更新日 2020年06月22日

結婚式の打合せ、検印の目的とその手順とは?

30_結婚式の打合せ、検印の目的とその手順とは?

※寄稿記事です。

最終打合せ後、最終見積書と請求書を作成するために
・請求書発行前に見積書・発注書・進行表の相違がないか確認すること
・進行表を始め施行資料に記載間違いがないか確認すること
を検印といいます。会場によっては名称や運用ルールは違うと思います。今回は、検印についてまとめました。少しでも参考になれば幸いです。

 

検印の目的とは

検印の目的は、最終見積書と請求書を発行する以外に施行のクオリティを高めるために行います。施行当日のトラブルは、準備段階での確認不足によるミスと施行当日の突発的なものの2種類があります。検印をすることで、まずは準備段階での確認不足によるミスを減らすことができます。

そして、進行表と施行資料を元に円滑に運営できるかシミュレーションすることで施行クオリティを上げることができます。施行クオリティを担保するための最後の要が検印と言えるでしょう。

 

検印の手順例

確認するものを大きく分けると下記3つです。

  1. 顧客・施行内容
  2. 見積・発注内容
  3. 施行資料

所要時間は約40~50分です。①顧客・施行内容と②見積・発注内容はマニュアル化をして正誤を確認していくことができます。しかし、③施行資料は経験が必要になってきます。次で具体的手順を解説します。

①顧客・施行内容

検印を行うための基本情報を確認します。
使用するもの:申込書・各種発注書・席次表・進行表
・申込書を元に、各種発注書/席次表の新郎新婦名前/親御様名前 /挙式日時/会場名/挙式スタイルが一致しているか確認
・席次表を元に人数(大人・子供・乳児)と卓数をカウント。その後、進行表/見積書等の人数記載箇所と一致しているか確認

②見積・発注内容

見積と発注内容が一致しているかの確認以外にも、発注書内容と価格が一致しているか、発注内容の指示が適切か、発注内容が適切に施行資料に記載されているかを確認します。そして、発注書の受領状況も確認することも大切です。受領されていない場合があれば、状況確認をする必要があります。アイテムごとに手順が確認する項目が様々ですので、一例をまとめました。

使用するもの:見積書・発注書(指示書)・施行資料

  • 料理:コース料理単価/人数/コース内容/メニュー表の記載内容/アレルギー対応(ゲスト名/アレルギー内容/差替え内容)
  • 飲料:ドリンク単価/人数/ドリンク内容/ドリンクメニュー表の有無と記載内容/追加ドリンクの対応の有無、乾杯酒銘柄/単価/本
  • ケーキ:人数/デザイン
  • 演出:商品名(サイズ/カラー)/単価/個数/使用タイミング
  • 引出物/引菓子/プチギフト:商品名/商品番号/単価/個数/熨斗・包装紙・納品日

確認する点が多いため一見難しそうにも見えますが、ポイントを整理して可視化しておけば打合せプランナーであれば誰もができる内容です。

③施行資料

施行当日のスタッフは、施行資料を元に運営を行います。全てのスタッフの目線で施行資料が適切に作成されているか確認します。施行資料を一度配布してしまってからの変更は、手間もかかりますし、何よりミスが起こる可能性が高まります。ここで、差替えの必要ない資料作成が最も大切です。

  • 各イベントの予定時間と所要時間、具体的手順を確認
  • 使用するアイテムが当方用意か持込アイテムか確認
  • キャストの名前/肩書/席次場所の確認

この時、進行表のシミュレーションが施行クオリティを上げることができます。
例えば、ブーケプルズ。一般的には参加人数は5~8人、手順は定番化していると思います。しかし、10人を超える場合は、実施するタイミングや場所や手順を工夫する必要があります。これは、多くの施行を経験したからこそ気付けるという点です。

 

検印を通じたメンバー育成

打合せリーダーや支配人が検印するとしている会場もあるかもしれません。繁忙期になると業務の大半が検印になるということもあるでしょう。打合せリーダーや支配人が検印することで、売上管理やメンバー課題抽出という点でメリットがあります。しかし、①顧客・施行内容と②見積・発注内容で書いた、記載内容が一致しているか確認することは、必ず打合せリーダーや支配人しかできないということはないと考えます。例えば、

  • ダブルチェック制:1つの施行を2名のメンバーがチェックする
  • サービスの施行資料確認:メンバーによる検印と同時にサービスも施行資料を中心に確認

です。業務量が増えることになりますので、実施時期や検印する施行数に上限など考慮する必要がありますが、一定の質を担保しながらメンバーが検印に携わることができます。メンバーが検印で得たことを自身の担当施行に反映することで、人材育成に繋がります。

 

検印のまとめ

  • 顧客・施行内容/見積・発注内容/施行資料の確認の3つに分かれる
  • 顧客・施行内容と見積・発注内容の確認で準備段階でのミスを減らすことができ、施行資料の確認で施行クオリティを上げることができる
  • 顧客・施行内容と見積・発注内容の確認はメンバーが行うことができる。
  • 施行資料の確認は経験値が必要である

検印をメンバーに任せることは勇気がいることかもしれませんが、人材育成のためには「任せる」ということも大切です。少しでも参考になると嬉しいです。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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