※寄稿記事です。
毎年、リクルートのブライダル総研主催「GOOD WEDDING AWARD」が開催されていまおり、ウエディングプランナーを対象とした「いい結婚式」を考えるプランニングコンテストで、2020年で10回目となります。業界向けのコンテストという位置づけでは現状唯一であり、現役のプランナーの方の中にはこれまでにも挑戦したことがあるという方もいらっしゃるのではないかと思います。今回の記事では、過去の発表内容や表彰者から、どのように準備をすればよいのかまとめました。GOOD WEDDING AWARD2020にチャレンジする方へ、少しでも参考になれば幸いです。
GOOD WEDDING AWARD2020の概要
来年の開催予定日
ホームページにはGOOD WEDDING AWARD2019の結果報告と合わせて、2020年度の概要も記載されています。
- エントリー開始:2020年3月10日~
- 最終審査会:2020年7月14日(火)
2019年度は、
- エントリー期間:2019年4月2日~6月7日
- 最終審査会:2019年8月6日
となっていましたので、前年から1ヶ月ほど早くなっていることがわかりますね。そのため、これまでとは違い、繁忙期の3月にエントリーの準備を始めなければいけなくなりました。どういう事情かはわからないですが、特に3月末決算の会社の場合3月は追い込み時期でもありますので、けっこう厳しいスケジュールだと思います。
準備するもの
正式なエントリーはエントリーシートの提出を持ってなされますが、その前にも準備しなければいけないことはたくさんあります。
- エントリーする結婚式を決定する
- 該当の新郎新婦にエントリーすることをお伝えし、了承を得る
- エントリーシートをダウンロードする
例えば上記のような内容ですね。また、エントリーする上で、プランナー1人につき1エントリーまで、応募する結婚式の対象期間内であること、などいくつか条件があるので、それを踏まえてどのお客様の結婚式でエントリーしようかと悩むこともあるでしょう。そのため上記のスケジュールよりも早めの準備を開始したほうが良いと思います。
エントリーシートを書く際のコツ
普段の業務と並行してエントリーシートを書かなければいけないので、打合せプランナーが施行の振返りと使用している「施行報告書」または「施行振り返りMTGの議事録」などをベースに転用しているケースも多いのではないかと思います(忙しいですからね…)ただ、GOOD WEDDING AWARDの評価基準と社内の報告書や議事録は全く切り口が異なるので、そのまま書き換えるだけでは不十分だと言えます。
本気で通過、選考突破を目指すのであれば、忙しくてもきちんと評価基準と照らし合わせた記載を行うことが望ましいと思います。
GOOD WEDDING AWARDの評価基準とは
具体的なコツに入る前に、そもそもの評価基準を知っておく必要があります。
①結婚式のプランニング内容
新郎新婦の思いをどのように解釈・理解し、それを想像と構成力を持おっていかに実演したのかという点に主眼をおき、以下の視点から審査します。
- 新郎新婦の想い/要望、その背景の把握力
- プランニングの創造性/独創性
- 結婚式全体の構成力
②困難を乗り越える力とプランニングに向かう姿勢
「新郎新婦の言動から、プランナーは何を感じ、どうしたいと思ったか。そして、どう行動したか。」という、プランナーが主役のエピソードが評価基準となるのですが、
- 新郎新婦の結婚式に至るまでの困難(例:ご家族が何等かの理由で結婚式に出席できない/新郎新婦にハンディキャップがある等)のある施行
- 目新しいアイテム/演出などを取り入れた施行
このような施行を選んでしまう方も多いように思います。たしかに大きな困難があったり新しい目立つ内容があるとストーリーとしてのエッジは際立つのですが、打合せ~結婚式を通して打合せプランナーの介在価値が発揮されていなければ評価基準に達する事ができないので、その点は注意が必要です。
- [Before]プランナーが介在しなければ、どのようになっていたか
- [After]プランナーが介在することで実現できたこと、その結果新郎新婦にどんな変化があったか
という、打合せプランナーが介在することで実現できた、Before→Afterを意識するとよいでしょう。
エントリーシート前に結婚式を振返る
エントリーシートを記載する前に、以下の内容で1人ブレストをしてみましょう。
①どんな結婚式だったのか
- 新郎新婦の人柄/結婚式への思い・拘り
②この結婚式でのプランナーの介在価値
- 新郎新婦の人柄/結婚式への思い・拘りから、どのような結婚式にしたいと考えたか
- この結婚式で工夫したアイテム/演出
- なぜ、その工夫が必要だと考えたか
- 実現する為に、プランナーが考えた事/行動した事
- 工夫をしたことで、新郎新婦にどのような変化があったか
この中で特に重要なのは「②この結婚式でのプランナーの介在価値」だと思います。
- もし、違う選択をしていたならばどうなっていたか?
- もし、行動しなかったらどうなっていたか?
エントリーは1年に1回きりですので、じっくり時間をかけて振り返りから言語化していくことが大切だと思います。また、エントリー前のまとめとして「この結婚式で学んだこと/ブライダルに携わる人に伝えたいこと」ということについても考えてみることをお勧めします。
例えば、改めて感じたプランナーの仕事の醍醐味/プランナーの心得などですね。これはエントリーシートを通じて、一番伝えたいメッセージとなるので、新郎新婦の想いに寄添い、困難を乗越え、「ここまでやるなんて、すごい!」と感じてもらうことができると更により良いものになると思います。
その他に注意したほうがいいポイント
審査員は全国から集まる600~800枚のエントリーシートを読むことになりますので、Best50やファイナリストの8名に選出される為には、「エントリーシートの読みやすさ」という点も実は重要です。例えば、
- 結論→理由→具体的例の順番で記載する
- 「てにをは」を整える
- 文章は短くまとめる
- キーワードを揃える
- 一番伝えたいことは、太字/赤字を使う
このようなポイントです。第三者にフィードバックをもらうなどして、クオリティを高めていきましょう。
Good Wedding Awardについてまとめ
GOOD WEDDING AWARDエントリーシートの記載のコツは、下記2点です。
- この結婚式でのプランナーの介在価値を明確に記載すること
- この結婚式で学んだこと/ブライダルに携わる人に伝えたいこと
また、ファイナリストの発表では、会場という枠組みを超え全国トップクラスのプランナーが一堂に介す貴重な場です。いい結婚式とはなにか?今後のブライダル業界でプランナーの存在意義をどう高めていくか?そんなことを考えてもらう機会にしてもらえると嬉しいです。