更新日 2021年09月20日

自社主催のブライダルイベントで成果を上げるためのポイント

0105_結婚式場主催イベントでの集客のポイント

アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

近年の自社集客強化のトレンドから、その手法の1つとして結婚式場運営企業が自ら主催するブライダルイベントの開催するケースが増えてきています。

今回の記事では自社主催イベントで成果を上げるためのポイントをまとめます。

 

自社主催のブライダルイベントとは?

104_ブライダルイベントの種類

結婚式場運営企業やプロデュース会社が主催し、自社運営式場や提携式場への来館予約獲得を目的とするイベントです。上の表の3つ目。

最近だとバリューマネジメントやツカダグローバルホールディングがよく開催していて、以前はエスクリやテイクアンドギヴ・ニーズ、アニヴェルセルも開催していました。

ちなみに、ゼクシィやハナユメなどの媒体が主催するイベントのポイントは以下の記事にまとめてありますので、こちらも参考にご覧ください。

媒体主催のブライダルイベントのオペレーションのポイント

 

自社主催ブライダルイベントのKPIツリー

105_自社主催イベントのKPI

企画力とかかるコスト

最初に必要になるのが「どんなブライダルイベント」をするか、という企画力です。どんなイベント、と言っても、何をフックに集客するかが重要になるわけですが、一例としては

  • 試食・試着・模擬挙式などの結婚式場探しに役立つコンテンツ
  • 似顔絵、写真撮影、ワークショップなどの体験型コンテンツ
  • 芸能人や有名人のトークショー
  • 異業種とのコラボ企画

上記のようなコンテンツが一般的だと思います。芸能人などをゲストで呼ぶと集客力は強いですが客層のばらつきが多くなります。一方、試食や試着などはそれだけだとコンテンツとしての引きが弱く、複合的にいくつものコンテンツを体験できることで集客力が強くなります。このイベントに行けば結婚式に関わる情報は全部得られる!くらいに思ってもらえるかどうか、ですね。

それと同時に検討しなければいけないのが企画を実現するためのコストです。イベント開催にかかるコストは大きく分けると4つ。

  1. 会場費(自社の結婚式場の場合は0円)
  2. 告知や事前来場予約を獲得するために必要な広告宣伝費
  3. 体験型コンテンツを実施するための外注費、材料費
  4. 異業種とのコラボにかかるプロモーションフィーや芸能人へのギャラ

この4つのコストの合計と、イベントを通じて獲得できる来館予約の費用対効果が合うのかどうかは事前に緻密に検討しなければいけません。ただ、開催エリアや結婚式場によっても企画の有効度は異なるので何度かやってみて1度実施した企画が当たればそれを継続する、もしうまくいかなければ少しずつブラッシュアップしていくことが必要です。

まずは無難に開催したい、と言うことであれば、ビッグブライダルフェア+αくらいのコンテンツを用意し、専用LPを作りウェブ広告で集客するのが一番いいと思います。

イベント来場者数

集客コスト×CPA(来場単価)、で計算することができます。
イベントを開催するとなった場合の集客手法としては、

  • リスティング広告、Facebook/Instagram広告などのデジタルマーケティング
  • marryやプラコレなどのブライダルメディアへの記事広告出稿
  • 会場SNSでの告知
  • 電車広告やラジオ広告、(地方なら)新聞広告などのマス広告
  • インフルエンサーの活用

これらが代表的な手法です。

開催地と開催日、集客目標数にもよりますが、marryやプラコレなどでもそれなりの母数が集められるので、まずコストが掛からず確度の高い方法から集客を開始し、最後の一週間でデジマで追い込みをかける、と言うのが王道かなと思います。電車広告などのマスも過去やったことがありますが、費用対効果が全然合わないのでオススメしないです。

着席率

結婚式場を紹介するブース、またはカウンターに着席する確率です。このKPIはイベント内の導線設計をどうするかが非常に重要になります。

媒体主催のイベントの場合はコンテンツごとのブースが固まっていてフリーに動けますが、結婚式場などで開催する場合はそこまで広くないのである程度限られたスペースでどのように動かしていくか、事前に考えておかなければいけません。

無難な導線としては、フリーで動かすよりもある程度こちら側で

  • 試食→試着&似顔絵→結婚式場ブース相談→フリー

みたいな形でフローを決めて誘導してあげたほうが着席率は高くなると思います。完全フリーにすると、試食して試着して似顔絵書いて帰る人が続出するので(実際したことあります)、「本日のスケジュール」のような簡単な紙を用意し、それに沿って動かしたほうがいいでしょう。

着席数

イベント来場者数×着席率、で計算できます。

ここが増えないのは当日のオペレーションのうち、特にイベント内導線に問題があることがほとんどなので、来場者が多かったのにブースに誰も座ってくれなかった、と言う場合は、会場レイアウトの変更や誘導の振り返りを徹底的に行うといいでしょう。

アポ率

相談ブース、カウンターで結婚式場の来館予約を獲得する確率です。

アポ率を最大化するためには、いかに実際に会場を見てみたいと思わせるかという点がポイントです。ちなみに、「いつもの新規接客のプレトークをする」のと「アポを取るためのトーク」は全く違います。アポ取りトークのイメージとしては「映画の予告編」です。一番面白そうなところを端的に伝え、わずか30秒の映像で実際に映画を見てみたい!と思わせられるかが重要です。

アポ取り接客も同じで、会場の魅力を1~10まで説明するのではなく、気になるところの魅力だけを端的に伝え、「ね?実際に見てみたいですよね?」とクロージングまですることが求められます。

アポ数

着席数×アポ率、で計算できます。アポ数が最終的な目的なので、ここで取りこぼさないよう、入念に準備をして挑みましょう。

105_自社主催ブライダルイベントで重要なポイント

成果を上げるためのポイント

最後に、これらのKPIを理解した上で最大化するためのポイントをいくつか書いておきます。

イベントの開催目的を明確にする

今回の記事では来館予約獲得を目的としたイベントKPIについて解説しましたが、それ以外にも

  • 自社結婚式場の認知拡大
  • SNS(特にInstagram)のフォロワー獲得
  • 新商品のリリース記念

など、様々な目的が考えられます。特にインスタのフォロワーは今の結婚式場において重要な役割を果たしますが、多くのフォロワーを獲得するためには地道な活動を継続して行うことが必要で時間がかかります。

ウェブ広告でブーストすることもある程度は可能ですが、ブライダルのような映えやすい商材であれば、フォトスポットをふんだんに用意したワンデーイベントで特定のハッシュタグを用意するなどリアルをからませた方が、実は効率的だったりもします。

その場合、KPIは着席率ではなくフォトブース立ち寄り率、インスタ投稿率、ハッシュタグの投稿件数などになるので、それに沿ったオペレーション設計が必要になります。このように、目的によってKPI、オペレーション、すべてが変わってくるのでここの明確化が必要です。

関係者内でイベントのKPIと関わる要素の共通認識を取る

イベントを開催するときは

  • イベント統括責任者
  • 集客担当者
  • イベント会場責任者
  • イベント会場担当者
  • キッチンスタッフ、ドレススタッフなどコンテンツ提供者

など、多くのスタッフが関わります。関係者間の共通認識が取れていないと、事前準備も当日のオペレーションもうまく回らないですし、失敗したときの振り返りが責任のなすり付け合いになることが多いです。もし実施すると決めたら事前準備の段階から関係者との連携をしっかりととり、目的、オペレーションのすり合わせをしっかり行いましょう。

一回でいきなり成功すると思わない

イベント開催はやってみないとわからないことが多いです。

  • 普段と異なる方法で本当に集客できるのか?
  • お客様は期待通りの動きをしてくれるのか?
  • 来館予約は上手に獲得できるのか?

など、通常のブライダル媒体出稿→ブライダルフェア参加→新規接客、の流れとは異なる部分が非常に多いので、何度か繰り返していくうちに改善していくパターンがほとんどです。もちろん、会社のお金を使って実施する以上、結果を残さなければいけませんが、一発必中で成功しなければいけないと考えすぎず、次回改善できるポイントを見つけていくことの方が重要かと思います。

 

自社主催イベントのポイントまとめ

開催にかかるコストも負荷も大きいので軽い気持ちでできるものではないですが、安定して定期的に開催できるようになると、通常のブライダル媒体経由とは別の経路で集客できることので非常に価値の高い取り組みになると思います。

最初から成功することは難しいですが、きちんと仮説検証を繰り返し改善していけば成功確率を上げていくことは必ずできると思いますので、この機会に一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

市川 貴之

株式会社アナロジー代表。「ブライダル3.0を実現する」をミッションに掲げ、ブライダル事業者向けマーケ支援、ブライダル特化の人材紹介、Leju(フリープランナープラットフォーム)を運営しています。マーケティング、事業企画が得意。

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