※寄稿記事です。
新郎新婦にとって、打合せ担当プランナーは結婚式を実施すること、さらに顧客満足度を高める上で必要な存在ですが、レスポンスが悪い、希望を伝えてもNOを言われるばかり、何度も同じことを聞かれるなど、新郎新婦の期待を下回ってしまうと、会場責任者宛てに「担当の打合せプランナーを代えて欲しい」と連絡が来ることもあります。支配人/打合せリーダーの方であれば誰しもがあると思います。さて、担当変更が起こった時、どのようなことをすれば新郎新婦にとっても、担当していた打合せプランナーにとっても良いのでしょうか。今回はその対応方法をまとめました。支配人/打合せリーダーの方の参考になれば幸いです。
担当プランナー変更は本当にベストな選択か?
先輩花嫁が集まる口コミサイトで、「担当プランナーの変更は可能、勇気を持って伝えましょう」というアドバイスをよく目にします。顧客満足という点では、新郎新婦から担当変更希望を受けた場合はその希望に沿った対応をすることが一番大切だと思われます。
しかし、新郎新婦の性格・金銭感覚・価値観が分かっている担当プランナーを変更すると、もう一度別のプランナーが理解・把握し直すことになり、新郎新婦にとって必ずしも有意義な時間とは言い切れませんし、打合せで来館した際に前任の担当プランナーと会ってしまい、お互い気まずい思いをするということもあります。
また、打合せプランナーにとっても、担当変えを一度希望した新郎新婦を途中から担当をすることはやりにくいという気持ちもありますし、「新郎新婦の希望に沿って、即、担当変更です」ということが続いては打合せプランナーとしての自信も持てず、モチベーションは下がってしまいます。何より、担当者としての責任感を養うことにはなりません。
このように、新郎新婦の希望通りに担当替えをすることは、新郎新婦にとっても、担当の打合せプランナーにとっても、必ずしもベストな選択とは言い難いと考えています。
そのため、担当変えを依頼してきた新郎新婦へは、担当変更を決定する前にまず下記のことを提案することが重要です。
- 新郎新婦の期待を下回ってしまった原因を確認する
- 打合せプランナーからの謝罪、新郎新婦からの意見に対する改善策
- 今後、打合せ~施行当日まで支配人/打合せリーダーがサポートするという提案
上記の提案は新郎新婦の顕在化した希望に沿う訳ではないので、当然ながら同じ失敗は許されず、この判断をした支配人/打合せリーダーにとっても、打合せプランナーにとってもより一層責任が生じることになります。ただ、この提案をすることによって「新郎新婦の意見を真摯に受入れ、改善しようとする真摯な姿勢」を見てもらうことができると考えています。
こういった対応で最終的に担当変更せずに施行まで責任を果たす経験をすることによって、担当の打合せプランナーにとっても経験値が上がりますし顧客対応力を高めるチャンスにもなります。
打合せ担当プランナー変更依頼への対応手順
担当の打合せプランナーを代えて欲しいと新郎新婦から連絡があった場合、支配人/打合せリーダーが行うことの手順は下記の通りです。
①新郎新婦に状況のヒアリングを行い、謝罪する
- 「何に」「どのような対応を求めているか」をヒアリング
- 新郎新婦の期待を下回っている状況に対して謝罪する
- 担当プランナーに事実確認を行い、今後の対応を新郎新婦へ報告をすることを約束
②担当プランナーに事実確認を行い、今後の対応を考える
③新郎新婦に①の報告と今後の対応を説明する
④打合せを行う
- 打合せ前:担当プランナーへ準備の進捗と打合せ内容の確認を行う
- 打合せ当日:打合せ開始前に新郎新婦に挨拶と改めて改善策を確認する
- 打合せ後:担当プランナーへ打合せ内容の確認を行う
⑤施行準備
- 施行資料の最終チェック
- 他セクションへ顧客情報の共有
⑥施行当日
- お支度中:挨拶
- 施行の進捗状況を確認する
- 退館時:担当プランナーと共にお見送り
この中で重要なポイントは「②担当プランナーに事実確認を行い、今後の対応策を考える」、ここです。ここは次で詳しく解説していきたいと思います。
必要な事実確認と対応策の考え方
新郎新婦からの意見を聞いた後、まずは事実確認をすることが必要です。以下は確認する内容の一例です。
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◆顧客情報
- 結婚式に対する情報新郎新婦のパーソナルな情報:家族構成、兄弟構成、趣味/特技、出会い~結婚に至るまでのストーリー、仕事
- ゲストの情報:列席ゲストの人数、顔触れ
- 結婚式に対する情報:結婚式に期待していること、行いたいこと、列席経験
- 他セクションからの引継ぎ内容
- 新規見積と打合せ毎の提示見積
◆打合せの進捗状況
- アイテム毎の提案状況、進行/席次表の準備状況
- 最新の見積り内容とこれまでの見積りの動き
◆新郎新婦と連絡を取った履歴
- 電話/メールでの問合せ日時と問合せ内容、担当プランナーの返答日時と返答内容
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新郎新婦へ直接の謝罪や対応策提示をする前に、まずは新郎新婦の期待を下回ってしまった原因を明確にし、担当プランナーへ指導することが大切です。事実が明確になった後は、担当プランナーと今後の対応を考えます。担当変更希望を頂いてしまった理由別に対応例を簡単に紹介すると、
■「レスポンスが悪い」と言われた
メールの宛先に支配人/打合せリーダーを加える、急用で電話をする際は担当者が不在の場合は責任者宛に連絡をもらうこともOKとする、などが対応策になります。
■「その演出は出来ません、持込は出来ません、とNOを言われるばかり」と言われた
NOと伝えた理由と希望される演出/持込をしたい理由を再度伺う、担当プランナーと共に希望される演出/持込を再度検討し必要であれば新郎新婦の希望を叶える代案を考える、などが対応策になります。
■「何度も同じことを聞かれた、伝えたことが伝わっていなかった」と言われた
担当プランナーは打合せ内容の議事録を新郎新婦と支配人/打合せリーダーへメールする、などが対応策となります。
繰り返しになりますが一度担当変更希望を頂いたにもかかわらず担当変更をせず、また同じ失敗をするというのは許されません。継続するプランナーにとってはよりプレッシャーがかかる担当となりますが、こういった経験を積み重ねることで精神面/スキル面で成長することもありますので、支配人/打合せリーダーがサポートする体制を作ることが大切だと思います。
打合せ担当変更を頂いた場合の対応と考え方まとめ
担当変更の依頼があった場合、支配人/打合せリーダーは下記の手順で対応します。
- 担当プランナーに事実確認(顧客情報/打合せの進捗状況/新郎新婦と連絡を取った履歴の確認)を行い、今後の対応策を考える
- 新郎新婦の期待を下回ってしまった原因を明確にし、担当プランナーへ指導する
- 精神面/スキル面で担当プランナーをサポートする体制を作る
新郎新婦にとって、会場に不満の声を上げることは簡単なことではありません。悩んだ末、勇気を持って連絡をしてきてくれています。その行動に感謝し、真摯に向き合い、再度「いい結婚式を作りたい」という想いを担当プランナーと再確認すること、そしてその想いを新郎新婦に伝えることも大切です。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。