更新日 2021年08月31日

【ウェディングプランナー】一貫担当制と分業制の違いとメリット・デメリット

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アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

ウェディングプランナーのお客様の担当のやり方は会社によって異なり、「一貫担当制(一顧客一担当制)」の会社と「分業制」の会社があります。

この2つの方法に優劣をつけることは難しいですが、ウェディングプランナーの仕事で関わるお客様やパートナーはもちろん、所属する会社、そしてプランナー自身にとってどちらの制度だとどのように違うのかは知っておきたいところです。

今回の記事では「一貫担当制」と「分業制」の違いやそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

 

結婚式までの流れとプランナーの役割

45_結婚式までの流れとウェディングプランナーの担当範囲
  1. 情報収集
  2. 問合せ
  3. 見学予約確定
  4. 結婚式場の見学
  5. 申込み
  6. 打合せ
  7. 結婚式当日

大まかにまとめると上記のような流れで、ウェディングプランナーがお客様の接客をするタイミングは、4と5の初めて式場見学に訪れてから申込みをしていただくまでの「新規フェーズ」と、結婚式の具体的な内容を一つずつ決めていく「打合せフェーズ」の2フェーズに分けて考えられています。

新規フェーズは多くの会場が即決(見学した日に申し込みを促すこと)の接客スタイルを取り入れているので、お客様の接客をしている期間は約3時間程度と短いのに対し、打合せフェーズでは4か月~5か月くらいかけて4~5回の打合せをしながらじっくりとお客様と関わっていきます。

申込から結婚式までの期間が長い場合でも、具体的な打合せが始まるタイミングは当日から逆算して4か月~5か月前からなので、その間は特に何もしない期間となります。

 

ウエディングプランナーの一貫担当制と分業制の違い

45_ウェディングプランナーの担当範囲の違い

一貫担当制のウェディングプランナー

一貫担当制とは、お客様が初めて来館されたときの接客から、打合せ、結婚式当日までの接客を同じプランナーが担当する方法のことです。大手のブライダル会社ではT&Gがこの方法を採用しており、ウェディングプロデュースの会社も同じくこの方法であることがほとんどでしょう。

ウェディングプランナーは自分の担当を持ちながら新規接客にも出るので、新規と打合せの両方の業務を並行して行うことになります。

分業制のウェディングプランナー

分業制とは、お客様が始めた来館されたときの接客と、打合せ~結婚式当日までの接客を別のプランナーが担当する方法のことです。大手のブライダル会社ではベストブライダルやアニヴェルセルなど多くの会社がこの方法を採用しています。

ウェディングプランナーは新規接客担当と打合せ担当で明確に分かれており、新規プランナーは新規接客だけ、打合せプランナーは打合せだけを担当するのが一般的です。

マルチ担当のウェディングプランナー

レアなケースですが、マルチ担当という制度もあります。制度としては分業制なのですが、プランナー個人で見ると新規と打合せの両方を担当している、というケースです。

ブライダル業界は新規来館と施行の繁忙期がずれているので(新規来館の繁忙期は1月や5月、8月など長期休暇後、施行の繁忙期は3月や10月、11月など気候が穏やかな季節)、新規も打合せもできるスキルを有しているマルチなプランナーは、新規来館の繁忙期には新規プランナーとして、施行の繁忙期には打合せプランナーとして業務を行う、ということもできます。

会社の制度として体系化されているかは別として、忙しい時期に合わせて臨機応変に業務対応をしている、という理解でよいでしょう。

 

顧客目線の一貫担当制と分業制のメリット・デメリット

45_顧客目線の担当制度別のメリット・デメリット_2

一貫担当制のメリット・デメリット

【メリット】

  • 信頼できるプランナーに結婚式をお願いできる
  • 申し込み後、打合せ開始までの問い合わせ窓口が明確

【デメリット】

  • 申込から結婚式までの期間が長い場合に、プランナーの移動や退職などで一貫担当ではなくなることがある
  • 打合せに入ってからの担当変更を依頼しにくい

分業制のメリット・デメリット

【メリット】

  • (総じて)スキルの高いプランナーに新規、打合せを担当してもらえる
  • (普通は)異動辞令は担当を割り振らないので、急遽式場都合で担当が変わることがほとんどない

【デメリット】

  • 来館時に接客してくれたプランナーを信頼して申し込んだとしても、打合せプランナーとの相性が良くないことがある
  • 新規来館時に「~~ができます」と言っていたことが引き継がれておらず、打合せになってできませんと言われることがある

 

経営目線の一貫担当制と分業制のメリット・デメリット

45_経営目線の担当制度別のメリット・デメリット

一貫担当制のメリット・デメリット

【メリット】

  • 一貫担当であることのメリットをユーザーに伝えることで、集客力強化につながる
  • 「人ウリをする」という新規接客シナリオを組めるので成約率強化につながる
  • 来館~当日までの流れを早く経験できるので、総合力の高いプランナー育成が組める(採用にも活かしやすい)

【デメリット】

  • プランナーの異動の辞令を出すタイミングが難しい
  • プランナーの業務量や業績貢献度が結局成約率に依存する
  • 新規が得意で成約率の高いプランナー、打合せが得意で単価が高いプランナーを専任にできないので業績を最大化させることができない

分業制のメリット・デメリット

【メリット】

  • 異動や組織変更を比較的やりやすい
  • 新規、打合せに業務が特化しているので、プランナーの育成・教育計画が組みやすい
  • 新規が得意、打合せが得意などプランナー個人のスキルに最適な業務担当にできるので、業績を上げやすい

【デメリット】

  • 新規担当から打合せ担当への引継ぎがしっかりできないとクレームが起こりやすい
  • 新規と打合せの公平な評価基準設計が難しく、不平不満が出やすい
  • 優れた成果を出してしまうと、異動させにくい(特に新規で高い成約率を残すと、打合せへの異動は勇気が必要)

 

働く人目線での一貫担当制と分業制のメリット・デメリット

45_働き手目線の担当制度別のメリット・デメリット

一貫担当制のメリット・デメリット

【メリット】

  • 来館~当日までの流れを早く経験できるので、ブライダルの総合的なスキルを業務を通じて身に着けることができる
  • 一組のお客様と長く付き合えるので、仕事へのやりがいを感じられる
  • 打合せまでを考えた新記事の提案ができるので提案力の幅が広がる

【デメリット】

  • 成約を取れないと仕事がない
  • 自己都合の退職をする場合に担当変更が必要なので、どうしてもお客様に迷惑が掛かる
  • 新規接客で培われる営業力、打合せで培われるプロマネ力、など特化したスキルを身に着けにくい

分業制のメリット・デメリット

【メリット】

  • 担当する業務領域が限られており集中して取り組めるので、業務を覚えるスピードが相対的に速い
  • 身に着くスキルが特化しているので、転職を希望するときのアピールがしやすい

【デメリット】

  • 1組のお客様と接する機会が限られているので、顧客満足ややりがいを感じにくい
  • 新規と打合せの公平な評価がされにくい(新規の方が総じて評価されやすい)
  • 優れた成果を出してしまうと、異動しにくい(特に新規で高い成約率を残すと、打合せへの異動希望が通りにくい)

 

ウェディングプランナーの担当制度別のメリット・デメリットまとめ

ここまで、一貫担当制と分業制のメリット・デメリットをそれぞれ書いてきましたが、どちらか一方が優れていてどちらかがダメだ、ということはなく、会社としてどういうサービスを提供したいか、プランナーとしてどういう働き方をしたいか、という点が重要だと思います。

最近のブライダル業界全体の流れとしては分業制の方が多いかなぁという気はしますが、同じ会社の中でも柔軟に担当を持たせている企業も増えてきているので、今後はハイブリッドな会社も増えてくるのかも?と予想はしています。

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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