アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
デジタル広告は年々多様化してきており、リスティング広告やSNS広告だけでなく、ネイティブ広告、インストリーム、動画など様々なフォーマットでの出稿が増えてきています。
ブライダル業界も同様で、近年は特にデジタル広告に予算を投下している会場も多いでしょう。一方、これらの運用型広告の効果を高めていく際に重要なのに対策を忘れがちなのがランディングページの最適化(=LPO)。
広告運用を精緻に実行したとしても、すべて結婚式場ホームページのトップに遷移させていてはなかなか思うような結果を得られないことも多いと思います。そこで、今回の記事では「ランディングページの最適化」についてまとめます。
LPOとは?
LPOとは「Landing Page Optimization」の頭文字を取ったものであり、リスティング広告やSNS広告などからウェブサイトにアクセスしたページ(ランディングページ)を改善し、CVR(コンバージョンレート)を最大化する施策のことを指します。
意図するコンバージョン(ブライダルフェア予約や資料請求などの、ホームページ上で期待するアクション)に到達する確率を高め、広告費の費用対効果を最大化し、集客ボリュームを増加させることが目的です。
LPOの基本的な考え方としては、
- 流入経路や広告のクリエイティブ、配信条件ごとのユーザー属性に合わせたテキストやクリエイティブを用意する
- 遷移前の広告との親和性を高める
- ページ途中での離脱を防ぐ
- 効率的に誘導しコンバージョンまで遷移させる
- その結果、広告の費用対効果を最大限に高める
このような順番で考えていきます。
リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などのデジタル広告はその種類、配信量とも爆発的に伸びてきており、様々なチャネルを通じてサイトに遷移してくるようになりました。各種デジタル広告の運用に関するノウハウもたまってきており、セグメントの最適化や広告クリエイティブの改善を日々行っている会社も多いでしょう。
一方、流入施策を改善し最適な方法で自社ホームページに誘導してきても、遷移前に見てきた広告テキストやバナーのイメージと、ランディングページの内容に相違があったり、期待した情報が見つけられなかった場合は、すぐに戻って検索し直したり、広告をクリックする前にいたサイトにすぐに帰ってしまいます。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンからの自然検索の流入の場合は、検索意図に最適化されたページが自動で表示されるので一般的に意図と全く異なるページが出てくることは少ないですが、デジタル広告の場合は広告主側でランディングページを自由に設定できるので、よりLPOの重要度が高くなります。
このように、広告のランディングページを改善し、CVRを向上させるLPOは、非常に重要なマーケティング施策だと言えます。
ランディングページを設定したほうがよい
結婚式場で公式ホームページを持っているところがほとんどだと思いますが、広告用のランディングページを用意している会場、さらにいうと広告経路ごとの専用ランディングページを持っているところは多くはないのではないでしょう。
ランディングページは必ず用意するものではないですが、特定条件の集客施策を実行する場合はホームページのトップに遷移させるよりも専用のランディングページに遷移させた方が効率的です。
1.デジタル広告を実施するケース
リスティング広告やFacebook広告、ディスプレイ広告などを結婚式場単位で運用する場合、サイト遷移後のコンバージョンまでの距離が極力近い方がCVRが高くなりやすいので、一般的に広告用の専用LPを用意するケースが多いです。
トップページはサイト内の各コンテンツへのリンクが集まる場所なのでユーザーの興味が分散しやすく、そのままコンバージョンを獲得するのはあまり向いていません
2.独自のキャンペーン企画を実施するケース
結婚式場で期間限定のキャンペーンやイベントを開催するなど、通常のホームページコンテンツとは別の切り口の企画を実行するときは、専用のランディングページを制作したほうがいいでしょう。
「オープン1周年記念!2週間限定のビッグブライダルフェア」や「●月●日開催!△△迎賓館ブライダルフェスタ」といったような企画のイメージです。
その場合のランディングページへの流入経路はデジタル広告に限らず、SNSの投稿、記事広告、外部サイトからのリンク、プレスリリースのリンクなど多岐にわたると思いますが、ホームページのお知らせやInfomationなどで書くだけではなく、その企画専用のページを設けた方がよいでしょう。
3.外部企業とのタイアップなど通常集客とは別経路の企画を実施するケース
独自のキャンペーンと似ていますが、複数会場を運営している会社で企業全体/ブランド全体でキャンペーン企画を実施するケースです。
他にもSNSハッシュタグキャンペーンをする、アニバーサリーイベントを実施するなど独自企画を実行する際にランディングページを用意することもあるかと思いますが、より直接的にコンバージョン獲得を目的とするケースとしては、上記の3つのパターンがメインとなると思います。
ランディングページを作る・改善する際の4つのポイント
1.広告クリエイティブとランディングページのファーストビューで訴求内容をそろえる
デジタル広告経由でランディングページに遷移してくるユーザーは、その広告の訴求内容に興味を持って遷移してきます。広告のクリエイティブには
- リスティング広告のようなテキスト
- ディスプレイ広告のようなバナー
- FacebookカルーセルやCriteoのような複数のバナー
- Youtube広告などの動画
などいくつかのバリエーションがありますが、いずれにせよ、広告に設定しているキャッチコピーであったり、商品の画像であったり、フォントや色などのデザインと、ページを訪れたユーザは、最初に目に留まる領域「ファーストビュー(FV)」で表示する内容はできる限りそろえるようにしましょう。
2.ファーストビューで興味を惹く
ウェブサイトに訪問後の最初の5秒でFVを見て自分に必要な情報であるか判断し、そのページにとどまるか離れるか決断すると言われています。クリック→ロード→パッとみてもっと読むかどうかを判断する、ほんとに一瞬です。
先ほど挙げたポイントである「広告で訴求した内容とズレていないか」ということだけではなく、さらに「いかにユーザの心に刺さる魅力的なファーストビューにするか」も非常に重要なのです。訴求する内容は、
- わかりやすく魅力的なキャッチコピー
- 独自性の高い写真・画像
- 低価格、高い顧客満足度など定量的なデータ
などテキスト、画像、数値など何でもいいのですが、ユーザーが興味を持つことを最初に・シンプルに訴求することで、直帰率改善・コンバージョンアップの重要なポイントとなります。
3.ページの読み込み速度を上げる
ページの読み込み速度をできるだけ早く設定しましょう。特にスマホユーザーは読み込み速度が遅いとストレスを感じやすく、離脱してしまう可能性が高くなってしまいます。
具体的なデータとして、操作開始時間が1秒のサイトと3秒のサイトを比較しても、3秒のサイトは1秒のサイトに比べ、ページビューが22%低下、コンバージョン率は38%低下、直帰率は50%上昇してしまうというデータもあるほどです。
このようなデータが示すように、ランディングページの表示速度の高速化は直帰率の改善、コンバージョン率の増加にとても重要なポイントとなります。
4.スマホ対応のページにする
ランディングページを作る際はスマホ最適化は必ず行いましょう。もう今の時代でスマホ対応していないサイトはほぼないと思いますが…。
スマホ専用のページを作るでもいいですし、レスポンシブデザインでもいいですが、特に近年はスマートフォンの利用率の増加に伴い、スマートフォンに対応しているかどうかも重要なポイントとなってきています。
LPOを実施する方法
ここまで、具体的な改善ポイントについてまとめてきました。最後に、ランディングページを改善していく具体的な方法についてまとめます。
自社でランディングページを修正する
ランディングページの改善ポイントが明確で、確実に行ったほうがいいだろうと言う場合はすぐに修正したほうがいいでしょう。自社で改修する場合はスピード感を持って取り組める、運用ノウハウがたまることがメリットになります。
一方、注意するポイントとしては
- 開発を外注している場合は都度コストが掛かる
- あまり頻繁に変えすぎると正しい効果検証が難しい
- 改修・変更履歴をきちんと残しておかないと、一番良かったLPがどれだったかわからなくなる
といった点が挙げられるので、エンジニアやデザイナーが社内にいない場合以外はあまりオススメではありません。
LPOツール/LPOサービスを使う
LPOツールとは、簡単に言うと細かなLPO施策を簡単にできるようになるツールのことです。
個別に開発する方法と比べてLPOツールは「導入が簡単」、「運用スピードが速い」、「コストメリットが高い」といった点がメリットで、月々数万円~でランディングページの変更やA/Bテスト、効果検証ができます。
結婚式場ホームページのLPOについてまとめ
様々な施策を企画・実行しても遷移先がホームページのトップだけ、という状態では成果の最大化は難しいです。
ランディングページの最適化、と聞くと難しそうな印象もありますが、最近では簡単にテストや修正ができるツールも充実しているので、この機会にぜひ一度検討されてみてはいかがでしょうか?