※寄稿記事です。
結婚式の組単価を考える上で、重要なアイテムの一つにドリンクがあります。ドリンクといっても、ウエルカムドリンク、フリードリンク、乾杯酒と様々ですが、今回はその中でも売上の大きいフリードリンクについてまとめてみました。必要最低限のプランからなかなかランクアップに繋げられない、というプランナーの方やリーダーの方にとって、少しでも新郎新婦に満足頂ける提案の参考になればうれしいです。
結婚式のドリンクはなぜフリードリンクなのか?
結婚式のドリンクがフリードリンクということは、ブライダルに関わる私達にとって至極当然のことでしょう。
- サービスマンにとって配膳オペレーションで困るから
- 会場としてドリンクの利益率が担保されないから
- 新郎新婦にとって結婚式当日用意するドリンクの量が不明瞭だから
など、会場側の理由はたくさんあります。しかし、フリードリンクである理由は、新郎新婦/ゲストにとっても実は重要なのです。
もし結婚式のドリンクがバイオーダーだったら?
もし披露宴の飲み物が全てバイオーダーだったら、どのような結婚式になるのでしょうか。
- 「グラスが空いている/空きそうなゲスト」
そんなゲストがいれば、サービスマンは即座に対応しようと動きます。しかし、
- 久しぶりに会ったゲスト同士で会話が盛り上がっている
- ゲストがプロフィールDVDに見入っている
- 結婚式一番の見どころのシーンが間もなく始まる
こんなシーンで、サービスマンは、今すぐ対応することが良いのか/状況が変わるまで待つことが良いのか、と判断に迷います。それに加えて、提供するドリンク1杯に追加料金がかかるとなると、判断は更に難しくなると思います。
ゲストにとっても、グラスが空きそうになる度にサービスマンから声掛けされると、煩わしいと感じさせてしまうこともあると思います。そんな時にフリードリンクであれば、
- まずはそれまで提供していたドリンクを再度提供
- 声掛けが可能な状況になったらゲストに伺う
ということが可能になり、よりスマートにドリンク提供をすることができるのです。
披露宴を楽しんで頂く為のフリードリンク
ゲストに披露宴を最大限楽しんで頂く為には、前述の通りサービスマンの積極的な声掛けが必要なシーンと、今ある雰囲気を保てるよう一歩引くことが必要なシーンを臨機応変に対応を使い分けていくことが必要になります。
ゲストが披露宴を最大限楽しんで頂く為に、ドリンクは、飲みたい時に手元にあるということが理想です。フリードリンクが採用されている理由は、新郎新婦にとって結婚式当日用意するドリンクの量が不明瞭だから、サービスマンにとって配膳オペレーションで困るから、会場としてドリンクの利益率が担保されないからといった、会場・新郎新婦だけの問題ではありません。結婚式当日にゲストにできるおもてなしに大きく関わることです。
フリードリンクでランクアップを目指すための提案のポイント
ドリンクを提案する手順は以下の通りです。
- 席次表やリストを見ながら、ゲストが日頃好んで飲んでいるドリンクを確認する
- ベースとなるフリードリンクプランに(使用した席次表やリストを見ながら)ランクアップするオプションドリンクを提案する
- ドリンクプランを説明し、席次表やリストを見ながらプランを検討する
ここで重要なポイントは①と②になり、ランクアップできるか否か大きな差がでるポイントです。
1.席次表やリストを見ながら、ゲストが日頃好んで飲むドリンクを確認する
席次表やリストを見ながら、ゲスト1人1人が日頃どのようなドリンクを好んで飲んでいるのかを確認します。こ打合せプランナーであれば誰もが行っていることだと思いますが、「席次表やリストを見ながら洗い出し、メモする」ということが重要です。ランクアップを成功させている打合せプランナーとそうでないプランナーの大きな違いは、
- 席次表やリストを使用することで、抜け漏れなく情報の洗出し、可視化しているか
ここです。
可視化することで、最終打合せなどの見積り調整でランクアップしたものをキャンセルしたいと言われた時に、再度情報の見直しをしながら再提案することができたり、サービスマンに配布してゲストのドリンクの好みを事前に把握してもらうことができるなど、目盛ることによるメリットは大きいのです。
2.ベースとなるフリードリンクプランに(使用した席次表やリストを見ながら)ランクアップするオプションドリンクを提案する
先ほどの情報から結婚式当日にゲストから依頼がありそうなドリンクを予想します。
そして、「結婚式のドリンクはなぜフリードリンクなのか?」で記載した内容を元に、フリードリンクにランクアップするとよいと思うオプションドリンクを提案します。
ランクアップを成功させている打合せプランナーとそうでないプランナーの違いは、
- オプションドリンクの必要性を感じてもらえた後、バイオーダーとフリードリンクの違いを的確に提案ができるか
この点の違いが大きいと思います。
ランクアップを苦手とするプランナーは、当日に依頼されるドリンク量が不明瞭だからという理由だけでフリードリンクを提案し、「そんなに頼まないだろうから」という新郎新婦からの一言で、ドリンクの提案が何もできなくなるという傾向があります(個人的な経験からです)。バイオーダーとフリードリンクの違いを的確に提案するということに、意識して打合せに臨みましょう。
フリードリンクで単価アップを目指すためのポイントまとめ
フリードリンクで単価アップを目指すためのポイントは以下の3つです。
- バイオーダーとフリードリンクの違いを的確に提案し、フリードリンクは、ゲストに披露宴を最大限楽しんで頂く為に欠かせないものであると感じてもらう
- 席次表やリストを使用して、ゲストのドリンクの好みを抜け漏れなく確認し、メモをとって可視化する
- 席次表やリストを使用してオプションドリンクを提案する。
結婚式のドリンク=フリードリンクということは、ブライダルに関わる私達にとって当然すぎて、深く考えることはなかったかもしれません。打合せプランナーにとって当たり前のことだからこそ、本来の意義をきちんと理解し、提案することが大切です。ドリンク以外にお打合せプランナーが取扱うアイテムで当たり前過ぎて・・・という物もあるのではないでしょうか。一歩立ち止まって考えてみてもらえると嬉しいです。