アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
結婚式の多様化が進むとブライダル業界だと何が起こるのかを考えてみます。
ブライダル業界で進む多様化
このようにブライダル業界で多様化が進んでおり、結婚式そのものに限らず働き方も様々なスタイルで仕事をされる方が増えています。
これまでは上図(1)のような正社員で雇用されて働くことがほとんどでしたが、フリーランス、副業、複業、など多くの働き方で業界に従事されている方が増えています。
さらに、ブライダルに限らず社会一般でも様々な多様化は進んでいますね。
- 価値観の多様化
- 人材の多様化(ダイバーシティ)
- ライフスタイルの多様化
など。これまでは常識外れだとされていたこと/ものであっても、お互いを認めよう、個性を認めよう・伸ばそう、という流れは進んでいると言えます。
そもそも多様化とは?
僕もよく使いますが、そもそも多様化とは何なのか?
・多様化=様式や傾向などが多くの種類に分かれること
ブライダル業界の方に分かりやすく書くならこのような例がイメージが付きやすいと思います。
結婚したら挙式・披露宴を行うことが当たり前だった時代と比較して、今では挙げないことも含めて選択肢はかなり広がってきていると言えまマジョリティではない選択をする=マイノリティ、とすると、その割合は増えてますよね。
ただ、今では当たり前の選択肢もその誕生から今に至る過程では多くの苦労があったと思います。
僕はそこまでブライダル業界歴が長くないので実体験としてはほぼないのですが、ゲストハウス大手のT&G、オリジナルウェディング領域のCRAZY WEDDING、価格破壊と言われたスマ婚などの創業期~黎明期は顧客やゲストだけでなく、業界内からの風当たりも強く相当の困難があったことは想像に難くありません。
こういった様々な企業や人たちの努力と成果があり今では様々な選択肢が生まれ、これまでは実現しなかった細かなニーズにもこたえられるようになってきたことはとても素晴らしいことだと思っています。
そして昨今のトレンドから考えるに、今後はさらに多様化が進んでいくのではないかなと思います。
多様化が進むとマイノリティが増える
ただそれと同時に、これまではあまり表面化してこなかったことについても考える必要があるとも思うのです。
当たり前なんですが、多様化が進む=選択肢が増える、となると少数派の選択となる人の割合が増えます。
マジョリティ⇔マイノリティの線引きをどこでするのかについては諸説議論はあるものの、周りに同じことをしている人が少ない選択を取る人が増えることをなります。
で、マジョリティではない選択をするのってかなり心理的な負荷がかかるんですよね。誰もやったことがない、同じことをやっている人がいない、事例が見つからない、やったことがないからわからない。
多様化が進む=選択肢の自由に無数にある=選んで決めなければいけない
この「決める」というのが大変なわけです。
情報を探すこと、考えること、比較することはそんなに大変ではありません。時間があればなんとかできることが多いです。決めることが一番大変です。
決まっているものの中から選ぶ方が楽なんですよ。
つまり何が言いたいかというと、
「マイノリティが増える=(前例がない、少ないことに)不安を感じる人が増える=その不安を解消できるようになるだけの安心感を与えることが必要になるだろう」
ってことです。
ブライダルで多様化が進むと何が起こる?
●対顧客サービス
いろんな業態、スキーム、特徴のサービスが無数に存在することになると思います。
今までは「どの会場がいいか」の比較・選択でよかったものが、会場/スタイル/アイテム・プランナー/クリエイターを選べるように変わっていきます。
自由になった反面、どう決めていいのか、何が自分たちの理想に近いのかわからなくなる人も増えそう。というか、現に僕でもわからないサービスが山ほどあるので、結婚式はじめましての方が正確に情報収集して比較検討するのは無理だと思います。
となると、相対的な比較を訴求することは意味をなさなくなりそうで、「あの会場よりうちの方が素敵だよ!」と言っても、そもそも会場から決める以外の選択肢が出てくるので、あんま意味ないよね、と。
もちろん完全にそうなるにはまだ時間はかかると思うのだけど、絶対的な価値というか「これが実現させるのが私たちのサービス(会場)です!」というのを訴求する訓練は今からしておいた方がいいと思います。
●対従事者
いろんな働き方が存在することになると思います。
今までは「どの会社がいいか」の比較・選択でよかったものが、雇用形態/労働時間/労働条件/環境/スタイルを選べるように変わっていきます。
自由になった反面、現在~今後の自分のライフスタイルにとって何が最適なのかわからなくなる人も増えそう。自分も起業したときはかなりマイノリティな選択をしたと思っていたけど、今ではフリーランスの方も副業の方もかなり数多くいる。
となると、これまでのような新卒採用たくさん&中途経験者採用で自社でリソースを揃えようとするのではなく、様々な形態で従事してもらう方法を社として用意しておいた方がよいと思います。
またそれと同時に働き手側も、「正社員じゃないと何となく不安」という漠然とした不安から動き出せないことで、様々な機会(チャンス)を逃してしまう可能性が高くなっていることを認識し、いつでも動き出せる準備というか、自信のキャリアの棚卸しと今後について考えておくといいんじゃないかなと思います。
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最後に、このようにいつ自分が前例のない(前例の少ない)選択を取ることになるのか、という時代において、どんな心構えが必要になるのかについて書きます。
必要なのは勇気ではなく覚悟
これは僕が好きな言葉です。
多様化が進む時代ではこれまでの常識だけでは通用しないし、これまでは考えられなかったこともどんどん受け入れられるようになっていく。だから、チャレンジ・挑戦はどんどんしたらいい。
ただ、本当に必要なのは挑戦する勇気ではなく、どんな結果になったとしても受け入れる覚悟だと思うんです。
- これまでは「普通」ではなかった結婚式の提案をする
- これまでは「普通」ではなかった働き方をする
- これまでは「普通」ではなかったビジネスモデルの事業を立ち上げる
どれも挑戦です、勇気を出せば誰でもできる。
でも、その提案でお客様から失望される、その働き方でうまくいかない、その事業が伸びない、など思い通りにいかないこともあります。
もしそうなったとしても自分の信じた道を進めるか、結果を受け止められるか。
その覚悟を持てるかどうかが大事。
この記事が、もう一歩踏み込んで覚悟を持てるまで考えるきっかけになってくれたらうれしいです。
今回のまとめ
同じような働き方をされている方やウェディングの事例をあまり聞いたことがないので何となく不安なんです、といった話をここ最近聞くことが多かったので今回はこんなテーマで書いてみました。
自分が信じることならその選択がマジョリティじゃなくても覚悟を持って挑戦すること。
今回書きたかったのはこれです。
いろんな選択肢が増えるこれからの時代、これまでの常識縛られることなく、多すぎる選択肢に溺れることなく、自分の意思を持てる方がブライダル業界で1人でも増えるといいなと思ってます。