アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
企業のIR情報を見て会社の状況や方針を理解できるのは、社会人としての重要なスキルの1つです。そこで、今回の記事では、ブラス(BRASS)の2020年7月期第2四半期の決算説明資料をもとに、その内容について考察してみようと思います。(注)本記事の内容はあくまで個人的な見解であり、投資家向けに書いているわけではありません。この記事の内容をご覧になられて投資判断をされても一切の責任を負えませんのでご了承ください。
今回の第2四半期決算の概要
元となるブラスの2020年7月期第2四半期の決算説明資料は下記URLで見ることができます。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2424/tdnet/1807115/00.pdf
決算概要
数字がたくさんあるのでざっと見るべきポイントをまとめると下記のようになっています。
- 売上高:前年比増
- 営業利益:前年比大幅増
- 当期純利益:前年比大幅増
売上、営業利益、当期純利益とも前年を上回る進捗となっており、計画対比の現時点の進捗で見るといい線なのかどうか判断微妙ではありますが、業績は好調と見てよいのではないかと思っています。
業績好調の主たる要因が
- 単価上昇で売上高改善
- 販管費の抑制で営業利益率改善
とありますが、KPIは下記の通りのようです。
こちらを見ると、単価も伸びてはいるんですが組数増加の方が業績には貢献していそうです。昨年対対比で計算しみると
- 組数増加分:214組×393万円=8.4億円
- 組数増加分:1206組×8万8千円=1.1億円
なので、貢献度合いとしては組数増加の割合が大きいですね。施行組数は
- 施行組数=来館数×成約率
で計算できるので、前期の来館か成約率かのいずれかが良かったので当該四半期までの施行が好調だったのだでしょう。詳細KPIの内訳までは公開されておらず、この伸び方が一過性の施策によるものなのか今後も継続して期待できる自力強化によるものなのか迄は分からないですが、業績の土台をしっかりと作って新規店舗が増やしていくというのは、式場運営企業の事業成長の王道と言えると思います。
業績予測
新型コロナウイルスの影響は含んでいないものの、業績予測は期初計画据え置きとなっています。
ちなみに、年間施行組数が3,060組で通期稼働している会場数が21会場なので、1会場当たりの年間施行組数は約145組。全会場のバンケット数を調べてないので事実と違ったらすみませんなのですが、もし1バンケ出店がほとんどだとすると1会場当たりの年間施行枠稼働率は70%前後となるので、出店エリアを考えるとかなり高稼働状態かなと思います。すごいですね。
その他のトピック
会社の方針や顧客満足への取り組みは興味ある方は是非ご覧ください。ここでは新規出店についてだけ触れます。
- 2020年7月期 3月開業予定 アコールハーブ
- 2020年7月期 4月開業予定 アトールテラス鴨川
新規エリアへの出店と新形態(M&A)での出店で、この2店舗が開業すると合計23店舗になります。
2020年度のPLへの影響は主にコスト面になるでしょうが、2020年度末までにどれだけ受注残を積めるかで2021年の業績に大きく影響するので、どうなるのかはまた決算観ていきたいと思います。ただそれ以上にコロナウイルスの影響が大きくなりそうですが…。
ブラス(BRASS)の2020年7月度第2四半期決算についてまとめ
ほんとに簡単にですが、決算説明資料をもとに考察を書いてみました。ブライダルの現場で働いていると企業のIR情報を見ることはほとんどないとは思いますが、他の会社でどんなことをやっているのか、起こっているか、ブライダルマーケット全体をどのように捉えて動いているのかなどがわかると意外と楽しいと思うので、この記事をきっかけにIR資料も見るきっかけになってくれればうれしいです。