アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
企業のIR情報を見て会社の状況や方針を理解できるのは、社会人としての重要なスキルの1つです。そこで、今回の記事では、AOKIホールディングス(以下、AOKI)の2020年3月期の決算説明資料をもとに、その内容について考察してみようと思います。(注)本記事の内容はあくまで個人的な見解であり、投資家向けに書いているわけではありません。この記事の内容をご覧になられて投資判断をされても一切の責任を負えませんのでご了承ください。
今回の2020年度3月期決算の概要
元となるAOKIホールディングスの2020年3月期の決算説明資料は下記URLで見ることができます。
今回はこの決算説明資料の中のブライダル部門(アニヴェルセル)についてのところのみをピックアップして書いていきます。
決算概要
こちらの数字の「アニヴェルセル・ブライダル」の数字をご覧ください、ポイントをまとめると
- 売上高:前年比31億円ダウン
- 営業利益:前年比17億円(85%)ダウン
もちろんコロナウイルスの影響もあったとは思いますが、大幅な減収減益となっています。
ブライダル部門の落ち込みの要因は施行組数の減少とあり、
- 施行組数=来館数×成約率
なので、集客が落ちたか成約率が落ちたかどちらか(または両方)がここ数年ずっと起こっているのでしょう。営業利益率も2%を切っていてかなり厳しい決算となっています。ちなみに2020年度の新規出店/退店はなし、設備投資も前期比で10億円以上縮小しています。
アニヴェルセル・ブライダル事業の詳細
- 施行組数減:532組減
- 単価:6.3万組減
いずれの数値も大きく下回っています。コロナウイルスによる影響がそのうち300組とあるので、仮になかったとしても230組程度は前年割れを起こしていて、売上で行くと10億円程度下落していたと予想されます。
この実績に対しての取り組みがこちらですが、うーん、どうでしょうね。普通、、、ですよね。下げ止まることはあってもV字回復は難しいんじゃないかなと正直思います。
もちろんオンライン化や3密対策なども必要なのですが、それ以上に来館と成約率を回復させることの方がインパクトが大きいはずなので(または一番下の経費削減、コスト合理化を進めて損益分岐点の施行組数を大幅に下げるか)、そちらの取り組みにリソースを割かないと再来期赤字になるんじゃなかと思いますが…。
こちらは経費内訳ですが、この実績を見ると広告費は前年より使ってるんですね。ということは取り組んでいないというよりは(具体的にどんな集客施策にコストを使ったかはわからないですが)施策を実行したが成果が出ない1年だったと読めると思います。となると凄腕マーケターを雇うか外部コンサルの刀とかに依頼するか、とかなのかなぁ…。
AOKIホールディングスの2020年3月度決算についてまとめ
ほんとに簡単にですが、決算説明資料をもとに考察を書いてみました。ブライダルの現場で働いていると企業のIR情報を見ることはほとんどないとは思いますが、他の会社でどんなことをやっているのか、起こっているか、ブライダルマーケット全体をどのように捉えて動いているのかなどがわかると意外と楽しいと思うので、この記事をきっかけにIR資料も見るきっかけになってくれればうれしいです。