アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
私が思いついた新規事業のアイディアを企画っぽくまとめてみよう、という趣旨の記事です。第2回の今回は、日本で開催されれているブライダルイベント情報のおまとめサイト「ブライベNavi」を企画してみました(※この記事は実在するサービスではありません)。
目次
事業企画の概要・ビジネスモデル
ビジネスモデル図解
いつものように「ビジネスモデル2.0図鑑」を参考にして作成してみました。
ビジネスモデル2.0図鑑
サービスの流れ
- 結婚式場や媒体、プロデュース会社がイベント情報を入力
- サイトにイベント情報をアップ
- イベント情報を見た新郎新婦が事前予約
- 予約発生ごとに成功報酬で金額が発生
- (出稿者から)手数料の支払い
基本的な流れはこのような感じをイメージしています。アカウントを無料開放して自分たちで管理画面からイベント作成が可能。課金方法は検討余地ありますが、企業単位で見るとそんなに頻繁にイベントやらないので、アカウント課金よりも成功報酬の方が相性いいかなと思います、取引先の固定負担も下げられますし。
収益化の方法(お金の流れ)
売上は「広告主→ブライベNavi」で、掲載したイベントページからの来場予約数×報酬単価で計算します。原価はかからず、販管費も広告費以外はそれほど大きくならなそうなので、サイトパワーさえきちんと成長させられればそれなりに安定した収益を生み出すと思います。コンテンツも広告主が作る構造になるので、社内でライターを大量に抱える必要もないですし。
また、もしセッション集められそうならPR枠やプレミアム枠などをサイト内に作成し、オプション広告メニューとして販売するのもありですね。営業がいなければアドセンス入れたりもありかと。いずれにせよ、サイト集客力次第ではありますが…。
ざっと、サービスの概要としてはこんな感じです。
今イベントを企画開催しているプレーヤーは大きく分けると、媒体、結婚式場、プロデュース会社、の3つ。それぞれの立場を考えると「自分たちで集客活動をやっていない第三者」しかこのサービス作れないので(媒体だと他の媒体を載せたくない、結婚式場だと他の会社の式場乗せたくない、プロデュースは式場と一緒にしたくない)、もし実現するとしたら集客コンサルとかそういったプレーヤーになると思います。
このサービスが解決できる課題
ユーザー(新郎新婦)の課題
イベントなどオフラインの体験系コンテンツへの期待値はかなり高いと言えます(先日のmaricuruのリリースの中にもありますね)。
また、こういった背景から多くの事業者がイベントを企画、開催するようになってきており、実際この1ヶ月のプレスリリース出ているだけでも何本もありました。
リリースが出ていなくても、ゼクシィフェスもハナユメのブラフェスも開催されていて、全国的にかなりの回数が行われているのだと思います。
通常のブライダルフェア参加と比べて、このように1日でたくさんの結婚式場の話やコンテンツを体験できるイベントはとても人気ですが、自分で調べて参加しようとするとなかなか探すのが難しいのが現状です(後述しますが主催者側の集客難易度が高いことも理由の1つ)。
こういった課題に対し、ブライベNaviを利用すれば、
- 全国のブライダルイベントを簡単に検索、来場予約ができる
- イベント内のコンテンツの比較がしやすい
- 自分たちにとってどのイベントがオススメが一目でわかる
というメリットがあります。
イベント主催者側の課題
ブライダルイベントを実施する場合、開催目的はクライアント式場か自社式場への送客であり、
- 送客数=来場者数×送客率
となるので、イベントが成功するかどうかは来場者数=集客次第となります。
ただ、通常の結婚式場集客とは違いブライダル媒体を使えないですから(媒体主催イベントを除き)、デジマや交通広告、マス広告を駆使して集客しなければいけません。実際にやったこともありますが、ターゲティングが難しく、通常の媒体集客とは別のスキルが求められます。媒体イベントであれば自社媒体で何とかなるかもしれませんが、結婚式場が開催する場合はこの集客に人的リソースも集客コスト的もかなりかかるので大きな負荷になってします。
こういった課題に対し、ブライベNaviを利用すれば
- ブライダルのイベントに特化したサイトなので、イベントニーズを持ったユーザーがあつまるプラットフォームにアピールできる
- 成功報酬で広告コスト負担を下げることができる
- イベントの開催ハードルが下がり収益性が改善する
というメリットがあります。
ちなみに、今のウェディングイベントの一般的な集客方法は、
- 交通広告
- marryの記事広告
- プラコレの記事広告、LINE@・FacebookなどSNS
- リスティング、SNS広告などのウェブ広告
このあたりがメインですね。よく見かけます。
ユーザーにとってのサービスの特徴をざっと挙げると以下の通りです。
- ウェディングのイベント情報が一覧でまとまっていて比較しやすい
- そのまま事前来場予約までできて便利
競合は、記事広告を販売しているブライダル系メディア(marry、プラコレ、ハナコレなど)になりますが、直接同じようなスキームではないのでどちらかと言えば併用されるようになるイメージですね。情報が特化しているので、このサイト目がけてくるユーザーをきちんと囲い込むことが大事になりそうです。
事業のKPI・スケールさせるのに必要な施策
事業KPI
- 利益=売上-コスト
- 売上=事前予約発生数×報酬単価
- 事前予約発生数=サイト来訪者数×CVR
- 報酬単価=(固定)
- コスト=サイト開発費+サイト運営費+サポートセンター維持費
ざっとこのようなロジックで表すことができます。
成長させるために必要な施策
この事業を成長させるためには、それぞれのKPIを伸ばしていくための施策を実行していくことが必要です。
「サイト来訪者数」を伸ばすための施策
サイト内コンテンツはブライダル関連のイベント情報になるので、初期は掲載してもらうための法人営業が超絶重要になります。
また、流入経路のメインはオーガニックとSocialになるので、SEO対策とSNSマーケティングも重要になります。
「CVR」を伸ばすための施策
使いやすいサイト設計。
「報酬単価」を伸ばすための施策
広告主側からすると、ユーザーの質×量が担保できる媒体は重宝するので、上記2点のKPIを伸ばしていき、適切なタイミングで少しずつ上げていくといいでしょう。
施策まとめ
- 掲載してくれる媒体や結婚式場を増やすための法人開拓
- ユーザーがアクションを起こしやすいサイト設計・開発・運用
- ユーザーを獲得するためのデジタルマーケティング施策
上記3つの施策を並行して実行していくことが重要になります。
事業リスク・詳細検討が必要な項目
ブライベNaviを立ち上げ、拡大していくにあたり想定されるリスクとそれに対する打ち手も考えておきます。
①掲載広告主を開拓できない
そんなに顧客となりうる法人(積極的にイベントを開催するプレーヤー)が多いわけではないので、営業に行って断られ続けるとすぐにタマ切れを起こしてしまいます。そうなると結構地獄ですね…、というか展開不能だと思います。なので、もし作るなら特に大手媒体2社(ゼクシィとハナユメ)は全力開拓は必要になるでしょう。いきなりが突破が難しければ、フリーでサイトだけ先に作って自分で情報をひろってコンテンツを集め、ある程度のサイトパワー(ウェディング イベントで1ページ目に入ったり、フォロワーを1,000獲得するなど)を高くしてから始めてもいいかなと思います。
認知が広まればオンラインでアカウント発行できる仕組みにしておけばよいかと思います。
②予約が発生しない
イベントの事前来場予約が伸びない要因は、
- サイトが使いにくい
- そもそもイベントに魅力がない
- 近くで開催されるイベントがない
とったところが要因になるはずです。欲を言えばユーザーもアカウント登録制にしておいて、プッシュ通知やメルマガなどで興味のあることや近くで開催されるイベントを通知できるようになるとなおよいかと思います。開発にかけられるコスト次第ですね。
③イベントが開催されない
そうなったら店じまいです。
起こりそうなリスクまとめ
掲載広告主を開拓できない、はかなりの確率が起こりそうです。初速開拓が極めて重要になるので、ブライダル産業フェアへの出展やウェディングジャーナルなど業界紙への出稿などPR活動と合わせてリソース投下することが重要になると思います。あとはサイトユーザビリティです。
以上、新規事業企画をしてみました。普通の記事の3倍くらい時間かかるのですが、やっぱりこういう記事書くのは楽しいですね。事業計画は信ぴょう性がないうえに作るの大変なので今回から載せないことになりました。
今回の企画は、そんなにたいそうなことはないし、Wordpressいじれるくらいの人であれば、サイト作ってプレスリリースとかからひたすら情報集めてくる→サイト認知される、くらいならいすぐできそうですね。検索エンジンのイベント系KWは普通に記事コンテンツが上位表示されていたり、エリアKWとかと比べるとそこまで競合も強くないのでねらい目かも?時間できたら自分でも作ってみようかな。