更新日 2021年10月19日

みんなのウェディングの特徴とは?ビジネスモデルを図解してみた

160_みんなのウェディングのビジネスモデル図解

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

事業のビジネスモデルを理解することは、その事業やサービスがなぜつくられたのか、どんなことを強みとしているのかを体系的に理解でき、事業開発や個人の知識習得でとても勉強になります。ブライダル業界の中でも様々な特徴的なサービスがあり、その仕組みや違いを知ることで見えてくることも多いと思います。

今回は「日本最大級の結婚式場の口コミサイト」みんなのウェディングのビジネスモデルを図解してみました。

 

みんなのウェディングとは?

株式会社エニマリが運営する、日本最大級の結婚式場の口コミサイトです。

一番最初は株式会社DeNAの新規事業としてスタートし、株式会社みんなのウェディングとして独立、その後株式会社くふうカンパニーに加わり、今はその子会社の株式会社エニマリが運営しています。

全国6,000以上の結婚式場情報に、下見、本番、列席の口コミだけでなく、花嫁同士のコミュニティやQAコンテンツも充実しており、ウェディングパークと並んでブライダル業界の2大口コミサイトと言っていいでしょう。

mwed
Webサイト https://www.mwed.jp/
運営会社 株式会社エニマリ

では、このサービスのビジネスモデルを図解してみます。

みんなのウェディングのビジネスモデル

みんなのウェディングのビジネスモデル図解
サービス開始は2008年、当時はほとんどなかった「結婚式の口コミ」をフックに徐々にユーザーからの支持を集め(最初は結婚式場からの反対も多かったようですが…)、ウェブサイトの圧倒的なコンテンツ量を武器にゼクシィに次ぐ規模の結婚式場情報サービスとして成長してきました。

ゼクシィ登場以降は特に、新郎新婦が結婚式場を探すときは会場が提供する情報が掲載された広告を見るか、直接の知人や友人の情報に頼るしか方法がなかったため、一生に一度のことで失敗したくはない意思決定ハードルの高い商材の割には、比較検討に十分な情報が出回っていない状態でした。

一方、新郎新婦は基本的にリピートしない、ゲストとしても比較できるほどの回数列席する機会がない、などの理由で「口コミ」を集めることも難しく、新郎新婦は表に出ているわずかな情報と見学したときの直感を頼りに結婚式場を決めていたと言え、十分に比較検討して式場を選びたいというニーズに応えられているわけではありませんでした。

そこでみんなのウェディングは、このブライダル業界の情報の非対称性を埋めるべく、結婚式場のデータを登録しユーザーからの口コミの募集を開始、サービス開始当初はそのユーザーの口コミに対しての返答などが出来る企業アカウントの使用料をもうら形で売上を立てる方式でサービスを開始しました。立ち上げ直後の頃は本音の口コミが集まるサイトなのでマイナスの口コミが書かれることも多く、結婚式場からのクレームや削除依頼なども多かったようですが、徐々にユーザーの信頼を得てサービスが成長していくにつれ、ゼクシィに次ぐ(といっても大きな差はありますが…)媒体として確固たる地位を築いていきました。

2010年代は結婚式場からの広告掲載モデルが中心で、掲載6,000以上の会場のうち、1,257会場が有料掲載となっていました。

しかし、2010年代後半は売上も微減傾向が続き、親会社の変更などもあり、最近ではプロデュースへの展開(旧アールキューブ:会費婚)や式場向けDX支援など、メディア以外のところに注力しているように見えます。

 

今後の展開の予想

最後に、これから先にみんなのウェディングがどのようになっていくのかについて予想してみます。

メディアとしての今後

結婚式場情報サイトの事業領域はすでに成熟しており、ゼクシィが圧倒的1位でそれ以下の序列もすでにだいたい決まっていますので、その中で今後どうやって伸ばしていくかを考えなければいけません。

みんなのウェディングの現在の売上モデルは基本的にサイト掲載は広告課金型なので、売上を伸ばしていくためには

  • サイト経由での送客数を伸ばすためのメディアパワーの向上が必要
  • サイト上でCVの発生しやすい商品開発力と、それを売る法人営業力が必要

となるはずです。

メディアパワーを増やすためには、SEO、SNS、広告運用の最適化などの手段を徹底的に突き詰めていくのが基本戦術となりますが、サイト形態がCGM(Consumer Generated Media:ユーザー投稿型でコンテンツが自動生成されていくメディア)ですでにかなりのキーワード面を抑えているので、今以上にSEOで成長していく余地は難しいかもしれません。特にテールワードは難しいでしょう。テクニカルな内部対策を施すことでエリア系キーワードを強くする余地はありそうですが、口コミや費用系ワードはすでにほとんどが1位~3位なので、上積みは難しいかもしれません。

一方、商品開発と法人営業はまだ改善の余地はありそうな気がします。おそらく自然検索→ユーザー投稿型コンテンツにランディングするユーザーの割合が多いので、この経路で来訪したユーザーがサイト内を回遊するようにサイト内のUI改善をし足りするのは効果ありそうです。

また、マクロなトレンドでも見てみると「口コミの重要性の変化」についても考えていく必要がありそうです。例えば飲食業界では食べログ一強からRettyが登場して成長してきているように、誰が書いたかわからない信ぴょう性の低い匿名の口コミはあまり重要視されず(食べログ)、実名の口コミ(Rettyへ)を重視する傾向に徐々に変わってきています。

ブライダル業界で言えば匿名の口コミより、先輩花嫁の実際のウェディングレポート(ただし、結婚式場側が加工編集したものではなく、いいものも悪いものもふくむ生のレポート)などが重要視されていくと思います。これは特定のプラットフォームが必要になるという話ではなく、Instagramやtwitterでも自然発生的にたくさん起こっており、今後もこの流れは加速していくものと思います。

このようなトレンドの変化に対して、みんなのウェディングがどのような手を打つのか気になるところですね。個人的にはもっとうまく伸びていってほしいなぁとは思うのですが…。

メディア以外の戦略

媒体、プロデュース、ドレスを同じ会社の事業として持っているので、今後はこの垂直統合を活かしたビジネスを展開するのではないかなと予想しています。

ただ露骨にやると現在みんなのウェディングに有料掲載している式場から苦情が来そうなので具体的な内容は予想できないですが、集客からアイテムまでを一貫して持っている会社は今の業界ではほかにないので今後の展開が楽しみです。

 

みんなのウェディングのビジネスモデルについてまとめ

みんなのウェディングのビジネスモデルについて、簡単にまとめました。サイトパワーという点ではすでに業界1位(ゼクシィも超えているんじゃないでしょうか?)まで来ているので、ここからさらに伸ばすのは正直難しいでしょう。このリソースを活かして別のマネタイズポイントを作るのか、他の事業への展開を考えるのかなど、今後業界全体にどんなインパクトをもたらしてくれるのでしょうか。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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