以前「ブライダル企業に採用されるためには何が必要かを考えてみる」という記事を書きました。ブライダル業界で採用されるためには採用企業側の求める要件をしっかりと把握し、自身のポテンシャルを高めてしっかりと伝えることが大事ですよという内容ですが、今回はその紹介業である転職エージェントサービスとしてはどんなことが必要かををまとめてみます。
転職エージェントサービスとは?
サービスの概要
転職エージェントとは求職者と採用企業の間に入り、求人紹介や求職者紹介を行うサービスです。多くのサービスで求職者側は無料でサービスを受けることができ、転職した後に年収の何%かを成功報酬として採用企業もらうのが一般的なビジネスモデルです。
こうやって書くと少し堅苦しく、特に転職を経験したことのない方からするとイメージしにくいかもしれないですが、ブライダル業界で言えば、ゼクシィなびなどの結婚式場紹介カウンターのサービスと構造は似ています。ゼクシィなびのカップルを求職者に、紹介する結婚式場を転職先の企業に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。
一般的な転職エージェントの利用の流れ
- 転職エージェントのサイトから登録
- キャリアや転職についてキャリアアドバザーに相談(対面、オンライン、電話面談のケースあり)
- 求人の紹介
- (応募する場合)面接の日程調整
- 履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など
- (内定の場合)給与交渉
サービスによって、面談形式や面接対策などのサービス内容に差はあるものの、ほとんどの場合、上記のような流れで転職活動のサポートをします。このサービスの付加価値は、
- 求職者:転職活動を第三者的な立場でサポートしてくれるので、負担も小さく非公開求人を紹介してくれるなどがメリット
- 採用企業:自社の要件に合った求職者をスクリーニングして紹介してくれることなどがメリット
それぞれ上記のような内容で、ブライダル業界に限らず転職することが当たり前となった現代では総合型、職種特化型、業界特化型など様々な転職エージェントサービスがあります。
当社の転職エージェントサービス
当社では「ブライダル業界で働く人のよりどころになる」をビジョンに掲げ、ブライダル業界専門の転職エージェントサービスを2019年11月から運営開始し、これまで多くの方のブライダル企業への転職をサポートしてきました。まだまだ事業規模としては小さいものの、今後も継続して運営していく予定です。
サービス概要 | ブライダル業界で働きたい人向けの転職エージェントサービス |
サポートの流れ |
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対象職種 | ウェディングプランナー、ドレススタイリスト、管理職候補、フローリスト、営業事務、その他各職種 |
対象エリア | 首都圏がメインですが全国展開している企業では地方求人もあり |
URL | https://bridal-oshigoto.com/ |
サービス概要は上記の通りで、主に首都圏エリアでプランナーやスタイリストの求人をメインに扱っています(この記事執筆時点では、コロナウイルスの影響もあり各社の採用状況はかなり流動的です)。
よい転職エージェントサービスになるには何が必要か?
さて、ここまで転職エージェントサービスについて簡単にまとめましたが、「よい転職エージェントサービス」とは何か?を考えてみます。このテーマは正解があるものではないですが、私の思うよいサービスの定義は「求職者、採用企業、運営企業」の三社ともにとってメリットがあるサービスだと思っています。
1.求職者の視点
概念的要素
求職者にとって最適なキャリアを提示すること、だと考えています。
会社の事業として考えるのであれば登録してもらった人を1人でも多く転職させることが売上拡大につながるわけですが(転換率と呼びます、結婚式場の成約率のようなものです)、提供情報をコントロールしてまで転職させる必要もないし、結果として望まないキャリアを提供することは求職者にとって本意ではないですよね。
なので、転職という1つの機会をきっかけに自身のキャリアを客観的に見つめなおし、その時点また中長期的なキャリアを形成するために本当に必要なことをサポートすることが転職エージェントには求められると思います。
機能的要素
対求職者観点でサービスとして求められる機能には次のような点が挙げられます。
- 連絡のスピードの速さ
- 保有求人の量の多さ
- 紹介求人の精度の高さ
- キャリアアドバイザーのサポートレベルの高さ
このように精度の高いサービスオペレーションと業界や職種への基礎理解がポイントになるはずです。なので、事業運営側としては求職者及び採用企業側について深く理解するための取り組みと、サービスを高いレベルで安定的に運営するための取り組みが必要になります。
2.採用企業の視点
概念的要素
求める人材をピンポイントで紹介すること、だと考えています。
転職エージェント経由で採用する場合、自社サイト経由応募や求人サイト経由の採用に比べてフィーは明らかに高いはずです。そのため、その費用を払ってでも採用したい価値のある人材を紹介してもらわないと費用対効果が合いません。
オープンポジションを広く募集したい場合はindeedや求人サイトへの広告掲載という方法もある中でわざわざ転職エージェントを使うわけですから、このサービスに依頼を出せば高確率で希望する人材を紹介してくれる、という信頼を得る必要があります。
機能的要素
対採用企業観点でサービスとして求められる機能には次のような点が挙げられます。
- 連絡のスピードの速さ
- 紹介する求職者の量の多さ
- 紹介する求職者の募集要項とのマッチング精度の高さ
- 採用以外のHR課題に対する複合的なソリューション提供
4つ目のポイントは転職エージェントの枠を超えていますが、それ以外は先ほどと同じく精度の高いサービスオペレーションと業界や職種への基礎理解がポイントになるはずです。エージェントの場合は100人紹介して1人決まるよりも、10人紹介して5人決まるサービスの方が価値が高いので、その違いを理解した上での事業運営が必要になります。
3.運営企業の視点
概念的要素
求職者/採用企業の双方にとってのメリットのあるサービスを作れたらスケールしてより多くの人にサービスを提供できる体制を整えること、考えています。
ここまで書いたようなユーザー/クライアントに対する付加価値を提供できるサービスを作れたら、次はそれをより多くの人に利用いただけること目指さなければいけません。ただ、事業拡大が先に来ると仮に事業が伸びても誰も幸せにならないので、ここの順番は間違わないようにしたいところです。
機能的要素
事業責任者観点でサービス運営に求められる機能には次のような点が挙げられます。
- 精度の高いオペレーション設計と安定運営
- アドバイザースタッフの採用と育成
- 求職者の集客効率改善と規模拡大
- 全部ひっくるめて利益率の確保と再投資
集客、求人、マッチング(求職者対採用企業)、この3点をバランスよく伸ばしていくことが求められます。個人のスキル成長という観点ではマーケ/CA(求職者対応)/RA(企業対応)の3つを一貫して1人でできるようになれば独立できるでしょうね。
ブライダル業界専門のよい転職エージェントサービスについてのまとめ
- 対求職者では転職ゴールではなく中長期を見据えたキャリアサポートができること
- 対採用企業では求める要件に合致する人材を精度高く紹介し続けること
- 事業運営観点では集客/求人/マッチングをバランスよく伸ばし、サービス提供できる対象を然るべきスピードで拡大すること
この3つを兼ね備えているサービスがよい転職エージェントサービスだと思います。当社のサービスがそうなれるかわかりませんが(もちろんそうなるように努力は続けますよ)、この視点を持ち続けてよいサービスを作っていきたいですね。
おわり