アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
最近はリスティング広告を出稿している結婚式場も多くなってきましたが、インハウスでの運用/代理店に依頼している、など運用方法問わずなかなか最適な結果に結びつけるのは難しく、精度高く運用できているところは多くないかもしれません。
今回の記事では、結婚式場集客でリスティング広告を出稿する場合にどんなポイントを意識して運用すればいいのかを解説します。概論というよりは具体的な運用についての記事になります。
目次
リスティング広告とは?
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーがあるキーワードで検索した時に、その検索結果に連動して表示される広告の事です。
この記事では広告の概要についての詳細は割愛しますが、リスティング広告で成果を上げるためには次の5つがポイントになります。
- どんなキーワードに広告を出稿するか
- 配信ターゲットをどのように設定するか(検索地域、年齢、性別、過去のサイト来訪の有無、など)
- どのようなタイトル・広告文を設定するか
- 入札単価をいくらに設定するか
- クリック後の遷移先をどこに設定するか
細かい運用レベルの話では、キャンペーン構成をどうするかとかGoogleの機械学習機能を最大限活用するための入札方法をどうするかとかアトリビューションを取り入れるかとか他にもポイントはたくさんありますが、基本的なところだと上記の5つのポイントをしっかり押さえることがまず重要と言えるでしょう。
ポイント①:キーワードの選定
- ビッグワード:結婚式,結婚式場,ウェディング,ブライダル
- エリア:東京,大阪,表参道,横浜
- 挙式スタイル:人前式,神前式,教会式,キリスト教式,仏前式
- 施行スタイル:リゾート,海外,1.5次会,少人数,家族のみ,親族のみ
- 会場タイプ:教会,チャペル,レストラン,ホテル,ゲストハウス,神社
- 顧客ステータス:マタニティ,再婚,国際結婚,子連れ
- ブランド:ゼクシィ,スマ婚,楽婚,クレイジーウエディング
- アイテム:ウエディングドレス,ケーキ,和装,ソング,フォト
- 低価格ニーズ:安く,格安,お得,節約,コスパ
- 予算:費用,お金,相場,価格,金額
- コンセプト:コンセプト,自由,オリジナル,カジュアル
- ハウツー:評判,評価,クチコミ,体験
これらはあくまで一例ですが、ビッグワード×その他のカテゴリワード(例えば、「東京 結婚式場」や「レストラン ウェディング」、「マタニティ ウェディング 表参道」など)で組み合わせて、キーワードリストを作り、ユーザーの検索意図と自社会場で提供できる結婚式やサービスの相性を見て、取捨選択をしていく、という流れでキーワードを絞っていきます。
絞るときのポイントは「とにかくニーズが顕在化しているキーワードのみに絞る」ことです。例えば先ほどカテゴライズしたキーワード群の中で顕在化していると思うのは、次の4つで今まさに式場探しをしている人が検索してると想定されます。
- エリア
- 施行スタイル
- ステータス
- 低価格
エリアワードであれば、地域にもよりますが都道府県単位だと広すぎるので自社会場の商圏をあらわす単語を設定しましょう。
施行スタイルは、エリアと組み合わせて使うといいと思います。「少人数 結婚式 表参道」などですね。
ステータスは、それに見合ったプランが用意できていることが前提ですが、こちらもエリアと組み合わせて「マタニティウエディング 表参道」などです。
最後の低価格も、相対的にユーザーが満足する価格のプランを提供できるか次第ですが、「表参道 低価格 結婚式」などで勝負できそうならありかなと思います。
ポイント②:ターゲティング
年齢
結婚式を検討する顧客層のボリュームとしては、「25~34 歳」>>>「35~44 歳」>「18~24 歳」|広告配信はここまで|「45~54 歳」、「55~64 歳」、「65 歳以上」は配信除外、と言った感じでしょうか。
予算が限られている場合は「25~34 歳」のみ、多少余裕があるなら「35~44 歳」、「18~24 歳」まで広げてもいいかな、くらいです。ただ、ゲストハウスとホテルでは会場によってターゲットとしている年齢層は異なるので、これまで来店実績のある年齢層データをもとにこちらと異なるようならそちらを優先して設定しましょう。
性別
結婚式場探しの検索をする方は圧倒的に女性の方が多いので、ひとまず女性に絞って配信して特に問題はないかと思います。
地域
これまで自社会場に来店した実績のあるお客様の居住地データをもとに、自社会場の商圏を確認し、可能性のある地域を2段階~3段階くらいに分けて、予算に応じて柔軟に設定できるように準備しておくといいと思います。
リターゲティング(リマーケティング)
検索広告でもリマーケティングは可能です(RLSAと呼びますので、興味ある方は詳しく調べてみてください)。リスティング広告に使える予算次第ですが、潤沢にあるわけではないのであればリマーケティング(リターゲティング)広告に設定する方が確度は高いと思います。
ただし、リマーケティング広告に配信設定する場合、そもそものサイト来訪者数が少なすぎると配信対象が非常に限られてしまうので、月間のサイト来訪者数があまりにも少ない場合はRLSAだけではなく、通常のターゲティングでも広告配信するようにした方がいいでしょう。
ポイント③:タイトルと広告文
リスティング広告におけるタイトルと広告文の役割は非常に重要で、広告文一つで、広告のクリック率や、誘導後のランディングページ内でのコンバージョン率が大きく変わってきます。
- 広告文にキーワードを含めて目立たせる
- ユーザーが検索しているキーワードを取り入れる
- 他社に負けない、違いがわかる広告文を作成する
- 文中に数字を入れて具体的に訴求する
- ユーザーが直感的にメリットを理解できる広告文を考える
これらを意識して少なくとも3つ以上の広告文を作成し、実際に運用する中でクリック率やCVR、品質スコアなどを見ながらテストを繰り返しましょう。
ポイント④:入札単価
広告を表示させるために必要な入札単価は異なります。これはリスティング広告が入札制で行われているため、他社がより高い金額を入札してくるとその金額を上回る金額で入札しないと表示されなくなるためです。例えばブライダル業界だと、「ブライダルフェア」というキーワードで広告を表示するためには2,000円以上が必要で、「結婚式場 東京」だと700円程度です。
以前のリスティング広告運用では、キーワードごとに入札単価を調整していましたが、最近の出稿では目標CPAを設定して自動配信が最適な結果となることがほとんどなので、特殊な事情がない限りスマート自動入札を設定するでよいと思います。
ポイント⑤:ランディングページ
ランディングページは会場HPのトップに設定するか、専用のLPに設定するかの2択ですが、個人的には後者をオススメします。
結婚式場のリスティング広告を見ると会場HPのトップへ遷移させているものが多いと思うのですが、会場HPは情報量も多くコンバージョンまでの導線が直線的ではないので、どうしてもCVRが下がってしまいます。
また配信設定でRLSAを強化している場合、広告をクリックするユーザーの多くは一度以上サイトに来訪したことがあるので、もう一度トップに遷移させる必要性も低いかなというのも理由です。
また、LPと言ってもドメインは会場HPと同じドメインでOKで、フォーム以外の他ディレクトリへのリンクを排除した専用LPをできればキーワード群(キャンペーン毎とが理想)ごとに用意できるといいでしょう。
ポイント⑥:CV計測
補足で計測方法についても書いておきます。
近年CVまでの導線が複雑化・多層化しているのでGoogleはアトリビューションを推奨していますし、Google Adsの管理画面内のコンバージョン計測もアトリビューションに設定することもできるので、そのほうがいいと思います。ラストクリック計測だと結果がかなり偏ると思います。
結婚式場のリスティング広告運用のコツまとめ
リスティング広告はメジャーなウェブマーケティングの手法の1つですが、まだうまく活用しきれている結婚式場は多くないと思います。一番もったいないと思うのは、しっかりと準備をせずに何となく始めて、成果が出ずに中止→リスティング広告は効果がない!という社内理解をされてしまうことです。
しっかり企画して、準備をして、運用まできちんと回せば成果をだせる可能性は多分にある集客手法だと思うので、ぜひもう一度、検討してみてはいかがでしょうか。
弊社のコンサルティングでもリスティング広告の運用代行を提供しておりますので、お気軽にご相談ください。
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