アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
●●婚や〇〇ウェディングなどのサービスが増えてきており、それぞれがどんなサービスでどういうモデルで運営されているのか、パッと見て判断することが難しいことが多いです。
今回のブライダル業界の主な事業者・サービスを整理してまとめてみました。
目次
ブライダル業界の主な事業者・サービス
ブライダル業界には様々な事業者・サービスがありますが、大まかには以下の4つに分類できます。
- ブライダル媒体
- ウェディングプロデュースサービス
- それ以外の集客サービス
- 結婚式場運営者
今回の記事では、1~3.のサービスについて、新郎新婦と結婚式場の間でどのような役割をしているのか、マネタイズポイントはどこかなどについてまとめていきます。
ブライダル媒体の事業者・サービスと特徴
ブライダル媒体の事業者・サービス一覧
- ゼクシィ
- みんなのウェディング
- ウエディングパーク
- ハナユメ
- マイナビウエディング
- ぐるなびウェディング
上記以外にも、地方特化の媒体などはたくさんありますが、ここでは一部の紹介です。
ビジネスモデル概要
- 【ターゲット:緑のところ】結婚式場を探している新郎新婦
- 【差別化ポイント①:水色】新郎新婦がこの媒体で結婚式場を探すとどんなメリットがあるか。
例えば、みんなのウェディング・ウエディングパークなら口コミや先輩花嫁の見積りが見られることがメリット、ハナユメならハナユメ割でお得になることがメリット、マイナビウエディングならなら来館キャンペーンでインセンティブがもらえることがメリット、ゼクシィなら大手の安心感があることがメリット、などです。 - 【差別化ポイント②:青】媒体別の掲載会場数の概算は、みんなのウェディング・ウエディングパークは6,000会場以上(ただしすべてが有料掲載ではない)、ゼクシィは3,000会場、マイナビウエディングは1,500会場、ハナユメは600会場ほどです。掲載会場数が多いほどユーザーは選べる選択肢が広がるのでメリットが大きくなりますが、逆に多すぎると探しにくいのでサイトの使いやすさや検索性が重要になります。また、SEOではコンテンツが増えるので会場が多い方が強くなります。
- 【マネタイズポイント:オレンジ】結婚式場から支払われる広告掲載費が売上になります。基本的に、ウェブ媒体や雑誌は出稿量に応じて月額固定での広告費方式、エージェントは成約・来館ごとに成果報酬形式が多いです。
結婚式場で働く人がブライダル媒体について知っておきたいこと
ポイントを簡単にまとめると以下のような感じです。
- 媒体別の規模はゼクシィが圧倒的に強い(売上ベース)が、ネット上のセッション数や流入数だとみんなのウェディングやウエディングパークの方が実は多い。ゼクシィの影響力は年々落ちてきているらしい。
- 媒体ごとのユーザー属性は大手系媒体は実際のところほとんど差がない(と思う)。
- 出稿している場合は、媒体別の獲得来館数と費用対効果を見ることは必須。もし見られないなら数値を取得できるように環境を改善する。
ウェディングプロデュースのサービス・事業者と特徴
ウェディングプロデュースのプレーヤー一覧
▼オリジナル系プロデュースサービス
- CRAZY WEDDING
- HAKU
▼格安系プロデュースサービス
- スマ婚
- 楽婚
- 得ナビウェディング
- 会費婚
▼少人数系プロデュースサービス
- 家族挙式
- ルクリアモーレ
- 小さな結婚式
▼1.5次会、2次会系プロデュースサービス
- モーウェディング
- ネオフラッグ
- エモーショナル・パーティー
プロデュースサービスに明確なカテゴリがあるわけではないですが、スマ婚とCRAZY WEDDINGを並列で書くことに違和感があったので、簡単に小カテゴリを作りました。フリープランナーや個人で受けているプロデュースサービスまで含めるともっとたくさんあると思います(wecoなどにたくさん載っていますので、興味ある方はご覧ください)
ウェディングプロデュースのビジネスモデル概要
- 【ターゲット:緑】結婚式を検討している新郎新婦。会費婚などゲストにもメリットのあるプロデュースもあるので、その場合は間接的にゲストも含むことになります。
- 【差別化ポイント①:水色】大きく分けると「低価格系」と「オリジナル系」の2つがあります。低価格系だと、スマ婚や楽婚、得ナビウェディングなどがあり、オリジナル系だとCRAZY WEDDINGやHAKUなどが代表的でしょうか。この特徴が尖っていて、かつユーザーにニーズがあり、さらに他社が真似しにくいほど、特徴が強くより強いサービスといえます。
- 【差別化ポイント②:青】オリジナル系のウエディングプロデュースを希望する新郎新婦は、「結婚式場から探す」という方法に少なからず疑問を持っているので、そこまで重要なポイントではないと思いますが、それでもどのような場所でのプロデュース可能かは成約率に影響を与えるでしょう。また、低価格系であれば提携会場数は重要な差別化ポイントの1つとなりますし、会場以外にもドレスブランド数やアイテムの提案ブランドなども含みます。ちなみに多くのプロデュースは「アイテムの持ち込みが自由」ですが、これは自社で特定のブランドを持っていないことの裏返しでそう言っているだけですからね。
- 【マネタイズポイント:オレンジ】新郎新婦から支払われる結婚式費用。総額をプロデュース会社が受け取って会場使用料や仕入れ費用をパートナーに支払うスキームが多いですが、プロデュース会社がプロデュースフィーをもらってアイテムや会場使用料は新郎新婦が直接支払うスキームの場合もあります。
結婚式場で働く人がウェディングプロデュースについて知っておきたいこと
ポイントを簡単にまとめると以下のような感じです。
1つ目はプロデュースサービスと提携を検討する場合です。オリジナル系のプロデュースの場合はあまり提携を検討することはないですが、スマ婚や楽婚、得ナビウェディングなど低価格系のサービスとの提携は検討する機会も多いでしょう。その時の検討ポイントは、歩率(1施行を行ったときの結婚式場側の取り分の比率)、プロデュース本体の集客力(送客期待値)、施行を受け入れたときの自社のオペレーション負荷の大きさ、です。これを加味したうえで提携するかどうかを検討するといいでしょう。
2つ目はプロデュースサービスと競合した場合です。正直なところ、新郎新婦の属性が大きく異なるので結婚式場とプロデュースで直接的な競合関係になることは多くないでしょう。ただ、もし当たったときは、ちゃんと説明するならここで書いたようなビジネスモデルの違いがあることから説明したほうがいいと思います。
3つ目はプロデュースと提携している場合、新郎新婦がプロデュースの結婚式を自社会場の結婚式だと思って口コミサイトに書いてしまうケースがかなりの頻度で起こりうることは知っておくべきです。例えば、スマ婚プロデュースの結婚式をA迎賓館で挙げた場合に、A迎賓館の口コミとしてみんなのウェディングに書いてしまう、というケースですね。間違いではないんですが、もし口コミ書かれた場合は早急に対応すべきですし、そうでなければどこかのタイミングで新郎新婦に伝えられるオペレーションが組めるといいですね。
その他の集客系サービス
ここから先は簡単に紹介していきます。
診断系サービス:プラコレwedding
- ターゲット:結婚式を検討している新郎新婦全般
- 差別化ポイント:ウェディング診断を受けると、世界に1つだけのウェディングプランがプランナーから届く。結婚式場からではなくプランナー(もっというとプラン提案)から選ぶことができることがメリット
- マネタイズポイント:結婚式場からの広告宣伝費(または成果報酬)
プラコレweddingについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
オンライン結婚準備サービス:トキハナ(旧Choole)
- ターゲット:結婚式を検討している新郎新婦全般
- 差別化ポイント:一般的には式場を決める→ほぼ自動的にアイテムは提携先のブランドから選ぶことになる、または持込料を支払って自分の好きなものを持ち込む、という方法しかないが、このサービスを使うとアイテムと式場を自由に組み合わせて結婚式を作ることができる。
- マネタイズポイント:結婚式場やアイテム業者からの受注単位の成功報酬(だと思う)
トキハナについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください
結婚式場のメタサーチサービス:ウェディングニュース式場検索
- ターゲット:結婚式場を探している新郎新婦
- 差別化ポイント:広告用の写真ではなく実際の先輩花嫁の写真やレポート、見積り・費用情報から自分に合った結婚式場を探すことができる。
- マネタイズポイント:アフィリエイト収益(ウエディングニュース→ASPリンク→マイナビやハナユメCV→成果確定)
ウエディングニュース式場検索について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ブライダル業界の事業者・サービスについてまとめ
サービス・事業者とそれぞれの関係性、導線をまとめると上記のような図になります。
アフィリエイトサイトについてや導線についての詳細はまた別の記事で書こうと思いますが、このようなサービスごとのモデルの違いと、結婚式場との関係性について正しく理解しておくことは日常業務にも役立つことが多いので、ぜひ知っておくといいと思います。