アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
私が思いついた新規事業のアイディアを企画っぽくまとめてみよう、という趣旨の記事です。第6回の今回は、ウェディング特化のクラウドファンディング「WEDDING FOR」を企画してみました。はじめに、この企画はCAMPFIREから着想を得ています、ネーミングはready forっぽいですが…、fireのところがどうしても文字れず…。先日、CAMPFIREの中で結婚式のプロジェクトがあったので(終了しています)、そんなきっかけで書いてみました。(※この記事は実在するサービスではありません)。
目次
事業企画の概要・ビジネスモデル
ビジネスモデル図解
いつものように「ビジネスモデル2.0図鑑」を参考にして作成してみました。
サービス利用の流れ
- 新郎新婦がサービス会員登録
- 新郎新婦がプロジェクトを企画
- ゲスト(知人友人)にプロジェクトをシェア
- プロジェクトを支援
- 引落し
- 新郎新婦から支援者(ゲスト)へお礼
結婚式と考えたときに支援者という表現方法が微妙ですが、基本的な流れはこのような感じになります。
収益化の方法(お金の流れ)
売上は支援金の手数料で、ゲストから新郎新婦に支援したお金の数%が売上になります。ざっと、サービスの概要としてはこんな感じです。
このサービスが解決できる課題
新郎新婦の課題
ご祝儀で3万円という高額をもらうのが申し訳ないのでゲストに声をかけにくい・呼びにくい、でも人数が少ないと見積りの中の固定費率(会場費やドレスなど人数に関係ないアイテム)が高くなるので自己負担金が増える、という問題があります。
結婚式場探しを始めて実際に見積りを見るくらいのフェーズになると顕在化してくることが多いようです。
こういった課題に対し、WEDDING FORを利用すれば
- 結婚式に列席しない方からも支援を受けることができる
- 結婚式に列席するゲスト1人当たりの負担を抑えることができる
というメリットがあります(ただし支援者が集まる方という前提)。
ゲスト側の課題
結婚式にお呼ばれして列席すると平均3万円のご祝儀に加え衣装や美容も必要でお金がかかりすぎる問題、遠方や子供の都合などで、お祝いしたいけど列席できない問題もあります。
こういった課題に対し、WEDDING FORを利用すれば
- 1人当たりのご祝儀額が今より少なくなる
- 遠方に住んでいるなど列席できなくても二人をお祝いできる
というメリットがあります。
WEDDING FORの特徴・競合・差別化要素
ユーザーにとってのサービスの特徴をざっと挙げると以下の通りです。
- 経済的な理由で結婚式をあきらめていた人ができるようになる
- 支援してくれた人に様々な形でお返しをすることができる
また、一方ネガティブな要素として、以下のようなデメリットもあります。
- 支援が集まるとは限らない
- 支援があれば仮に目標に達さなくても実行しないといけない(その場合の自己負担が大きくなる)
競合は、既存のクラウドファンディングでも同様にできるのでそのあたりかなと。
事業のKPI・スケールさせるのに必要な施策
事業KPI
- 利益=売上-コスト
- 売上=総支援額×手数料率
- 総支援額=プロジェクト数×支援単価
- プロジェクト数=登録者数×企画率
- コスト=人件費+広告費+開発費+その他固定費
ざっとこのようなロジックで表すことができます。
成長させるために必要な施策
この事業を成長させるためには、それぞれのKPIを伸ばしていくための施策を実行していくことが必要です。
「登録者数」を伸ばすための施策
基本導線はサイト来訪→アカウント登録、CRM施策でつなぎとめ、となるはずなので、基本戦術はサイト来訪者数を伸ばすための正しいサイト設計、流入施策の企画実行、サイト内UI/UXの継続的改善、となります。
ただ、日本国内ではまだ認知度が高いとは言えない市場ですしニーズも顕在化していないので、初速はかなり苦労すると思います。サイト来訪はしても、そもそも何のサービスかわからないからです。なので最初はインフルエンサーを活用したりキャンペーンモデルを擁立したりなどマスを意識した施策も必要になると思います。
「プロジェクト開催率」を伸ばすための施策
使いやすい・わかりやすいサイト設計、事例、失敗(目標支援額に届かなかった場合)のリスクヘッジの方法、など。
「支援単価」を伸ばすための施策
支援者の事業理解と支援しやすい、使いやすい工夫が必要です。
施策まとめ
- 登録者数を増やすためのマーケティング
- プロジェクト開催率を伸ばすためのプロダクト開発
上記2つの施策を並行して実行していくことが重要になります。
事業リスク・詳細検討が必要な項目
WEDDING FOR事業を立ち上げ、拡大していくにあたり想定されるリスクとそれに対する打ち手も考えておきます。
①新郎新婦が誰も使わない
結婚式費用をクラウドファンディングで集める、という発想の新郎新婦は今はほとんどいないでしょう。というより、クラウドファンディング自体の市場の規模もアメリカなどと比べるはるかに小さく、拡大スピードも遅いのが現状です。また、仕組みが理解されていても、なぜか日本だと「人から容易にお金をもらうなんてけしからん」的な風潮もあり、プロジェクトを企画すると謎に叩かれることもあります。
そういった背景から、なかなか新郎新婦が集まらない、使用されない、ということが起こる可能性はあると思います。なので、もしこの企画がいいと思っても、クラウドファンディング自体の認知度や理解が進んでから始めたほうがいいかもしれません。
②支援者が集まらない
次に、プロジェクトが立ち上がっても支援者からの支援がないとプロジェクト(結婚式)が開催されないですし、ひいては売上も獲得できません。
- 思いのほか人の結婚を祝う人が少なく支援しない
- ご祝儀と違って「お金渡さなきゃ」と強制されないから支援する人が少ない
- そもそもクラウドファンディングが嫌いな人が多い
などの理由で、おめでとうは言うけど支援はしない、という人が一定割合でいると思います。また、そもそもクラウドファンディングで支援したことがない人がほとんどなので、やり方がわからない、何となく怖い、という人もいるでしょう(特に年齢の高い層)。
これもやはりクラウドファンディングそのものの認知度や利用率が上がってから、というのが最適な気がします。
起こりそうなリスクまとめ
新郎新婦が集められない、支援者が集まらない、いずれもそれなりの確率が起こりそうです。ここまで企画を書いておいてなんですが、もう少し市場が出来上がってきて、結婚式以外でもクラウドファンディングを体験したことのある人が増えてくると、少しずつ機は熟してくるのかなと思います。
「WEDDING FOR」の事業企画のまとめ
以上、新規事業企画をしてみました。事業計画は信ぴょう性がないうえに作るの大変なので載せないことにしています。
今回の企画は、ブライダルの一般的なビジネスモデルとは全く異なりますが、サービスとしてはすでにあるものをブライダルに特化させてみるという発想なので、クラウドファンディング自体の市場が出来上がる→大手サービスと比較して特化型のメリット(差別化要素)を構築する、この2つの条件が合えば、うまく新しい市場を開拓することができると思います。
ただ、そもそもこのモデルで利益を上げられている会社がまだなく(勉強不足だったらすみません)そんなに儲からないとは思います。。