アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
先日「BRIDAL BUISINESS UPDATE 2019 ーブライダル集客のトレンドを業界のキーパーソンが紹介!ー」このセミナーに行ってきましたので、そのレポートをまとめました。面白かったです。
目次
参加したセミナーの概要
タイトル | BRIDAL BUISINESS UPDATE 2019 ーブライダル集客のトレンドを業界のキーパーソンが紹介!ー |
開催日 | 2019年8月27日 |
URL | https://peatix.com/event/1301906 |
タイトルにもある「BRIDAL BUISINESS UPDATE 2019」とは、ブライダル業界に明日から使える知識やノウハウ、事例をもとにキーパーソンたちが議論を行うことで、ブライダル業界の活性化とブライダル自体の価値を高めることを目的とするトークセッションです。
今回セミナーは集客のトレンドについて。トークセッション形式の2部制で、ブライダルにおける集客について事例も交えてお話しされました。参加者の属性はわからないですが、全部で20名ちょっとくらいでした。ちなみに私が参加した理由は、インスタグラムが1ミリも分からない(アカウントも持ってないし見ない)ので事例も含めて勉強したい、知り合いが話す、のこの2点です。
詳しい開催内容はセミナーページをご覧ください。
第1部:花嫁のインスタ最新トレンドと効果的な活用方法とは
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ブライダル業界でもっともインスタグラムに精通し、成功を収めてきた方々のノウハウをお伝えします。
- モデレーター:坂梨亜里咲(4MEEE株式会社)
- スピーカー :藤沢 和徳(株式会社CRAZY)
- スピーカー :望月 靖博(株式会社プラコレ)
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インスタグラムで成果を上げてきた2名が、それぞれの会社で運営するアカウントの実績やこれまで取り組んできた施策、ブライダル事業者やメディアが運用するとしたらポイントとして考えるべきことなどを、事例を交えながらお話しされていました。具体的な内容はここでは書きませんが、私の感想を簡単にまとめます。
アカウントごとの運用の最適化の話
CRAZY藤沢さんのお話で印象に残ったのは、
- ブランド:CRAZY WEDDING
- ハコ(会場):IWAI OMOTESANDO
- 個人:山川咲さん
これらのアカウントを分けて考えて運用すること。ターゲットごとに発信を最適化するという話ともつながるのですが、これだけ知名度のあるブランドを持っていても、これまでの成功スキームを同じように踏襲するだけではなく、都度最適化しながら運用しているのだなと思いました。これはSNSの運用に限らず、誰に向けて何を伝えるか?というマーケティング思考のベースになるものでもあります。もっとも、CRAZY社としてハコを持つことが初めてなので、特にIWAIのアカウントはまだまだ手探りなところも多いとは言っていましたね。
各アカウントが今後どのように運用されていくのか、個人としても見ていきたいですし、外からは圧倒的に成功していそうに見えても中ではかなりじたばたしているというか苦戦していることもあるんだなぁと思いました。
SNSに然るべきリソースを割くことと過去の成功に固執しないこと
プラコレ望月さんのお話で印象に残ったことは2つ。
- SNSの運用に割いているリソースハンパねぇ
- Facebook→Instagramへの移行期の話
SNSのアカウントを活用した集客は、不確定要素が多く頑張ったからと言って成果が出るとは限らない、かつ成果が出るまでのスピードが超長い、という企業が本腰を入れて取り組みにくい条件満載の集客施策です。専任者を置いたても成果が出るとも限らないですし、かといって何もしないと気づいたら他社アカウントがどんどん成長していて、圧倒的な差がついてしまっていたりします。その点で、プラコレは4つのアカウントをインスタだけで運用しているのですが、相当なリソースを割いていて驚きました。普通こんなに割けないですよ。。この判断というか意思決定はなかなかできないと思います。
もう1つ、プラコレは創業当初はFacebookのフォロワーを多く獲得して伸びていったのですが、インスタグラムについては今の段階では後発です。一度勝ててしまった方法とは別の方法にリソースを割くこと、投資すること、これもけっこうジャッジしにくいことで、例えば、一度ゼクシィからの来館が爆発したときに出したキラー写真っていつまでたっても変えにくくないですか?プラコレの場合も最初はインスタグラムにどのくらい投下すべきか悩んだらしいのですが、本腰を入れて取り組んだ結果、わずか2年ほどで今くらいのポジションまでたどり着いています。
総じて、意思決定のスピードと振れ幅が大きく、それが確実にここまでの成果に結びついているのですごいなと思いました。
メディアと実業の考え方の違い
これはお二人のお話+モデレーターの坂梨さんのトークを聞いていて思ったのですが、同じインスタグラムというプラットフォームであっても、自身が事業者かメディアかによって、ベースの考え方やハックする方法、取りうる施策などは全然違うなと思いましたね。
自分たちでアップするコンテンツを創れるかどうか(メディアと事業者の違い)、常にオーダーメイドで新しいコンテンツを創れるCRAZYとある程度同じ絵になりがちなIWAI(プロデュースと結婚式場の違い)、などなど。
なので、このブログをどの立場の方がお読みいただいているのかはわからないですが、もし他社のインスタグラム運用を参考に勉強しようと思ったら、自社のアカウントと同じカテゴリのアカウントを参考にするようにしましょう。そうしないと、全然違う視点がポイントだと見えてしまうので、かえって混乱してしまうと思います。
第2部:WEB広告は出すだけではNG!本当に効果を発揮したWEBマーケティング実践法
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ブライダル業界でも随一のWEBマーケッターが集まり、WEB広告の実践法をお伝えいたします。
- モデレーター:石黒 孝昇(GROWTH,LLC)
- スピーカー :米本 隆 (株式会社エスクリ)
- スピーカー :多田信太郎(株式会社プラコレ)
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ブライダル業界のウェブマーケティングを得意とする2名が、それぞれの会社での事例や実績を踏まえて、今取り組んでいること、これからのブライダルに必要になるウェブマーケをお話しされていました。同じく、具体的な内容はここでは書きませんが、私の感想を簡単にまとめます。
なし婚層向けの広告まで設計している話
エスクリ米本さんのお話で印象に残ったのは、
- 顕在層向け/潜在層向け
- 実施層/非実施層(なし婚層)
この2つのマトリックスでウェブマーケティングの施策やコンテンツを設計していること。一般的な結婚式場ではゼクシィやみんなのウェディング、ハナユメなどのブライダル媒体別の最適化(写真どうしようかとか、ブライダルフェアどうしようとか)はやっていると思いますが、それに加えて「リスティングやSNS広告などの手法まで検討していること」かつ「なし婚層までをマーケティングのターゲットとしていること」は他社との差別化要素になりえますし、かなり広い視野で取り組んでいると思いました。
ちなみに、なし婚層へはポケモンやモンスターハンター、ディズニーなどとタイアップした、プロモーションライセンスでの施策でねらいを定めているとのこと。結婚式を検討化しているかどうかより、コンテンツの元々のファン層に支持されるというのを一つの軸に置いているようです。
これからのウェブサイトのあるべき姿の話
プラコレ多田さんのお話で印象に残ったのは、ユーザーが利用しているのはウェブサイトよりアプリの方が圧倒的に長時間であるという話。アプリのUI/UXに慣れているユーザー(特にF1層)は、サイト来訪時に使いにくさを感じたりや自分の求めている情報が見つからなければすぐに離脱してしまうので、今後のウェブサイトのあるべき姿はアプリのようにシンプルかつ情報量を極力抑えた使いやすさを重視したほうがいいよーという内容でした。
これに関しては、半分参考になりつつ、もう半分は慎重に考えなければなと思っていて、例えば一括資料請求サイトのようなシンプルな導線勝つオンラインでマネタイズまで完結するフローであればその通りでCVRを最大化することが最適だろうと思うのですが、結婚式場HPのようにCV→来館→成約とマネタイズまでにオフラインの要素を挟む場合は、ただCVRを最大化すればいいというものでもないので(全体のオペレーションとCPAが最適化することが大事)、その点は今後もうちょっと事例が出てきてから判断かなと思います。
理想は流入経路ごとにページが最適化されることですね。指名検索経由とそれ以外の検索ユーザー、広告経由とSNS経由のユーザーでは来訪目的も違うので、それぞれで最適なページにランディングさせられるとベスト。広告であれば遷移先をコントロールできるのでOKでしょうが、それ以外はどうでしょうね…。難しいテーマです。
セミナーレポートまとめ
正直、インスタグラム運用のKPIすらよくわかんない状態で参加したのですが、フォロワー数、ハッシュタグ数が大事だってことはわかりました。ただ、お話聞いてて思ったのですが、たぶん自分の性格的に合わないだろうともうので(楽しいと思って取り組めないと思う)、もし自分の会社でSNSをやろうと思ったら、その道のスペシャリストを採用するか、そういう方の知り合いになっておくことが必須だと思いました。感性が違うというか。。ブログ書くことに全く抵抗はないのですが、インスタはなぁという感じです。
ちなみに、将来的に採用することを考えると、逆にそういった人が自分や弊社にどんな魅力を感じてもらえるのか?は今から作っておかなきゃいけないので、そのための自分の勉強はもちろん必要だと思いますし、今後もこういうセミナーとかあれば積極的に参加しようと思います。
あとがき(追記)
昨日のようなセミナーに参加して、そのノウハウをもとに結婚式場の担当者がインスタグラムを運用してハックした場合、結婚式場間の競争には勝てるかもしれないが、その後ってどうなるんですかね?極端な話、国内の全会場がインスタしまくったら、もはやインスタから集客が増えることないですよね?逆に運用ちゃんとしないと下がるとは思います。
となると、インスタハックは対競合サービスや会場で強いが、パイそのものを広げるわけではないですよね。。それってどうやったら広がるんですかね?これも同時に考えていかないとな、と。