更新日 2021年10月17日

IWAI OMOTESANDOの特徴とは?ビジネスモデルを図解してみた

152_IWAI OMOTESANDOのビジネスモデル図解

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

事業のビジネスモデルを理解することは、その事業やサービスがなぜつくられたのか、どんなことを強みとしているのかを体系的に理解でき、事業開発などの実務だけでなく個人の知識習得としてもとても勉強になります。ブライダル業界の中でも様々な特徴的なサービスがあり、その仕組みや違いを知ることで見えてくることも多いと思います。

今回はIWAI OMOTESANDOのビジネスモデルを図解してみました。

 

IWAI OMOTESANDOとは?

株式会社CRAZYが運営する、ゲストが本当にお祝いできる結婚式を提供する結婚式場です。

これまでの「二人中心」の披露宴スタイルから、共に時間を楽しむ「ゲスト中心」の設計へ。本当に二人とゲストが望むオーダーメイドの結婚式を、日本で最も多く手がけてきたCRAZYが、ゲストを中心にデザインした新しい結婚式を提供するサービスです。

iwaiomotesando
Webサイト https://www.crazy.co.jp/iwai-omotesando/
運営会社 株式会社CRAZY

では、このサービスのビジネスモデルを図解してみます。

 

IWAI OMOTESANDOのビジネスモデル

IWAIMOTESANDOビジネスモデル図解
2019年2月完成のIWAI OMOTESANDO。CRAZY WEDDINGを手掛けてきたCRAZYが出店する結婚式場ということで、開業前から業界でも話題になっていました。

結婚式の主役は新郎新婦でゲストがそろって二人を祝福する、と考えるのが一般的で、進行や演出・余興もある程度テンプレート化しています。ゲストは着席していなければならない時間が長く、新郎新婦とも自由に話すことができない。また、主賓の挨拶は長く、形式的に運ばれてくる料理を淡々と食べる。このようにこれまで当たり前とされてきたこのスタイルへの疑問にひとつひとつ向き合うことで、大切なゲストに喜んでもらうことをコンセプトにした会場です。

IWAI OMOTESANDOは、①新郎新婦二人とゲストが触れ合える空間設計、②作業を思い切って無くした意味のあるプロセス、この2つの方法を取り入れ、これまでの当たり前だと思われていた結婚式とは違う、ゲストが本当にお祝いできる結婚式を提供できるようにしました。

これまで運営してきたCRAZY WEDDINGほどの個性やオリジナリティは求めていないが、一般的なパッケージ型の結婚式はやりたくない、というユーザー層がターゲットのサービスなので、一般的な結婚式場探し層とCRAZY WEDDINGの中間?を狙いに行ったサービスだと思います。

ただ最近ではIWAI層とでもいいましょうか、ここで挙げたいという指名=ブランドで選ばれることが多いんじゃないのかなぁと思います。

 

今後の展開の予想

最後に、これから先にIWAI OMOTESANDOがどのようになっていくのかについて予想してみます。

これまでの常識のとらわれず「今の結婚式ってほんとにこれでいいんだっけ?」という流れは今後も続くと思います。CRAZYに限らず、様々なブライダル企業がこのトレンドに対してサービス開発を進めていると思いますので、その中でどうやって生き残っていくかが重要になります。

一方、IWAI OMOTESANDOのビジネスモデル、KPIは通常の結婚式場運営と変わりませんから、

  • 売上=施行組数×組単価
  • 施行組数=集客数×成約率

となります。つまり、売上を伸ばすためには施行組数を増やすか、組単価を上げることが必要、施行組数を伸ばすためには集客数か成約率を伸ばすことが必要です。

個人的には「集客数をどこまで伸ばせるか」がポイントになると思いますが、ゼクシィへの出稿はしていないなど独自の集客路線を実行していますね。

  • SEOを意識して作られたサイトではない(コンテンツが少ない)
  • SNSアカウントはあるが、CRAZY WEDDINGが伸びてきた時とは時代も違うし同じようにアカウントを成長させるのも難しい
  • 会場単体でウェブ広告で集客しきるのは難しいしCPA合わないと思う

このように、自然検索を獲得できない、SNSで強烈に獲得するのも難しい、ウェブ広告も獲得数は上限がある、客観的にはこのように見えます。

ただ、広報力やブランディングが強い会社ですし、ウエディングパークなどのクチコミサイトで上位表示もされているので、もしかしたらビジネス的にもこれまでの常識では考えられないような集客を実現しているかもしれないです。

既存のブライダル媒体はコンセプト押しではなく、「ハード」と「価格」の二軸でユーザーの検索性が高く作られているので、IWAI OMOTESANDOのような会場は正直目立ちにくいんと思うんですよね。なので、どこまで自力で集客できるかがポイントになるわけですが、開業から年数がたつにつれて知名度と人気が高まってきているように見えるので(実際はわかりませんが)、ほんとにすごい式場だなぁと思います。

 

IWAI OMOTESANDOのビジネスモデルについてまとめ

ビジネスモデル自体は通常の結婚式場の運営事業をほとんど変わらないので、このコンセプトでどこまで勝負できるのか楽しみです。将来的にはこのような会場が増え、「コンセプトから会場を選ぶのが普通だよね」と変わっていくくらいのインパクトを業界全体に与えてくれるといいな、とは思っています。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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