒントにつながると思うので、この機会にぜひ意識してもらえると嬉しいです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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